サーム・ルールにより米国はリセッション(景気後退)入り!(7月米国雇用統計結果詳細)

コラム,雇用統計

8日(金)に7月分の米国雇用統計の発表がありました。
結果は、非農業部門雇用者数が+11.4万人(市場予想+17.6万人)、失業率が4.3%(市場予想4.1%)、平均時給前月比が+0.2%(市場予想+0.3%)、前年同月比が+3.6%(市場予想+3.7%)と驚きの悪さとなり、ドル円は発表直後に急落しました。

それではその雇用統計の中身をもう少し詳しく見ていきたいと思います。

 

労働年齢人口

まずは、15歳以上の「労働年齢人口」です。
2024年7月分のグラフのデータが更新されていませんが、268,438千人(6月)→ 268,644千人(7月)へと、206千人の増加となっており、1月に大きく減少した後は上昇トレンドとなっています。

【米国労働年齢人口】
【米国労働年齢人口】

 

労働力人口

次は、15歳以上のうち就業者と完全失業者を合わせた「労働力人口」です。
168,009千人(6月)→ 168,429千人(7月)へと、420千人の増加となっています。

【米国労働力人口】
【米国労働力人口】

 

労働参加率

3番目は、上記「労働力人口」の割合である「労働参加率」です。
経済指標発表時は小数第一位までしか公表されませんので、小数第二位まで計算して求めてみます。
62.59%(6月)→ 62.70%(7月)へと、0.11%ポイントの増加となっており、2か月連続の上昇となっています。

【米国労働参加率】
【米国労働参加率】

 

非農業部門雇用者数

4番目は、「非農業部門雇用者数」です。
+179千人(6月)→ +114千人(7月)へと、65千人分伸びが鈍化しています。
前月分は27千人分、前々月分は2千人分下方修正されています。
以前コラムで述べましたが、やはり景気が悪化している時期は下方修正される傾向にありますね。
政府部門を除いた民間雇用者数も+136千人(6月)→ +97千人(7月)へと、39千人分伸びが鈍化しています。

【米国非農業部門雇用者数と民間雇用者数】
【米国非農業部門雇用者数と民間雇用者数】
 

各部門別に見てみますと、景気にあまり左右されず高齢化社会のため「医療と社会扶助」では安定的に雇用者数は増加しており、6月も+64.0千人と雇用増に大きく貢献しています。
ただ、伸びはやや鈍化傾向となっています。
その他目立つところでは「レジャーとおもてなし」が前月の+1千人から+23千人へ増加、「工事(建設)」が+20千人から+25千人へ増加しています。
一方で「情報」が前月の+1千人から-20千人へと大きなマイナスとなっており、景気が悪化してくると最初に影響が出やすい「一時的なヘルプサービス」も前月からはマイナス幅が縮まりましたが-8.7千人となっています。

【米国非農業部門雇用者数詳細】
【米国非農業部門雇用者数詳細】

 

失業率

5番目は「失業率」です。
こちらも経済指標発表時は小数第一位までしか公表されませんので、小数第二位まで計算して求めてみます。
その前に「失業者数」の絶対数を見てみましょう。
6,811千人(6月)→ 7,163千人(7月)へと、352千人の増加となっており、2022年12月の5,698千人を底に緩やかな上昇トレンドが続いていますが、今月は少し加速しました。

【米国失業者数】
【米国失業者数】

 

失業率も同様に、4.05%(6月)→ 4.25%(7月)へと、0.20%ポイントの増加となっており、2023年1月の3.4%を底に緩やかな上昇トレンドが続いていますが、今月は少し加速しました。

【米国失業率】
【米国失業率】

 

平均時給

6番目は「平均時給」です。
前月比が+0.29%(6月)→ +0.23%(7月)、前年同月比が+3.86%(6月)→ +3.63%(7月)へと、それぞれ0.06%ポイントと0.23%ポイント低下しています。

【 米国平均時給(前月比と前年同月比)】
【 米国平均時給(前月比と前年同月比)】

 

というわけで、6つの項目を見てみましたが、今月は「非農業部門雇用者数」「失業率」「平均時給」の3部門全て悪化となりましたね。
市場では株安債券高ドル安そして円高と暴落を伴ったリスクオフ相場となっていますが、ハリケーンの影響も大きかったとの報道もあり、今回の数字をもって雇用情勢が今後も同様に悪化していくとは断言できないと思います。
ただ、以前から述べているようにサーム・ルールの指数は今回7月分で0.53%となり、テクニカル的には景気後退(リセッション)入りしていると判断できます。
現状レイオフはまだ増加傾向とは言えませんが、今月1日にはAIブームの中、インテルがNVIDIAの煽りを食う形で1.5万人の大規模な人員削減を発表するなど、今後はレイオフに関するデータに注視する必要があるかもしれませんね。
これまで米国は景気が良くて株価が上がっていたというよりは、株価が上がっていたので景気を支えていたと少なからず言えると思います。
そして株価が暴落した今、実体経済に大きなマイナスの影響を与えると考えられます。
ドル円も米国の景気悪化、金利の低下に伴って、今後もまだまだ下値を試しにいくのではないでしょうか。

 

ちなみに、管理人ペッパーは経済・金融の専門家でもなんでもありません。
信じるか信じないかはあなた次第!
ฅ(=^・^=)

Posted by ペッパー