原油価格高騰が総合・コアのインフレ率を押し上げ、家賃も前月比上昇(8月米国CPI結果詳細)

コラム,CPI・PPI・PCE

一昨日13日(水)に注目の8月分米国CPI(消費者物価指数)の発表がありました。
結果は総合CPIでは前年同月比で、コアCPIでは前月比で市場予想を上振れましたが、発表直後こそ直近高値の147.86円に迫る147.71円まで急上昇しましたけれども、結局は発表前の水準も下回る147.16円まで下落することとなり、値動きは限定的となりました。

それでは毎月恒例ですが、その米国CPIの中身をもう少し詳しく見ていきたいと思います。

【8月米国CPI(項目別詳細)】
8月米国CPI(項目別詳細)

 

まず、グラフ一番右の列の前年同月比を見てみますと、前回までは-10%や-20%などの数字が躍っていた「エネルギー」の各項目が、今回8月分では燃料油と公共ガスのみ2桁マイナスで、エネルギー全体に於いては-12.5%(7月) →-3.6%(8月)までマイナス幅を縮めています。
次回9月分は恐らくプラス圏まで上昇してくると予想されます。
そして、前月比では全ての項目でプラスとなり、特にガソリン+10.6%、燃料油+9.1%と大幅に上昇しています。
原油価格急騰の影響が見られますね。

【米国CPI(エネルギー)[前年同月比]】
米国CPI(エネルギー)[前年同月比]

 

次に気になるのが、前年同月比で-6.6%となっている「中古車とトラック」の項目です。
マイナス圏での推移が続いていますが、次回9月からはベース効果もあり来年の2月頃までは上昇傾向を辿るのではないかと思われます。
前月比では、-1.3%(7月)→-1.2%(8月)と、若干マイナス幅を縮めています。

【米国CPI(中古車とトラック)[前年同月比]】
米国CPI(中古車とトラック)[前年同月比]

 

3番目は、前年同月比で9.0%(7月)→10.3%(8月)へ高水準ながら上昇した「輸送サービス」の項目です。
前月比でも0.3%(7月)→2.0%(8月)へと大きく上昇しています。
航空運賃が前月比で-8.1%(7月)→4.9%へと大きく上昇しており、先月指摘した通り燃料費の高騰が価格を押し上げたようです。
原油価格はまだ上昇を続けており、今後もしばらくは「輸送サービス価格」も上がり続けると予想されます。
そして、先月も書きましたが、EV(電気自動車)の普及が影響しているのではないかと思われる「自動車保険」が、前年同月比で17.8%(7月)→19.1%(8月)と上昇、「自動車修理」は19.5%(7月)→17.0%(8月)と、やや鈍化しましたが高水準を維持しています。

【米国CPI(航空運賃)】
米国CPI(航空運賃)

そして、最後がシェルター(住居費)です。
先月、住宅価格の前月比が昨年8月に底打ちし大きく反発しているため、シェルターに含まれる帰属家賃(持ち家を賃貸物件とみなして換算された想定家賃)も6月の0.4%を底に、もしかしたらもう反発局面に入ったかもしれないという話をしましたが、今月は0.3%とまだ下落が続いていました。
1年ほどのタイムラグがあるため、蓋を開けてみないとわかりませんが、そろそろ前月比では反発局面に入るかもしれません。
一方、住居の家賃では、前月比で0.4%(7月)→0.5%(8月)へと反発しています。

【米国CPI(住居の家賃)[前月比]】
米国CPI(住居の家賃)[前月比]

 

というわけで、今月気になった4項目を見てみましたが、やはりインフレ率2%への道のりはまだまだ果てしなく遠いという感じがしますね。
むしろ、これでどうやったらソフトランディングでインフレ率が2%に戻るのか教えてほしいくらいです(笑)

さて、来週は9月のFOMCが開催されます。
9月はFOMCメンバーによる最新の経済見通し(SEP)も公表されます。
ドット・プロットでは、恐らく年内もう1回の利上げを予想するチャートになっていると思われます。
市場の利上げ織り込み度は、米国CPIの結果を受けても40%程度と、利上げ打ち止め派が主流のようです。
9月はほぼ100%据え置き予想で波乱はないと思われますが、SEPの公表で相場は大荒れとなるかもしれませんね。

 

ちなみに、管理人ペッパーは経済金融の専門家でもなんでもありません。
信じるか信じないかはあなた次第!
ฅ(=^・^=)

Posted by ペッパー