米国インフレ指標のCPIとPCEの違い。比較したらけっこう違った!CPIのみ注視してると足もとをすくわれる!?

コラム,CPI・PPI・PCE

先月末の記事でも少し触れましたが、11月分の米国PCE(個人消費支出)価格指数の結果が、CPI(消費者物価指数)の結果よりも思ってた以上に低下していたので、これは構成比や算出方法にけっこう違いがあるのではと思い、PCE価格指数とCPIの違いを調べてみました。
なるべく、わかりやすく簡単に説明していきたいと思います。

まずは、概要を比較表で簡潔にまとめてみました。

【CPIとPCEの比較表】

  CPI
(Consumer Price Index)
PCE 価格指数(デフレーター)
(Personal Consumption Expenditure)
発表元 労働省労働統計局(BLS) 商務省経済分析局(BEA)
調査地域 都市部 全国
基礎データ 一般消費者へのアンケート 企業の売上データ
集計範囲 一般消費者の支出額 非営利団体の支出や医療費など政府、民間保険会社、雇用主が負担した分も含む
構成比(比重) ラスパイレス指数
(基準年の比重を1年間固定)
フィッシャー指数
(直近の比重で計算するパーシェ指数とラスパイレス指数の幾何平均)
代替商品への調整 なし 新商品や低価格品などへの消費行動の変化を調整

PCEでは価格の安い商品に買い換えた場合には調整が行われるそうですが、例えば「キューピーのマヨネーズが値上がりして高くなったから、値段の安いイオンPBのTOPVALUのマヨネーズにした」ってなった場合、TOPVALUのマヨネーズ自体は値上がりしてても物価は下がったってことになるんでしょうかね!?
計算式がよくわからないので何とも言えませんが、CPIは実際の物価よりも高く出てしまう「上方バイアス」が生じやすいという記事を見ますが、むしろPCEが「下方バイアス」のような気がしますがどうなんでしょう!?

 

次は重要な構成比(比重)です。
CPIでは、発表元の労働省で公表していますので、直近の11月分では下記の通りとなっています。
この数値は1年間固定のようですが、12月分を見てみますと少し違ってますね。(笑)
12月が変動月なんでしょうかね!?

【 米国CPI 各項目の構成比(比重)】
米国CPI 各項目の構成比(比重)
 *一部項目を省略しています

 

PCE価格指数では、発表元の商務省で公表していませんので、直近の11月分で単純に消費支出総額の割合で計算してみました。

【 米国PCE価格指数 各項目の構成比(比重)】
米国PCE価格指数 各項目の構成比(比重)
 *一部項目を省略しています

ちなみに、財とサービスの構成比で検算してみますと、
PCE価格指数の11月分の前月比は-0.07172%、財の前月比は-0.71675%、サービスの前月比は+0.24955%でしたので、財の構成比をX、サービスの構成比をYとして方程式を解きます。

X+Y=100
-0.07172=-0.71675xX/100+0.24955xY/100

これを解くと、X=33.247% Y=66.753%
となり、PCEは幾何平均をとって平準化しているので、筆者の単月だけで計算した結果とは完全に一致はしませんが、概ね正確な構成比だと思われます。
前年同月比だと、もう少し変動幅があるので、X=33.912% Y=66.088%となりました。

 

では、CPIとPCEで比較してみます。
CPIの「シェルター(住居費)」の構成比が35.0%に対して、PCEの「住宅・公共料金」は17.9%とCPIの約半分の構成比となっています。(PCEでは構成比1.1%の「宿泊施設」はこれに含まれず、逆に2.4%の「光熱費」が含まれています)

一方、CPIでは「医療サービス」が6.3%、「医療用品」が1.5%ですが、PCEの「健康管理」では16.2%とCPIの約2倍の構成比となっています。

そこで、CPIコアとPCEコアの前年同月比でここ数か月の推移を見てみますと、CPIコアではほぼ横ばいとなっていますが、PCEコアでは下げ続けており、少し乖離が生じてきているのがわかります。
11月分ではCPIコアが+3.99%であるのに対してPCEコアでは+3.15%と、0.84ポイントもの差異が発生しています。

【 CPIコアとPCEコア(前年同月比)】
CPIコアとPCEコア(前年同月比)


これは10月にCPIの医療保険料の計算方法が変更され、前年よりも高く算出される傾向にあるのと、CPIでの比重が大きい住居費が前年同月比で6%台と未だに高水準を維持していることが主な要因だと思われます。
したがって、CPIの医療保険料の計算方法が変更されて1年経つまでは、CPIとPCEで乖離が生じたまま推移すると考えられます。

米国の中央銀行にあたるFRB(米連邦準備制度)では、このPCEコアが2%になることを目標に金融政策を行っています。
ただ、PCEコアが2%になったとしても、CPIコアが3%なんてことも十分にあり得そうです。
その時、PCEコアに合わせて利下げを実施してしまうと、CPIコアに対しては少し緩和的な金利水準になってしまいます。
さて、FRBはどう舵取りをするのか、今後はより一層注視する必要がありそうですね。

 

ちなみに、管理人ペッパーは経済・金融の専門家でもなんでもありません。
信じるか信じないかはあなた次第!
ฅ(=^・^=)

 

Posted by ペッパー