トランプ関税なければ4月にインフレ率2%か!?(9月米国PCEデフレーター結果詳細)

コラム,CPI・PPI・PCE

10月31日(木)に9月分の米国PCEデフレーター(個人消費支出価格指数)の発表がありました。
結果は、総合PCEの前月比では+0.2%(市場予想+0.2%)、前年同月比では+2.1%(市場予想+2.1%)、コアPCEの前月比では+0.3%(市場予想+0.3%)、前年同月比では+2.7%(市場予想+2.6%)となり、コアPCEの前年同月比で市場予想を上振れたためドル円はやや上昇する場面も見られましたが値動きは限定的となりました。

【米国PCEデフレーター[前月比と前年同月比]】 【米国PCEデフレーター[前月比と前年同月比]】

 

それでは、その米国PCEデフレーターの中身をもう少し詳しく見ていきたいと思います。

まずは、構成比2/3のサービス部門です。
前月比では+0.31%(前月:+0.24%)と僅かながら上昇しています。
前年同月比では+3.66%(前月:+3.79%)と低下しています。

比重の大きい「住宅」と「ヘルスケア」ですが、前者の前月比は+0.32%(前月:+0.47%)と低下しましたが、後者の前月比は+0.39%(前月:+0.18%)と上昇しており、インフレ率を相殺しています。
その他では自動車リースなどの「輸送サービス」の前月比が+1.28%(前月:+0.18%)と大きく上昇しています。

【米国PCEデフレーター(サービス)[前年同月比と前月比]】
【米国PCEデフレーター(サービス)[前年同月比と前月比]】

 

次は、残りの1/3を占める財部門です。
前月比では-0.12%(前月:-0.15%)とマイナス幅を僅かですが縮めています。
前年同月比では-1.19%(前月:-0.89%)とマイナス幅を拡げています。

【米国PCEデフレーター(財)[前月比と前年同月比]】
【米国PCEデフレーター(財)[前月比と前年同月比]】

 

さらに、財部門の中の耐久財の項目を見てみます。
前月比では+0.33%(前月:-0.24%)とマイナス圏からプラス圏へ大きく上昇しています。
前年同月比では-1.91%(前月:-2.21%)とマイナス幅を縮めています。

前月はほとんどの項目でマイナスのほぼデフレ状態でしたが、今回は「自動車および部品 」の前月比が+0.27%(前月:-0.21%)、「家具と耐久性のある住宅設備」の前月比が+0.48%(前月:+0.11%)、ジュエリーや時計などの「その他耐久消費財」の前月比が+1.65%(前月:-0.91%)とインフレ率を押し上げています 。
前月までの反動もありそうですが、ローン金利の低下を受けて自動車や住宅販売が好転したため、その良い影響を受けたと思われます。

【米国PCEデフレーター(耐久財)[前月比と前年同月比]】
【米国PCEデフレーター(耐久財)[前月比と前年同月比]】

 

最後は財部門の中の非耐久財の項目です。
前月比では-0.36%(前月:-0.10%)とマイナス幅を拡げています。
前年同月比でも-0.80%(前月:-0.19%)とマイナス幅を大きく拡げています。

「ガソリンおよびその他のエネルギー製品」の前月比が-3.97%(前月:-0.63%)、医薬品やレクリエーション用品などの「その他の非耐久財」の前月比が-0.38%(前月:-0.31%)とマイナス幅を拡げています 。
他方で、「食品・飲料」の前月比が+0.35%(前月:+0.06%)、「衣類と履物」の前月比が+0.70%(前月:+0.42%)と上昇しています。

【米国PCEデフレーター(非耐久財)[前月比と前年同月比]】
【米国PCEデフレーター(非耐久財)[前月比と前年同月比]】

 

というわけで、PCEデフレーターのサービス部門と財部門を分けて見てみました。
9月のFOMC(米連邦公開市場委員会)では0.5%ptの利下げが実施され、それを織り込む形でローン金利など市場の金利は急落していましたので米国経済はやや好転し、PCEデフレーターの前月比は少し上昇しました。
しかしながら、そのFOMC以降米国債は売られ利回りは上昇しており、10月分の米国雇用統計が示していた通り景気を相当程度抑制していると考えられ、当面はインフレ率を大きく押し下げると予想されます。
以前から指摘している通り、このままいけば来年の4月にはコアPCEデフレーターは2.0%にかなり近付いていると思われますが、何といってもトランプ大統領が誕生した際には関税がインフレ率を押し上げてしまいます。
そして、その関税の賦課が景気後退(リセッション)へのトリガーになると筆者は予想しています。
ハリス氏も最新の世論調査では激戦7州のうち2州を取り返しており、まだまだ勝利の可能性はありそうです。
さて、今年の大統領選は大どんでん返しはあるのでしょうか!?

 

ちなみに、管理人ペッパーは経済金融の専門家でもなんでもありません。
信じるか信じないかはあなた次第!
ฅ(=^・^=)

Posted by ペッパー