7月FOMC直前の6月米国CPI結果詳細と今後のドル円相場予想
一昨日12日(水)に注目の6月分米国CPI(消費者物価指数)の発表があり、結果は市場予想を下振れる弱い内容で、ドル円や米国債利回りは急落しました。
市場では、今月のFOMC(米連邦公開市場委員会)で利上げ打ち止め、3回金利を据え置いた後、来年1月から利下げ開始を織り込む動きとなっており、かなりハト派側へと移ってきました。
【CMEのFedWatch ツール】
果たしてこの予測は正しいのか?そしてドル円はこの先も下落し続けるのか?
米国CPIの中身を見ていきながら検証していきたいと思います。
【米国CPI(項目別詳細)】
まず、グラフ一番右の列の前年同月比を見てみますと、やはり目につくのが-16.7%と大きなマイナスになっている「エネルギー」の項目です。
1年前の6月は、原油価格が1バレル120ドルを突破するほど急騰していた昨年の最高値月でしたので、それと比較する前年同月比は当然大きなマイナスとなり、インフレ率の押し下げに大きく寄与しています。
ただ、7月からはベース効果により、今度は逆にマイナス幅を急速に縮めていくことになり、数か月後にはプラスに転じていると予想されます。
また、足もと1バレル76ドルまで急上昇している原油価格は、前月比でもインフレ率を押し上げていくことになりそうで、総合CPIがコアCPIを再び上回る日が早めに訪れるかもしれませんね。
【米国CPI(エネルギー)[前年同月比]】
次に気になるのが、「中古車とトラック」の項目です。
前年同月比で-5.2%、前月比でも5月の4.4%→-0.5%とマイナスに転じました。
コロナ禍で急騰していた価格はバブルが弾けた後、再び急上昇していましたが、この6月に一旦小休止となっています。
自動車オークション会社のマンハイムによりますと、在庫状況が改善されたため今後は価格も安定してくるだろうとのことです。
つまり、価格は緩やかに上昇していくものと思われます。
【米国CPI(中古車とトラック)】
そして、3番目がシェルター(住居費)です。
前月からは、前年同月比で8.0%→7.8%、前月比で0.6%→0.4%と、ともに0.2ポイントの下落で、比重の大きい項目だけにCPIの鈍化に大きく貢献しました。
住居費は住宅価格の影響を受ける遅効性の指標で、その住宅価格(前年同月比)は昨年3月に天井を付け、4月以降下落し続けているため、何れ下がってくるだろうと言われてました。
そして、住居費(前年同月比)は、今年3月を天井に、4月より住宅価格の下落からちょうど1年遅れで下落を始めました。
しかしながら、住宅価格は既に底打ちし上昇に転じており、前年同月比で上昇してくるのも時間の問題だと思われます。
そうなってくると、住居費(前年同月比)も1年程度で上昇に転じることが予想され、この3か月間の下落期間でも3月高値の8.2%→7.8%と、僅か0.4ポイントしか下落しておらず、1年間のインフレ下押し効果も限定的と推測されます。
【米国CPI(住居費)と S&P/ケース・シラー20都市住宅価格指数 [前年同月比]】
最後に、前月比で5月の0.8%→0.1%へ下がった輸送サービス。
これは変動の激しい航空運賃の下落が主因です。
アフターコロナで急上昇した後に急落していますが、コロナ禍前の水準に戻っているため、今後は安定するのではないでしょうかね!?
【米国CPI(航空運賃)】
というわけで、今月インフレ率を押し下げた主な4項目を見てみましたが、日銀じゃないですけど、持続的安定的に下落していくものは住居費くらいかなという気がします。
約1年間は、ゆっくりーゆっくりー下ってく~という感じではないでしょうかね!?
あと、一昨日の米国CPIの結果を受けて、Inflation Nowcasting の7月分の予測値データが下方修正されてます。
6月の総合CPI3.0%、コアCPI4.8%が、7月は3.35%、4.92%と、やはり再上昇する予想となっています。
| 総合CPI (%) | コアCPI (%) | |||
|---|---|---|---|---|
| 前月比 | 前年同月比 | 前月比 | 前年同月比 | |
| Inflation Nowcasting | 0.34 | 3.35 | 0.40 | 4.92 |
ということで、最初に投げかけた疑問ですが、やはり前回のコラムでも述べたように、「米国CPIは6月に底打ちし、7月から来年前半まで緩やかに上昇」というのが筆者の予想となっていますので、市場の織り込みは今後タカ派方向へと修正されていくと予想します。
ドル円も本日137.2円まで下落しましたが、今現在139円手前まで急反発しており、やはりタカ派方面への修正により、米国債利回りは上昇し、そしてドル円も連動して上がってくると思われ、140円台前半で7月のFOMCを迎えることになると予想します。
そういえば、今年1月14日の記事にはこんなこと書いてたのを思い出しました。
❝住居費の下落とエネルギー価格の上昇が7月頃にぶつかって、米国CPIがどうなるのか難しい相場となりそうな気がしますね。❞
さて、来月発表される7月分の米国CPIがどうなっているのか、楽しみに待ちたいと思います。
ちなみに、管理人ペッパーは経済金融の専門家でもなんでもありません。
信じるか信じないかはあなた次第!
ฅ(=^・^=)
<追記>
※2023年7月14日に公開した記事ですが、住宅価格の天井は1か月前の3月と訂正し必要な文言等を追記、その他の部分も修正して7月26日に再度公開しました。