米国GDPの7割弱を占める個人消費、カギを握る所得の行方は?
2025年最初のコラムは米国個人所得に関してです。
コロナ禍以降の米国では高金利のもとでも株や不動産などの価格は上昇し、お金持ちはより金持ちに貧乏人はより貧乏にと格差の拡がりが加速しています。
昨年ニューヨークの高級住宅は売れに売れたようで、富裕層の旺盛な裁量的消費によって米国の個人消費は押し上げられているようです。
やはり、景気が良くて株価が上がっているというよりは株価が上がっているから景気を下支えしているといった感じではないでしょうかね。
さて、昨年末12月20日(金)に11月分の米国個人消費支出と個人所得の発表がありましたが、結果は個人消費支出の前月比が+0.4%、個人所得の前月比が+0.3%と市場予想をともに0.1%pt下振れました。
前年同月比を見てみますと、支出と所得はともに緩やかに下落している感じですが底堅くもあります。
【米国個人消費支出】
【米国個人所得】
それでは個人所得の内訳をもう少し詳しく見ていきたいと思います。
給与
まずは個人所得のうち約61%を占める給与です。
前月比で見ますと、4月に-0.23%まで低下しましたが、直近の11月では+0.56%まで上昇してきています。
インフレ率は前年同月比で+3%前後、前月比で+0.3%前後ですので、物価以上に給与が上がっており、家計的には余裕がある状況となっています。
【給与】
経営者の収入
2番目は個人所得のうち約8%を占める経営者の収入です。
前月比で見ますと、4月に+0.99%まで上昇しましたが、直近の11月では+0.08%まで低下してきています。
従業員の給与とは逆相関になっている感じです。
【経営者の収入】
社会保障給付金
3番目は個人所得のうち約18%を占める政府による社会保障の給付金です。
前月比で見ますと、1月に+2.39%まで上昇しましたが、直近の11月では-0.09%とマイナスになっています。
毎年1月は社会保障給付金にインフレ調整費(COLA)が加算されますので、大きく上昇しています。
高齢化社会なので、基本的には増加傾向を辿ると思われます。
【社会保障給付金】
利息収入
4番目は個人所得のうち約8%を占める利息収入です。
前月比で見ますと、4月に-0.86%まで低下しましたが、直近の11月では+0.65%まで上昇してきています。
金利の低下で利息収入は鈍化、もしくはマイナスとなってきましたが、ここ2か月はプラス圏に浮上しています。
政策金利の利下げで短期金利は低下していますので、長期金利との相関性が強い感じです。
【利息収入】
配当
5番目は個人所得のうち約8%を占める配当です。
前月比で見ますと、1月に+3.88%まで上昇しましたが、直近の11月では-0.84%とマイナス圏に沈んでいます。
株価は好調ですが、税引き後の企業利益が第3四半期に減益(速報値では増益)へ転じましたので、配当も減ってきている感じですね。
【配当】
家賃収入
最後は個人所得のうち約4%を占める家賃収入です。
前月比で見ますと、2月に+1.40%まで上昇しましたが、直近の11月では+0.08%まで低下してきています。
住宅価格もほとんど上がっておらず、賃貸物件はやや供給過剰気味ですので、家賃収入の伸びはあまり期待できないかもしれませんね。
【家賃収入】
その他、個人所得のうち約-8%を占める社会保険料などがあります。
あとがき
ということで、個人所得のうちの6項目を見てみましたが、今年も増加傾向となりそうなのが社会保障の給付金ですね。
トランプ次期大統領はこの給付金への課税免除を公約に掲げていましたが、たとえ実現できなくても高齢化社会により65歳以上の年金世代は増えていき、枯渇間近である財源確保のための改革も行わないようですので所得総額は増加していくと思われます。
一方で、その他の所得は企業利益が伸びていない以上、減少傾向となるのではないでしょうかね。
商業用不動産のローン借り換え問題がよく取り沙汰されますが、一般企業もやはり金融引き締めによる高金利の影響でタイムラグを伴って収益が圧迫されてきていると思われます。
ところで、筆者も最近知ったのですが、2023年にアラバマ、アリゾナ、ミネソタ、バージニアの各州で物価高対策として税金の還付を行ってたみたいですね。(バージニア州では2022年も)
そして、今年2025年にはニューヨーク州で実施される予定です。
FRBはブレーキをかけてたのに、州政府はアクセルを踏んでたみたいですね(笑)
ちなみに、管理人ペッパーは経済・金融の専門家でもなんでもありません。
信じるか信じないかはあなた次第!
ฅ(=^・^=)