AIバブルでデータセンター急増も構成比は極僅か(2025年10月米国建設支出結果詳細)

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21日(水)に10月分の米国建設支出の発表がありました。
結果は前月比+0.5%となり、市場予想の+0.1%を上振れました。(前年同月比は-1.00%)
米連邦政府機関の一部閉鎖の影響により、まだ10月分までと発表の遅延が続いています。
市場はあまり注目していないようですが、建設支出といえば、そう今AIバブルの源となっているデータセンターの建設も含まれるため、ちょっと着目してみました。

【 米国建設支出(前月比と前年同月比)】
【 米国建設支出(前月比と前年同月比)】

 

というわけで、中身をもう少し詳しく見ていきたいと思います。

住宅

まずは「住宅」の項目です。
前月比は-0.23%(前月:-8.22%)とマイナス幅を大きく縮めています。
前年同月比も-0.14%(前月:-2.23%)とマイナス幅を縮めています。

前月比では季節要因により、12月が底で3月が天井と規則正しく変化しています。
前年同月比では関税や物価高の影響で金額ベースでは押し上げ要因となっていますが、利下げ局面にも拘らずマイナス圏での推移が続いています。

【 米国建設支出 [住宅](前月比と前年同月比)】
【 米国建設支出 [住宅](前月比と前年同月比)】

 

製造業

2番目は「製造業」の項目です。
前月比は+1.87%(前月:-1.82%)とプラス圏へ上昇しています。
前年同月比は-9.78%(前月:-9.46%)とマイナス幅をやや拡げています。

バイデン政権時代に成立したCHIPS法などの補助金政策によりバブルとなり、現在はその反動やトランプ関税の影響で減速していますが、半導体やEV、化学・製薬部門などが牽引する形で高水準での支出が維持されています。

【 米国建設支出 [製造業](前月比と前年同月比)】
【 米国建設支出 [製造業](前月比と前年同月比)】

 

電力

3番目は「電力」の項目です。
前月比は-0.10%(前月:+0.75%)とマイナス圏へ低下しています。
前年同月比は+3.81%(前月:+3.12%)と上昇しています。

膨大な電力を消費するデータセンターの新設などにより、増加する電力需要を満たすため電力設備への投資が進んでいます。

【 米国建設支出 [電力](前月比と前年同月比)】
【 米国建設支出 [電力](前月比と前年同月比)】

 

商業施設

4番目は「商業施設」の項目です。
前月比は+0.29%(前月:-0.02%)とプラス圏へ上昇しています。
前年同月比は-3.71%(前月:-5.70%)とマイナス幅を縮めています。

以前よりバブル崩壊が懸念されていた商業施設部門ですが、バブルが弾けた後に前年同月比-20%となったところで下げ止まりました。
ただ前月比では逆に頭打ちとなっており、まだ深掘りする可能性もありそうです。

【 米国建設支出 [商業施設](前月比と前年同月比)】
【 米国建設支出 [商業施設](前月比と前年同月比)】

 

オフィス

5番目は「オフィス」の項目です。
前月比は-4.05%(前月:-0.47%)とマイナス幅を大きく拡げています。
前年同月比も-0.23%(前月:+3.06%)とマイナス圏へ大きく低下しています。

オフィスビルも商業施設と同様にバブルが弾けましたが、この部門に含まれるデータセンターへの支出が急上昇したため、トータルでは下げ止まっています。

【 米国建設支出 [オフィス](前月比と前年同月比)】
【 米国建設支出 [オフィス](前月比と前年同月比)】

 

データセンターへの直近半年分の建設支出額は、11月98億ドル、10月108億ドル、9月2億ドル、8月55億ドル、7月140億ドル、6月24億ドルとなっており、2025年通年では600億ドル前後になると予想されています。
これは前年実績の2倍以上になると見込まれていますが、翌2026年の見通しは890億ドルとの試算もあり、伸びはやや鈍化する感じです。

 

あとがき

では、そのデータセンターへの支出額は建設支出総額のだいたい何%くらい占めるのかといいますと、仮に2025年の支出額を600億ドルとしますと、最新10月分の建設支出総額の年率換算が21,752憶ドルでしたので、僅か2.76%なんですね。
GDP31兆ドル対比でいうと、0.2%ほどです。
ここから2倍、3倍に増えようが圧倒的に構成比が小さいんですね。

【 部門別の建設支出額(百万ドル)】
【 部門別の建設支出額(百万ドル)】

 

そして、データセンターの建設も電気代や水資源、雇用への不安から地元住民の反対により計画見直しを強いられるケースもあり、マイクロソフトは昨年10月にウィスコンシン州での建設計画が中止に追い込まれています。
メタも数百万ドルを投じて、テレビなどへの媒体にデータセンターの有用性をアピールするCMを流しているそうです。
また、建設コストも1平方フィートあたり平均987ドルと、1年前の630ドルと比べて1.5倍強へと増加しており、投資環境の厳しさを示しています。

FRBによる利下げで建設支出は多少回復してきているような感じはしますが、長期ゾーンの金利はむしろ上昇してきており、商業施設やオフィスの借り換え問題も、まだこれから顕在化してくる可能性はありそうです。
建設支出総額の半分近くを占める住宅と、非住宅の中では構成比の大きい製造業が伸びてこないことには米国経済は厳しいのではないでしょうかね。

 

ちなみに、管理人ペッパーは経済・金融の専門家でもなんでもありません。
信じるか信じないかはあなた次第!
ฅ(=^・^=)

Posted by ペッパー