雇用増は小売業のパートタイムによる採用で一時的か!?(12月米国雇用統計結果詳細)

コラム,雇用統計

10日(金)に12月分の米国雇用統計の発表がありました。
結果は、非農業部門雇用者数が+25.6万人(市場予想+16.4万人)、失業率が4.1%(市場予想4.2%)、平均時給前月比が+0.3%(市場予想+0.3%)、前年同月比が+3.9%(市場予想+4.0%)と、平均時給の前年同月比は市場予想を下振れましたが非農業部門雇用者数や失業率は良好な結果となりました。

それではその雇用統計の中身をもう少し詳しく見ていきたいと思います。

 

労働年齢人口

まずは、15歳以上の「労働年齢人口」です。
2024年12月分のグラフのデータが更新されていませんが、12月は269,638千人(前月:269,463千人)となっており、前月からは+175千人(前月:+174千人)増加しました。
1月に大きく減少して以降は年率+0.6%ほどで推移する緩やかな上昇トレンドとなっています。

【 米国労働年齢人口(人)】
【 米国労働年齢人口(人)】

 

労働力人口

次は、15歳以上のうち就業者と完全失業者を合わせた「労働力人口」です。
12月は168,547千人(前月:168,304千人)と前月からは+243千人の増加となっています。
前年同月比でも+0.66%(前月:+0.10%)と大きく上昇しています。

【 米国労働力人口(千人)】
【 米国労働力人口(千人)】

 

労働参加率

3番目は、上記「労働力人口」の割合である「労働参加率」です。
経済指標発表時は小数第一位までしか公表されませんので、小数第二位まで計算して求めてみます。
12月は62.51%(前月:62.46%)と僅かですが上昇しています。

【 米国労働参加率(%)】
【米国労働参加率】

 

非農業部門雇用者数

4番目は、「非農業部門雇用者数」です。
12月は+256千人(前月:+212千人)と、雇用者数の伸びは前月から増加しました。
前月分は15千人下方修正、前々月分は7千人上方修正されています。

政府部門を除いた民間雇用者数も+223千人(前月:+182人)と、大きく増加しました。

【 米国非農業部門雇用者数と民間雇用者数 [増減数](千人)】
【米国非農業部門雇用者数と民間雇用者数】

 

部門別に見てみますと、「医療と社会扶助」が+69.5千人(前月:+79.8千人)と前月から伸びは減少しましたが、引き続き雇用増に大きく貢献しています。
次いで「小売業」が+43.4千人(前月:-29.2千人)と前月の大幅なマイナスから大幅なプラスへと転換しています。
「レジャーとおもてなし」も+43千人(前月:+52千人)と前月から伸びは減少しましたが大きく増加しています。

一方で「製造業」が-13千人(前月:+25千人)、「卸売業」が-3.5千人(前月:+3.4千人)などマイナスに転じています。

【米国非農業部門雇用者数詳細】
【米国非農業部門雇用者数詳細】

 

失業率

5番目は「失業率」です。
こちらも経済指標発表時は小数第一位までしか公表されませんので、小数第二位まで計算して求めてみます。
その前に「失業者数」の絶対数を見てみましょう。
12月は6,886千人(前月:7,121千人)と、前月から235千人減少しています。

【 米国失業者数(千人)】
【米国失業者数】

 

失業率も12月は4.09%(前月:4.23%)と、前月から0.14%pt低下しています。

【 米国失業率(%)】
【米国失業率】

 

平均時給

最後は「平均時給」です。
11月は前月比が+0.28%(前月:+0.37%)、前年同月比が+3.93%(前月:+3.97%)と前月からともに低下しています。
雇用者数が増加した「小売業」や「輸送および倉庫保管」で前月比がマイナスとなっており、平均時給を押し下げました。

【 米国平均時給 [前月比と前年同月比](千人)】
 【 米国平均時給(前月比と前年同月比)】

 

というわけで、雇用に関連する6つの項目を見てみました。
ヘッドラインだけを見ますと強い雇用統計だったという感じですが、中身を見ますと実はそうでもないという気がします。
平均時給が下がってましたので、フルタイムとパートタイムの雇用者数を見てみましたら、前者が+87千人の増加に対して後者は+247千人の増加でした。
このデータは家計調査のものですので、指標発表時に参照される非農業部門雇用者数とは異なるのですが、およそ3/4がパートタイムでの雇用者増といった感じです。
そして上述の通り、「小売業」や「輸送および倉庫保管」で平均時給が下がってましたので、恐らくこれら業種の年末商戦におけるパートタイムでの採用増と思われ、1月以降は逆に雇用は減っていくのではないかと推測されます。
実際、インディードの「小売業」での求人件数では11月下旬以降急減しています。

さて、10年物米国債の利回りも一時4.8%を付けるなど上昇していますので、金融はかなり引き締まってきています。
トランプ関税やEV補助金カット、港湾ストの備えなどで需要の先取りをしていますので、特に12月18日に開催されたFOMC(米連邦公開市場委員会)以降の米国経済は相当悪化、インフレも鈍化しているのではないでしょうか。

 

ちなみに、管理人ペッパーは経済・金融の専門家でもなんでもありません。
信じるか信じないかはあなた次第!
ฅ(=^・^=)

Posted by ペッパー