コアCPIのインフレ率上昇は一時的か!?(8月米国CPI結果詳細)

コラム,CPI・PPI・PCE

11日(水)に8月分の米国CPI(消費者物価指数)の発表がありました。
結果は、総合CPIの前月比では+0.2%(市場予想+0.2%)、前年同月比では+2.5%(市場予想+2.5%)、コアCPIの前月比では+0.3%(市場予想+0.2%)、前年同月比では+3.2%(市場予想+3.2%)となり、コアCPI前月比が市場予想を上振れたため発表直後は急上昇しましたが、その後上値の重さから反落し、そして再び緩やかに上昇していく流れとなりました。

【 米国総合CPI・コアCPI(前月比と前年同月比)】
【 米国総合CPI・コアCPI(前月比と前年同月比)】

 

それでは毎月恒例ですが、その米国CPIの中身をもう少し詳しく見ていきたいと思います。

【 米国CPI(項目別詳細)】
【 米国CPI(項目別詳細)】

 

最初にグラフ一番右の列の前年同月比を見てみますと、原油価格が下落していますので、ガソリンや燃料油などの「エネルギー商品」が二桁マイナスとなっています。
そして「中古車・トラック」も二桁マイナスが継続しています。

 

エネルギー

ということで、まずは前年同月比-4.0%(前月+1.1%)、前月比-0.8%(前月+0.0%)の「エネルギー」の項目です。
上記でも触れましたが、ガソリンや燃料油が含まれる「エネルギー商品」が前年同月比-10.1%(前月-2.1%)、前月比-0.6%(前月+0.1%)となり、インフレ率を押し下げています。
また、電気や公共ガスが含まれる「エネルギーサービス」も前月比では-0.9%(前月-0.1%)と大きくマイナス幅を拡げており、デフレ傾向となっています。

WTI原油価格は、7月5日に今年の二番天井となる84.49ドルの高値を付けた後は下落傾向となっており、8月は概ね70ドル台半ばで推移していました。
9月は更に下げて一時は65.29ドルまで下落し、現在は少し反発して60ドル台後半での値動きとなっています。
原油価格の下落によるエネルギー価格の低下が、当面インフレ率の押し下げに寄与しそうですね。

【 米国CPI(エネルギー)[前年同月比と前月比] 】
【 米国CPI(エネルギー)[前年同月比と前月比] 】

 

中古車・トラック

2番目は、前年同月比-10.4%(前月-10.9%)、前月比-1.0%(前月-2.3%)の「中古車・トラック」の項目です。
コロナ禍で高騰した中古車価格ですが、インフレ率はマイナスとなるデフレ傾向が続いています。
ただ今月はマイナス幅をやや縮めており、ローン金利も少し下がってきていますので、住宅とともに需要や価格の推移に要注目となりそうです。

【米国CPI(中古車・トラック)[前年同月比と前月比] 】
【米国CPI(中古車・トラック)[前年同月比と前月比] 】

 

今度は上の表の右から2列目の前月比に目を向けてみます。
上述の「エネルギー」と「中古車・トラック」を除くと、だいぶ0%前後に収束してきましたね。
その中でも目立つのは、やはり「シェルター(住居費)」と「輸送サービス」ですね。

 

輸送サービス

ということで、3番目は前年同月比+7.9%(前月+8.8%)、前月比+0.9%(前月+0.4%)の「輸送サービス」の項目です。
前年同月比では下げましたが、前月比では大きく上昇しています。
自動車修理が前月比+1.4%(前月-1.7%)、航空運賃が前月比+3.9%(前月-1.6%)へとプラス圏へ大きく上昇したことなどからインフレ率の押し上げに寄与しています。
航空運賃は、宿泊施設のCPIも上昇していることから夏の旅行需要が反映されたのではないかと思われます。
一方で、ほぼ毎回取り上げている構成比の大きい「自動車保険」が前年同月比+16.5%(前月+18.6%)、前月比+0.6%(前月+1.2%)と、高水準は維持しているものの鈍化傾向となってきています。

【 米国CPI(輸送サービス)[前年同月比と前月比] 】
【 米国CPI(輸送サービス)[前年同月比と前月比] 】

 

シェルター(住居費)

そして最後が前年同月比+5.2%(前月+5.1%)、前月比+0.5%(前月+0.4%)の構成比の大きい「シェルター(住居費)」の項目です。
前年同月比、前月比ともにインフレ率は上昇しました。
構成比の大きい「帰属家賃(持ち家を賃貸物件とみなして換算された想定家賃)」が前月比+0.5%(前月+0.4%)、「ホテルやモーテルなどの宿泊施設」が前月比+2.0%(前月+0.2%)へと上昇したことなどからインフレ率の押し上げに寄与しています。
一方で、「住居の家賃」が前月比+0.4%(前月+0.5%)へとインフレ率は低下しています。

【 米国CPI(住居費)[前年同月比と前月比] 】
【 米国CPI(住居費)[前年同月比と前月比] 】

というわけで、今月は気になる4項目を見てみました。
コアCPIの前月比は市場予想を上振れましたが、宿泊料や航空運賃がインフレ率を押し上げており、夏のホリデーシーズンを反映した一時的な上昇のような気がします。
帰属家賃のインフレ率も今月は上昇しましたが、住宅価格が落ち着いていますので、そろそろ低下していくと思われます。
6月18日のコラムでは8月の住居費は高めに出て、次回9月は逆に低下する予想となってましたね。

右 米国CPIで比重の大きい住居費をシミュレーションし、今後のインフレの推移を予想!

今回8月分のCPIの結果を受けて、9月FOMC(米連邦公開市場委員会)では0.25%ptの利下げとなるでしょうね。
FOMCメンバーによるドットプロットや経済見通し(SEP)、パウエルFRB議長の会見に注目が集まりそうです。

 

ちなみに、管理人ペッパーは経済金融の専門家でもなんでもありません。
信じるか信じないかはあなた次第!
ฅ(=^・^=)

Posted by ペッパー