関税による物価押し上げよりも景気減速による押し下げ効果の方が大きい!?(2025年3月米国PCEデフレーター結果詳細)
4月30日(水)に3月分の米国PCEデフレーター(個人消費支出価格指数)の発表がありました。
結果は、総合PCEの前月比が±0.0%(市場予想±0.0%)、前年同月比が+2.3%(市場予想+2.2%)、コアPCEの前月比が±0.0%(市場予想+0.1%)、前年同月比が+2.6%(市場予想+2.6%)となり、総合PCEの前年同月比では市場予想を上振れ、コアPCEの前月比では逆に下振れました。
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それでは、その米国PCEデフレーターの中身をもう少し詳しく見ていきたいと思います。
PCEデフレーター(サービス)
まずは、構成比2/3のサービス部門です。
前月比では+0.15%(前月:+0.54%)と大きく低下しています。
前年同月比でも+3.49%(前月:+3.78%)と低下しています。
比重の大きい「住宅」と「ヘルスケア」ですが、前者の前月比は+0.39%(前月:+0.28%)と上昇しましたが、後者の前月比は-0.1%(前月:+0.34%)とマイナス圏へ低下しました。
その他では、「家庭用光熱費」の前月比が+1.08%(前月:+1.22%)と高めのインフレ率となっています。
他方で、自動車リースなどの自動車サービスや航空輸送などが含まれる「輸送サービス」の前月比が-0.64%(前月:-0.20%)とマイナス幅を拡げ、ホテルやモーテルなどが含まれる「宿泊施設」の前月比が-3.30%(前月:+0.19%)とマイナス圏へ大きく低下しています。
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PCEデフレーター(財)
次は、残り1/3を占める財部門です。
前月比では-0.48%(前月:+0.23%)とマイナス圏へ大きく低下しています。
前年同月比でも-0.26%(前月:+0.36%)とマイナス圏へ大きく低下しています。
【米国PCEデフレーター(財)[前月比と前年同月比]】![【米国PCEデフレーター(財)[前月比と前年同月比]】](https://fx-osusume.pepper.jp/wordpress/wp-content/uploads/2025/05/column501.webp)
PCEデフレーター(耐久財)
さらに、財部門の中の耐久財の項目を見てみます。
前月比では-0.05%(前月:+0.40%)とマイナス圏へ大きく低下しています。
前年同月比でも-1.04%(前月:-0.92%)とマイナス幅をやや拡げています。
「自動車および部品 」の前月比が-0.38%(前月:+0.11%)とマイナス圏へ大きく低下しました。
「新車」の前月比は+0.09%(前月:-0.08%)とプラス圏へやや上昇しましたが、「中古車」の前月比が-0.68%(前月:+0.88%)とマイナス圏へ大きく低下しました。
テレビやオーディオ機器、自転車やボート・航空機などの娯楽用乗り物が含まれる「娯楽用品および乗り物」の前月比も-0.14%(前月:+0.52%)とマイナス圏へ大きく低下しました。
他方で、ジュエリーなどが含まれる「その他耐久財」の前月比が+0.94%(前月:+1.10%)と高めのインフレ率となっています。
【米国PCEデフレーター(耐久財)[前月比と前年同月比]】![【米国PCEデフレーター(耐久財)[前月比と前年同月比]】](https://fx-osusume.pepper.jp/wordpress/wp-content/uploads/2025/05/column502.webp)
PCEデフレーター(非耐久財)
最後は財部門の中の非耐久財の項目です。
前月比では-0.71%(前月:+0.13%)とマイナス圏へ大きく低下しています。
前年同月比でも+0.15%(前月:+1.05%)と大きく低下しています。
「ガソリンおよびその他のエネルギー製品」の前月比が-5.90%(前月:-0.78%)、医薬品やレクリエーション用品、家庭用品などが含まれる「その他の非耐久財」の前月比が-0.72%(前月:+0.43%)とマイナス圏へ大きく低下しています。
他方で、「食品・飲料」の前月比が+0.46%(前月:-0.01%)とプラス圏へ大きく上昇しました。
「肉類」の前月比が+0.91%(前月:+0.21%)「乳製品、卵」の前月比が+1.92%(前月:+0.92%)と大きく上昇しました。
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あとがき
というわけで、PCEデフレーターのサービス部門と財部門を分けて見てみました。
やはり関税の影響が出始めている感じですね。
在庫をほとんど持たない「食料品」などでは既に関税分が小売価格に転嫁されていると思われます。
それでも非耐久財全体では前月比大きなマイナスとなっており、関税による物価押し上げよりも景気減速によるエネルギー価格の下落などで押し下げ効果の方が大きい感じです。
耐久財は自動車などでは在庫を多く抱えていますので、関税による価格転嫁はまだあまり見られていないようですが、駆け込み需要の反動なのか「中古車」などでは逆に大きく低下しています。
他方で「サービス」の前年同月比ではまだ2%を超えるインフレ率で推移しています。
ただ、インフレ率を押し上げているのは主に「住宅」と「家庭用光熱費」で、前者は最新の3月分のZillow住宅価格指数が前月比で遂にマイナスとなっており、「家庭用光熱費」もエネルギー価格が大きく下落していますので、タイムラグを伴って下がってくると予想されます。
また、雇用統計詳細の記事でも書きましたが、平均時給が下落基調で推移しており、これに伴ってサービス価格も低下してくると思われます。
よって、関税の影響により特に財価格を押し上げる要素はありますが、それ以上に景気減速により物価全体を押し下げる効果の方が大きいかもしれません。
恐らく関税のピークが過ぎた後にはコアPCEデフレーターでさえも2%を軽く割り込んでしまうのではないでしょうか。
トランプ大統領は「FRBは利下げしろ」「パウエル議長はミスター遅すぎる人」とFRBを批判していますが、この点ではもしかしたらトランプ大統領の方が正しいのかもしれませんね。
ちなみに、管理人ペッパーは経済金融の専門家でもなんでもありません。
信じるか信じないかはあなた次第!
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