トランプ関税控え指標も悪化しドル円は下落!来週のFX相場予想(2025年3月24日~)
来週のFXドル円相場予想
予想レンジ:146.5 ー 150.0円
週間では「下落」と予想します。
根拠としては3つ。
1つ目は、米国PCEデフレーターは市場予想を下振れると予想。(ドル安円高要因
)
28日(金)に2月分の米国PCEデフレーター(個人消費支出価格指数)が発表されます。
毎月恒例ですが、Inflation Nowcasting を見てみますと、総合PCEとコアPCEの前年同月比及び前月比の予測値は4項目全てに於いて市場予想を下振れる数値となっています。
また、筆者が独自に計算した「前月比に応じた前年同月比の予測値」では、市場予想通り総合PCEとコアPCEの前月比がともに+0.3%となった場合、前年同月比はそれぞれ+2.5%と+2.7%になり、ともに市場予想と一致します。
筆者の予想としましては、既に発表のあった2月分の米国CPI(消費者物価指数)やPPI(生産者物価指数)では市場予想を下振れており、PCEデフレーターでも弱めの結果が出るような感じがします。
よって、結果は市場予想を下振れ、指標発表時ドル円は下落すると予想します。
また、同時刻には個人所得や個人支出の発表もあり、これらの結果によって動意付くことも考えられますので要注意となりそうです。
| 総合PCE (%) | コアPCE (%) | |||
|---|---|---|---|---|
| 前月比 | 前年同月比 | 前月比 | 前年同月比 | |
| 市場予想 | 0.3 | 2.5 | 0.3 | 2.7 |
| Inflation Nowcasting | 0.19 |
2.38 |
0.19 |
2.60 |
| 前月比に応じた予測値 | 0.20 | 2.39 | 0.20 | 2.61 |
| 0.30 | 2.50 | 0.30 | 2.71 | |
2つ目は、米国経済指標は悪化傾向と予想。(ドル安円高要因
)
来週発表予定の米国経済指標は、3月分では製造業・サービス業PMI(購買管理者景気指数)速報値、消費者信頼感指数、ミシガン大学消費者信頼感指数確報値、2月分では新築住宅販売戸数、耐久財受注、中古住宅販売成約数、1月分ではS&P/ケース・シラー住宅価格指数、第4四半期GDP確報値、週次の新規失業保険申請件数などがあります。
その他、FOMCメンバーによる講演や2年、5年、7年債と2年変動利付債の入札もあります。
まずは製造業PMIですが、市場予想は前月の52.7から51.9へと低下する見込みとなっており、回復基調にあった製造業の減速が予想されています。
今週発表のあった3月分のニューヨーク連銀製造業景気指数では-20.00と大きく下振れた一方、 フィラデルフィア連銀製造業景気指数では12.5と逆に上振れていました。
また2月分ですが鉱工業生産も強い結果となっており、自動車などの製造業でトランプ関税を前に駆け込み生産をしていたのではないかと思われます。
ただ、3月には関税が発効されてますので、やはり「弱い製造業」となるのではないでしょうかね。
他方、サービス業PMIの市場予想は前月の51.0から51.2へと若干上昇する見込みとなっています。
しかしながら、強かったサービス業も徐々に鈍化傾向が見られており、弱い結果になりそうな気がします。
消費者信頼感指数、ミシガン大学消費者信頼感指数は、トランプ関税や雇用の悪化により引き続き弱めの結果になると思われます。
ただ、逆相関的に期待インフレ率は上昇するのではないでしょうかね。
住宅関連も引き続き弱いと思われます。
2月分の中古住宅販売戸数は強い結果となりましたが、集計には1か月ほどタイムラグがありますので、好調だった1月後半のデータが反映されたと推測できます。
そして新規失業保険申請件数も増加基調と思われます。
よって、全体的に経済指標は悪化傾向と思われ、指標発表時ドル円は下落すると予想します。
3つ目は、テクニカル分析では下落と予想。(ドル安円高要因
)
ドル円日足チャートを見ますと、MACDなどでゴールデンクロスを形成して上昇が強まり、ボリンジャーバンドのミッドバンドを上抜ける場面も見られましたが、150円の大台や150.5円付近に位置するボリンジャーバンドの+2σがレジスタンス(上値抵抗線)となって反落し、ミッドバンドの攻防戦となっています。
引き続きミッドバンドの攻防となり+2σへ向かって上昇する場面もありそうですが、やはり-2σへ向かって下落する流れになっていくと予想します。
他方、週足では一目均衡表の雲の攻防となっており、昨年末のFX相場予想では新年早々に下りのターンへ入っていき、3月最終週辺りで安値を付けて、そこで一旦下りのターンは終わりと予想していましたが、恐らくもうあと1回下値を試しに、そして大きく下落すると予想します。
したがって、総合的に判断すると来週のFXドル円相場予想は、チャート上のオレンジの矢印のような感じで推移すると予想します。
あとがき
今週は日米で金融政策決定会合が開催され、FRB(米連邦準備制度理事会)に於いては政策金利を据え置いたものの、保有する米国債などの資産を圧縮する量的引き締め(QT)を4月以降月額250憶ドルから50憶ドルへと大きく減額させることを決定しました。
しかしながら、ウォラーFRB理事も述べていた通り、銀行がFRB内の口座に預け入れる準備金残高はまだ潤沢にあるので必要のないことだと思いますが、景気が減速する中でインフレにより利下げできない分、何か対策しなければという思いなのでしょうかね!?
金融政策の難しさを表しているように感じます。
他方、ドットプロットでは直近の市場の年内2回の利下げ予想に寄り添う形で同じ2回の利下げ見通しを示しました。
ただ、現在の市場予想は3回の利下げに戻っています。
一方で、SEP(経済見通し)では、PCEデフレーターの見通しを上方修正し、GDPは下方修正するなどトランプ関税を意識した見通しを示しました。
さて、そのトランプ関税ですが、再来週の4月2日に相互関税の発動が予定されています。
来週はやはりトランプ関税を意識した相場となり、ボラティリティも上昇しそうです。
筆者はドル円の大幅な下落を予想していますが、関税政策の中身や市場の反応によってはもしかすると全く逆行する可能性もあり、まさに先行き不透明といった感じです。
いったいどうなるんでしょうかね!?
ちなみに、管理人ペッパーは経済・金融の専門家でもなんでもありません。
信じるか信じないかはあなた次第!
ฅ(=^・^=)
【ドル円日足チャート未来予想図】