サービス価格は低下続く、上昇した財価格が一時的ならインフレ率2%へ!(11月米国CPI結果詳細)

コラム,CPI・PPI・PCE

11日(水)に11月分の米国CPI(消費者物価指数)の発表がありました。
結果は、総合CPIの前月比では+0.3%(市場予想:+0.3%)、前年同月比では+2.7%(市場予想:+2.7%)、コアCPIの前月比では+0.3%(市場予想:+0.3%)、前年同月比では+3.3%(市場予想:+3.3%)となり、何れも市場予想と一致しました。

【 米国総合CPI・コアCPI(前月比と前年同月比)】
【 米国総合CPI・コアCPI(前月比と前年同月比)】

 

それでは毎月恒例ですが、その米国CPIの中身をもう少し詳しく見ていきたいと思います。

最初にグラフ一番右の列の前年同月比を見てみますと、原油価格が下落基調となっていますので、ガソリンや燃料油などの「エネルギー商品」が大きめのマイナスとなっています。
エネルギー以外の項目では「輸送サービス」が比較的大きめのプラスとなっています。

【 米国CPI(項目別詳細)】
【 米国CPI(項目別詳細)】

 

エネルギー

ということで、まずは「エネルギー」の項目です。
前月比では+0.2%(前月:-0.0%)とマイナス圏からプラス圏へ上昇しています。
前年同月比でも-3.2%(前月:-4.9%)とマイナス幅を縮めています。

ガソリンや燃料油が含まれる「エネルギー商品」が前月比+0.5%(前月:-1.0%)となり、インフレ率を大きく押し上げました。
エネルギー情報局(EIA)のデータではガソリン価格は下落基調となっており、今回は少し矛盾した結果となっています。

他方、電気や公共ガスが含まれる「エネルギーサービス」では前月比-0.1%(前月:+1.0%)となり、インフレ率を押し下げました。

WTI原油価格は、10月8日に1バレル78.42ドルまで上昇する場面も見られましたが、その後は下落傾向となっており、足もとでは70ドル弱で小動きとなっています。
来年も供給過剰と見られており、当面エネルギー価格は軟調に推移すると思われます。

【 米国CPI(エネルギー)[前年同月比と前月比] 】
【 米国CPI(エネルギー)[前年同月比と前月比] 】

 

輸送サービス

2番目は「輸送サービス」の項目です。
前月比では-0.0%(前月:+0.4%)とプラス圏からマイナス圏へ低下しています。
前年同月比でも+7.1%(前月:+8.2%)と大きく低下しています。

「自動車の保守および修理」の前月比が+0.2%(前月:+1.1%)、航空運賃の前月比が+0.4%(前月:+3.2%)などがインフレ率を押し下げました。

他方で、輸送サービスの中で構成比が大きく、これまでインフレ率を大きく押し上げてきた「自動車保険」の前月比は+0.1%(前月:-0.1%)とプラス圏へ浮上しましたが、そのプラス幅は極小さいものとなっています。

【 米国CPI(輸送サービス)[前年同月比と前月比] 】
【 米国CPI(輸送サービス)[前年同月比と前月比] 】

 

今度は上の表の右から2列目の前月比に目を向けてみます。
上述の「エネルギー」と「輸送サービス」を除くと、「中古車・トラック」が大きめのプラスとなっています。

 

中古車・トラック

ということで、3番目は「中古車・トラック」の項目です。
前月比では+2.0%(前月:+2.7%)と低下しています。
前年同月比では-3.4%(前月:-3.4%)と横ばいとなっています。

前月大きく上昇した反動で、やや鈍化しました。
次回以降どうなるのか要注目ですね。

また、「新車」の前月比も+0.6%(前月:-0.0%)と大きく上昇しています。

【米国CPI(中古車・トラック)[前年同月比と前月比] 】
【米国CPI(中古車とトラック)[前年同月比と前月比] 】

 

シェルター(住居費)

そして最後が構成比の大きい「シェルター(住居費)」の項目です。
前月比では+0.3%(前月:+0.4%)と低下しています。
前年同月比でも+4.7%(前月:+4.9%)と低下しています。

「帰属家賃(持ち家を賃貸物件とみなして換算された想定家賃)」の前月比が+0.2%(前月:+0.4%)、「住宅の家賃」の前月比が+0.2%(前月:+0.3%)とインフレ率を押し下げました。

一方で「ホテルやモーテルなどの宿泊施設」の前月比が+3.7%(前月:+0.5%)とインフレ率を大きく押し上げました。
ハリケーンの影響がまだ続いているのかわかりませんが今回大きく上昇しています。

【 米国CPI(住居費)[前年同月比と前月比] 】
【 米国CPI(住居費)[前年同月比と前月比] 】

 

以上、今月は気になる4項目を見てみました。
今回は、エネルギー商品、新車、中古車・トラック、宿泊費など前月比で高めに出る項目がありました。
この原因が何なのか、一時的なのか継続的なのか、気になるところですが専門家の分析を待ちたいと思います。

一方で、以前から指摘している住居費や前回から低下し始めた輸送サービスのインフレが鈍化してきており、サービス価格の前月比は+0.28%まで低下してきています。
これに上述の項目が一時的な要因によるものならば、今回前月比が+0.31%まで大きく上昇した財価格も再び鈍化或いはデフレ状態に逆戻りとなって、インフレ率2%に達する日も近いうちにやってくるのではないでしょうかね。

 

ちなみに、管理人ペッパーは経済金融の専門家でもなんでもありません。
信じるか信じないかはあなた次第!
ฅ(=^・^=)

Posted by ペッパー