最新のプライベートクレジットファンドの解約ラッシュまとめ
2025年後半から現在(2026年3月)にかけて、非上場BDC(高配当投資会社)業界で起きている解約ラッシュの主要な動きを時系列で整理しました。
<2025年11月>
ブルー・アウル (OBDC II)
上場銘柄との合併計画を発表。
投資家が実質的な減価と反発し解約申請が急増したことで合併計画を撤回。
これが業界全体の不信感の引き金となりました。
<2026年1月>
ブルー・アウル (OTIC)
テック特化型BDCで、発行済み口数の15.4%に達する記録的な解約申請が発生。
通常の5%枠を超えて100%全額払い戻しを実施。
資金捻出のため資産を売却。
<2026年2月>
ブルー・アウル (OBDC II)
混乱が収まらず、ついに四半期ごとの解約受け付けを永久停止すると発表し、事実上の清算モードへ移行。
数年かけて資産を売り、準備ができた分から返金。
ブルー・アウル (グループ全体)
解約原資を作るため、保険会社や年金基金などの「クジラ」に計14億ドルの優良資産を売って現金化。
<2026年3月>
アレス (ASIF)
運用資産107億ドルの主力ファンドに対し、11.6%の解約請求が殺到。
ルール通り5%に制限したため、申請者は約43%分しか現金化できず。
ブラックストーン (BCRED)
業界最大手に7.9%(約38億ドル)の解約申請。(過去最高額を記録)
5%枠を7%へ拡大し、さらに自社資金4億ドルを注入して100%全額対応。
アポロ(ADS BDC)
解約申請が11.2%に達したが、規定通り5%で解約を制限。
申請した投資家は、希望額の半分以下(45セント/ドル)しか現金化できず。
モルガン・スタンレー
同社のファンドでも10.9%の解約申請があり、同様に上限を5%で足切り。
【 アレス・キャピタルの株価(月足)】

全BDCで時価総額1位の業界リーダー。分散されたポートフォリオと安定した配当実績から「BDCの指標」とされる
あとがき
今回の騒動で「非上場BDCは解約が殺到したときには全額現金化できない」というリスクが強く意識されました。
今後は、流動性の低い非上場型から市場でいつでも売買できる上場BDCへ、或いはブラックストーンのように自腹を切ってでも100%払い戻しに応じる会社に資金が移る動きとなるでしょう。
また、資金繰りに窮した中堅の非上場BDCが、大手の上場BDCに吸収合併されるなどの業界再編が加速する可能性もあります。
解約資金を作るために、各社は「売りやすい優良債権」から順に年金基金や保険会社へ売却しています。
ファンド内に残るのは「売りたくても売れない」格付けの低い債権ばかりになる懸念があります。
他方で、融資を受ける側の中小企業は、高止まりする金利によって利払い費が上昇しており、また最後の貸し手となっているBDCが解約ラッシュによって資金が流出してますのでローンの借り換えもできず、デフォルト率が上昇しています。
急成長しているプライベートクレジット市場に、まさにボディブローのように少しずつダメージが蓄積されてきているのではないでしょうか。
ちなみに、管理人ペッパーは経済・金融の専門家でもなんでもありません。
信じるか信じないかはあなた次第!
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