インフレ率を押し下げてきた財価格は底打ちか!?エネルギー価格も今後は押し上げへ寄与。(12月米国CPI結果詳細)

コラム,CPI・PPI・PCE

先週11日(木)に12月分の米国CPI(消費者物価指数)の発表がありました。
結果は総合CPIの前月比では市場予想の0.2%を上振れる0.3%、前年同月比では市場予想の3.2%を上振れる3.4%、コアCPIの前月比では市場予想の0.3%と同じ0.3%、前年同月比では市場予想の3.8%を上振れる3.9%となり、ドル円は大きく上昇しました。

それでは毎月恒例ですが、その米国CPIの中身をもう少し詳しく見ていきたいと思います。

【 12月米国CPI(項目別詳細)】
12月米国CPI(項目別詳細)

 

最初にグラフ一番右の列の前年同月比を見てみますと、まず目につくのが-14.7%の「燃料油」と、-13.8%の「公共ガスサービス」の項目ですね。
ただ、「燃料油」は前月-24.8%でしたので、かなりマイナス幅が小さくなっています。
「公共ガスサービス」は、前月の-10.4%からややマイナス幅が大きくなりましたが、天然ガス価格は低水準で推移しているものの、ベース効果もあり2月頃から上昇してくるのではないかと思われます。

本来なら10月にも前年同月比でプラス圏に浮上していたと思われる「エネルギー」全体の項目も、原油価格の急落でマイナス圏に沈んでいました。
ただ、67.7ドルまで下落していた原油価格が中東情勢の悪化などにより70ドル台へと反発してきていますので、ベース効果もあり向こう1~2か月でプラス圏へと浮上してくると思われます。

【 WTI原油価格(月足)】
WTI原油価格(月足)

 

【 米国CPI(エネルギー)[前年同月比] 】
米国CPI(エネルギー)[前年同月比]

 

次に気になるのが、前年同月比+9.7%、前月比+0.1%の「輸送サービス」の項目です。
先月指摘した通り、前月比で落ち着いた動きとなってきてましたので、前年同月比でも鈍化してきています。
ただ、この項目内で構成比の大きい「自動車保険」では前年同月比+20.3%、前月比+1.5%と、ともに前月からさらに加速しています。

【 米国CPI(輸送サービス)[前年同月比] 】
米国CPI(輸送サービス)[前年同月比]

 

3番目は、今回初めて取り上げる前年同月比+0.2%、前月比+0.0%の「食料とエネルギー商品を除いた商品」の項目です。
財価格(商品)のインフレ率もコロナ禍で急騰した後、その反動で下落基調が続いています。
ただ、ここ数か月は前年同月比、前月比ともに横ばいが続き、下げ止まっている感じがします。
耐久財(赤)、非耐久財(緑)ともに底打ちしているようにも見え、EV(電気自動車)特需の剥落が少し気になるところですが、住宅市場や雇用情勢の堅調さを鑑みれば、今後は財全体(青)も上昇傾向になるのではないかと思われます。

【 米国CPI(食料とエネルギー商品を除いた商品)[前年同月比] 】
米国CPI(食料とエネルギー商品を除いた商品)[前年同月比]

 

そして最後が前年同月比+6.2%、前月比+0.5%の「シェルター(住居費)」の項目です。
以前から前月比では+0.3%が底だろうと指摘していましたが、今月も前月の+0.4%から+0.5%へと上昇しています。
前年同月比では5月くらいまでは緩やかな下落基調が続くと推測されますが、足もとローン利率が下がって住宅需要が盛り返してきていますので、住居費のインフレ率は再び上昇すると予想されます。

【 米国CPI(住居費)[前年同月比] 】
米国CPI(住居費)[前年同月比]

 

というわけで、今月は初登場の1項目を含む合計4項目を見てみました。
2020年春に1回目のコロナ給付金が支給され、大いに物が売れ、需要の先取りをしてしまいました。
そこから間もなく4年になろうとしていますが、需要も徐々に元のトレンドに戻ってきているのではないでしょうかね!?
つまり、財価格はコロナ禍前もほぼ0%のインフレ率で推移してましたので、リセッション(景気後退)に陥らない限り、ここからの下落余地もあまりないように思います。

また、先日バイデン政権は6億2,300万ドルのEV充電器設置助成金の受給者を発表したので、今後は設置事業が急速に進むと思われます。
いわゆる公共事業でのバラ撒きとEV普及促進で、短・中期的にはこの分野でのインフレが進むのではないでしょうか!?

もうあと数か月、FRB(米連邦準備制度)はハト派姿勢を取らずに市場の金利を高く保っていてくれたなら、インフレも収まったかな~って思う今日この頃です。

あと、FRBはPCE(個人消費支出)をインフレターゲットの対象にしているわけですが、ここ数か月PCEの結果とCPIの結果とで少し乖離が生じてきています。
このへんのことも後日コラムで述べていきたいと思っていますので、少々お待ちいただければと思います。

 

ちなみに、管理人ペッパーは経済金融の専門家でもなんでもありません。
信じるか信じないかはあなた次第!
ฅ(=^・^=)

Posted by ペッパー