取り繕ったデータか!?実際のインフレ率はもう少し低い!?(2025年11月米国PCEデフレーター結果詳細)

コラム,CPI・PPI・PCE

22日(木)に11月分の米国PCEデフレーター(個人消費支出価格指数)の発表がありました。
結果は、総合PCEの前月比が+0.2%(市場予想+0.2%)、前年同月比が+2.8%(市場予想+2.8%)、コアPCEの前月比が+0.2%(市場予想+0.2%)、前年同月比が+2.8%(市場予想+2.8%)となり、全て市場予想と一致しました。

【米国PCEデフレーター[前月比と前年同月比]】 

 

それでは、その米国PCEデフレーターの中身をもう少し詳しく見ていきたいと思います。  

 

PCEデフレーター(サービス)

まずは、構成比2/3のサービス部門です。
前月比では+0.23%(前月:+0.28%)と僅かに低下しています。
前年同月比では+3.39%(前月:+3.33%)と僅かに上昇しています。

比重の大きい「住宅」と「ヘルスケア」ですが、前月比は前者が+0.12%(前月:+0.12%)と変わらず、後者は+0.22%(前月:+0.46%)と低下しました。

それ以外の部門では前月比で、「家庭用光熱費」が+0.61%(前月:+0.60%)、 自動車の保守・修理やリースなどの自動車サービスや鉄道、航空などの公共交通機関が含まれる「輸送サービス」が+0.10%(前月:+0.08%)、電話・インターネットサービスや教育サービス、法律などの専門サービス、パーソナルケアサービスが含まれる「他のサービス」が+0.48%(前月:+0.33%)とインフレ率を押し上げました。 

一方で、会員制クラブ、遊園地、映画、スポーツなどの入場料や動画・音楽のストリーミングサービスなどが含まれる「レクリエーションサービス」が-0.05%(前月:-0.01%)、「金融サービスと保険」が+0.54%(前月:+0.87%)とインフレ率を押し下げました。 

他方で、「食事サービスと宿泊施設」が+0.12%(前月:+0.12%)と変わらずでした。

【米国PCEデフレーター(サービス)[前年同月比と前月比]】

 

PCEデフレーター(財)

次は、残り1/3を占める財部門です。
前月比では+0.16%(前月:-0.12%)とマイナス圏から上昇しています。
前年同月比でも+1.43%(前月:+1.26%)と上昇しています。

【米国PCEデフレーター(財)[前月比と前年同月比]】 

 

PCEデフレーター(耐久財)

さらに、財部門の中の耐久財の項目を見てみます。
前月比では+0.11%(前月:+0.14%)と僅かに低下しています。
前年同月比では+1.16%(前月:+0.98%)と上昇しています。

前月比で、「自動車および部品 」が+0.15%(前月:+0.24%)、ジュエリーなどが含まれる「その他耐久財」が+0.82%(前月:+1.91%)と前月からインフレ率を押し下げました。

他方で、「家具と耐久性のある住宅設備」が+0.11%(前月:+0.11%)、「娯楽用品および乗り物」が-0.23%(前月:-0.23%)と変わらずでした。

【米国PCEデフレーター(耐久財)[前月比と前年同月比]】

 

PCEデフレーター(非耐久財)

最後は財部門の中の非耐久財の項目です。
前月比では+0.18%(前月:-0.26%)とマイナス圏から上昇しています。
前年同月比でも+1.58%(前月:+1.40%)と上昇しています。

前月比で「ガソリンおよびその他のエネルギー製品」の前月比が+2.74%(前月:-1.04%)と前月からインフレ率を押し上げました。

一方で、「食品・飲料」の前月比が-0.03%(前月:-0.03%)、「衣類・履物」の前月比が-0.55%(前月:-0.55%)、医薬品やレクリエーション用品、家庭用品などが含まれる「その他の非耐久財」の前月比が0.00%(前月:0.00%)と変わらずでした。

 

【米国PCEデフレーター(非耐久財)[前月比と前年同月比]】

 

あとがき

以上、PCEデフレーターのサービス部門と財部門を分けて見てみました。
今回11月分でまず気になったのが、これまでほとんどなかった「変わらず」の項目が異常に多かったことですね。
10~11月中旬は連邦政府機関の一部閉鎖がありましたので、集計できなかった項目を無難な「変わらず」になるようデータを取り繕ったのではという気がします。
なので、「変わらず」の項目は参考程度に見ておいた方が良いかなと思います。

ということで、構成比2/3のサービス部門は引き続き鈍化傾向を示している感じです。
前年同月比では、株価の影響を受ける「金融サービス」+7.34%、エネルギー価格の影響を受ける「家庭用光熱費」が+6.41%と高めですので、この辺りが落ち着くともうインフレ率2%ということになるのではないでしょうかね。

他方で、財部門はその多くの項目で前月と「変わらず」となっていましたので、信憑性に欠けるところがあります。
CPI(消費者物価指数)では耐久財を中心にほぼデフレ状態となってきていますので、PCEデフレーターでも同じような状態になっているのではないでしょうか。

 

 

ちなみに、管理人ペッパーは経済金融の専門家でもなんでもありません。
信じるか信じないかはあなた次第!
ฅ(=^・^=)

Posted by ペッパー