米国財務長官は株価下落しても下支えしない、むしろ歓迎か!?

コラム,経済・景気・株価

米国を代表する約500社の株価指数「S&P500」は、AIバブルやトランプ政権への期待などから今年2月19日に史上最高値を付けました。
しかしながら、実体経済では専門家や市場の予想とは裏腹に経済指標の悪化が相次ぎ、トランプ関税による物価高や貿易戦争の激化懸念などから景気後退論が浮上するなど、その後は株価の下落基調が続いています。

【S&P500】
【S&P500】

 

株・仮想通貨の下落や米国債の値上がり(利回り低下)は自身の利益!?

昨年末、多くの専門家が米株価に強気な見解を示す中、あまのじゃくの筆者は米株の下落を予想していましたが、財務長官に就任したベッセント氏もトランプ政権下での株価下落は予想していたことでしょう。

右 米株バブルは終焉か!?企業利益は織り込みに反して全く伸びず (2024年12月1日)

ベッセント財務長官は、ソロス・ファンド・マネジメントで最高投資責任者を務め、自身でもヘッジファンドを設立していたプロの投資家です。

政府高官は利益相反の恐れがある資産については売却が義務付けられているため、資産公開で明らかになったS&P500やビットコインなどのETF、米国債やドル通貨ポジションなど多種多様な51億ドル以上のとてつもない資産の多くを財務長官に就任が決まったことで売却したと思われます。
そして、売却益を米国財務省証券などに投資すればキャピタルゲイン課税が免除されるため、恐らく米国債などへの再投資を行ったものと考えられます。

つまり、ベッセント財務長官からすれば米国債の値上がり(利回りの低下)は自身の利益につながるということです。
また、財務長官を退いた後は再びポートフォリオを組み直さないといけませんので、売買ができない在任中に株や仮想通貨などの価格はできるだけ下がっていてほしいと心の中では願っているのではないでしょうか。

 

社会保障制度改革にも着手!?

ベッセント財務長官は就任時に財政赤字をGDPの3%以内にすることを目標にしました。(同時にGDP成長率3%、原油生産を日量300万バレル増加も掲げていますが、メインはやはり財政赤字の縮小でしょう)
そうなりますと、株価が下落したからといって財政出動により株価を下支えするという従来の政権のようなことはしないと推測できます。
本人も株価下落については「健全な調整」と発言しています。

しかしながら、株価下落の主な要因はGDPの7割弱を占める個人消費の低迷で、GDPNowによる第1四半期のナウキャストは前期比-2.8%となっています。
なので、GDP比で財政赤字を減らそうと思えば、それ以上の赤字削減が必要になってきますので、かなり困難な状況と言えそうです。

やはり、高齢化社会で増え続ける年金・医療などの社会保障給付の改革が不可避でしょう。
トランプ大統領は選挙期間中、社会保障の給付削減は行わないと発言してきた経緯がありますが、ベッセント財務長官はここにもメスを入れたいと考えているはずです。
なぜなら、自身が財務長官を退いた後、再び財政赤字が拡大してしまいますと米国債利回りは上昇し株価を押し下げる要因となるからです。
それは莫大な資産のポートフォリオを再構築した際の大きなリスクとなり、まさに時限爆弾を抱えながらということになってしまいます。

遅かれ早かれ米国の社会保障の基金はあと10年もしないうちに枯渇すると試算されてますので、恐らく任期終盤の話になってくるとは思いますが、社会保障の制度改革自体はできなくてもその道筋を作ることくらいは目指しているのではないでしょうか!?
ただ、そうなってきますと、やはり株価下落・国債価格上昇(利回りは低下)ということになってくるでしょう。

【連邦債務と社会給付】
【連邦債務と社会給付】

 

あとがき

というわけで、あくまでも筆者の憶測を中心に記事を書いてみましたが、政府の支出を削る以上はトランプ政権下でのGDPは低迷するでしょうね。
あとはFRBの利下げで民間企業がどれだけ業績を伸ばせるかということにかかってくるのではないでしょうか。

 

ちなみに、管理人ペッパーは経済・金融の専門家でもなんでもありません。
信じるか信じないかはあなた次第!
ฅ(=^・^=)

 

Posted by ペッパー