サナエノミクス=円安はミスリードか!?

コラム,経済・景気・株価

4日(土)に自民党総裁選挙が実施され、事前の予想を覆し、高市早苗氏が第29代自民党総裁に選出されました。
週明け6日(月)から高市トレードが活発化し、ドル円は3日(金)の終値147.45円から大きく窓を開ける形で急騰し、9日(木)には153.23円の高値を付けるなど、先週末の終値から4営業日で6円近くの上昇となり円安が加速しました。

さて、あまのじゃくの筆者としては次期総理大臣に選ばれるであろう高市自民党総裁の経済政策いわゆるサナエノミクスは本当に円安要因なのか検証してみました。

 

アベノミクスの継承

まず、専門家や市場が「サナエノミクス=円安」と予想している根拠は、アベノミクスの継承というイメージが強いからと思われます。
2012年12月に発足した第2次安倍政権では、①大胆な金融政策、②機動的な財政政策、③民間投資を喚起する成長戦略の3本の矢と称して3つの経済政策を掲げ、発足当時に於いては歴史的円高水準の1ドル80円前後で推移していたドル円はアベノミクスによって急速に円安が進み、2015年6月には125.86円の高値を付けるなど僅か2年半で約45円も上昇しました。

確かに高市総裁は積極財政派であり、1年前には「金利を今、上げるのはあほやと思う」と日銀の金融政策に釘を刺す発言もしており、金融緩和推進派と思われます。

しかしながら、2012年当時の経済状況は行き過ぎた円高の中でのデフレ下であり、デフレからの脱却を目指した「大規模な財政支出」と「異次元の金融緩和」があってこその大幅な円安なのです。
一方で現在は行き過ぎた円安の中でのインフレ下で、日銀はこの異次元の金融緩和を解消し金融正常化へ向けて舵を切っている状況です。
全く逆の経済状況なのです。

ましてや高市総裁が財政出動および減税や給付を行えば、これはインフレ要因となり、また高市トレードによって円安が加速していますので、これもまたインフレ要因となります。
したがって、日銀は緩和ではなくむしろ金融引き締めに動くことが予想され、これは円高要因となり、専門家や市場が予想している「高市政権下では利上げできない」という見立ては誤りであると考えます。

そして今週、高市氏のブレインである本田元内閣官房参与は、10月の利上げは難しいとする一方で12月会合の可能性はあると利上げを容認する発言をしており、また「1ドル=150円は行き過ぎ」「1ドル155円を超えて円安が進むとは考えにくい」などと発言しており為替レートをかなり気にしている感じがうかがえます。

 

財政悪化懸念

他方で、自民党総裁選の会見に於いても「赤字国債の増発もやむを得ない」と発言しており、財政悪化による円売りの一面もあります。
しかし、党内人事では副総裁に麻生太郎氏、幹事長に鈴木俊一氏が就任し、ともに元財務大臣で財政規律を重んじているところもあり、赤字国債発行、積極財政には一定程度歯止めがかかると思われます。
恐らく市場が期待しているほどの積極財政とはならず、現実的な規模に収まるのではないでしょうかね。

また、高市総裁本人も「責任ある積極財政」を掲げて、純債務残高の対GDP比を徐々に引き下げていく考えを示しています。
純債務残高とは、政府総債務から一般政府が保有する金融資産(年金積立や外貨準備など)を差し引いたものなのですが、実は物価高による消費税収増というステルス増税のおかげで2020年以降低下傾向となっており意外と健全なのです。
むしろ上昇傾向となっている米国の方が危うい感じがしますので、財政に関しては円がドルに対して売られるというのはちょっと違う感じがします。


出典元:世界経済のネタ帳

 

あとがき

今週は高市トレードによって円安が急速に進みました。
周囲のブレインの人たちから促されたのか先ほど「円安はいい面も悪い面もある」と高市総裁からやや円安を牽制する発言が出ましたね。

というわけで、あまのじゃくの筆者は上記に示した通り、「サナエノミクス=円安」は今回もまた専門家や市場の誤った織り込みによるミスリードだと思っています。
こんな思考をもっているのは世界中で筆者くらいでしょうかね!?(笑)

以前から述べているように、為替も所詮多数決ですから、正しかろうが間違っていようが売買量の多い方に動きます。
ただ、中長期的には誤りは是正されていきます。

ドル円は基本的に日米の金利差、そしてそれは主に米国次第という面があります。
現在日米の金利差的には縮小傾向となっていますが、ドル円はこれに逆行する形で上昇しており、筆者の感覚からするとドル円のレートは10円くらい割高だと思われます。
テクニカル的に見ても買われ過ぎの水準ですので、早ければ明日にでも下落する流れになる可能性があり、ここで1つ注意喚起の意味も込めてコラムを掲載しておきます。

 

ちなみに、管理人ペッパーは経済・金融の専門家でもなんでもありません。
信じるか信じないかはあなた次第!
ฅ(=^・^=)

Posted by ペッパー