関税以外にもうインフレ要素はほぼない!(2025年5月米国CPI結果詳細)
11日(水)に5月分の米国CPI(消費者物価指数)の発表がありました。
結果は、総合CPIの前月比では+0.1%(市場予想:+0.2%)、前年同月比では+2.4%(市場予想:+2.5%)、コアCPIの前月比では+0.1%(市場予想:+0.3%)、前年同月比では+2.8%(市場予想:+2.9%)となり、4項目全てで市場予想を下振れました。
【 米国総合CPI・コアCPI(前月比と前年同月比)】
それでは毎月恒例ですが、その米国CPIの中身をもう少し詳しく見ていきたいと思います。
最初に下表の一番右の列の前年同月比を見てみますと、「エネルギー商品」が-11.6%と大きめのマイナスとなっている一方で、「エネルギーサービス」が+6.8%と大きめのプラスとなっています。
【 米国CPI(項目別詳細)】
エネルギー
ということで、まずは「エネルギー」の項目です。
前月比では-1.00%(前月:+0.67%)とマイナス圏へ大きく低下しています。
前年同月比では-3.46%(前月:-3.74%)とマイナス幅を縮めています。
ガソリンや燃料油などが含まれる「エネルギー商品」の前月比が-2.42%(前月:-0.22%)、前年同月比が-11.58%(前月:-11.51%)と大きなマイナスとなっています。
電気や公共ガスが含まれる「エネルギーサービス」でも前年同月比では+6.82%(前月:+6.26%)と上昇していますが、前月比では+0.43%(前月:+1.55%)と大きく低下しました。
「電気サービス」の前月比は+0.90%(前月:+0.85%)とやや大きめのプラスとなっているのですが、「公共ガスサービス」の前月比が-0.95%(前月:+3.70%)と先月指摘した通り時差を伴ってマイナス圏へ大きく低下しました。
【 米国CPI(エネルギー)[前年同月比と前月比] 】![【 米国CPI(エネルギー)[前年同月比と前月比] 】](https://fx-osusume.pepper.jp/wordpress/wp-content/uploads/2025/06/column543.webp)
今度は上表の右から2列目の前月比に目を向けてみます。
インフレはかなり鈍化してきている感じで、変動の激しい「エネルギー」を除くと大きめの絶対値はなく、「中古車とトラック」の-0.5%が最小で「医療用品」の+0.6%が最大となっています。
中古車・トラック
というわけで、2番目は「中古車・トラック」の項目です。
前月比では-0.54%(前月:-0.53%)と極僅かにマイナス幅を拡げています。
前年同月比では+1.80%(前月:+1.52%)とやや上昇しています。
ちなみに「新車」の前月比は-0.29%(前月:-0.00%)とマイナス幅を拡げています。
【米国CPI(中古車・トラック)[前年同月比と前月比] 】![【米国CPI(中古車・トラック)[前年同月比と前月比] 】](https://fx-osusume.pepper.jp/wordpress/wp-content/uploads/2025/06/column544.webp)
医療用品
そして、3番目は「医療用品」の項目です。
前月比では+0.59%(前月:+0.42%)と上昇しています。
前年同月比では+0.28%(前月:+0.97%)とやや大きめに低下しています。
医薬品以外の「医療機器・医療品」の前月比が+0.9%(前月:+0.4%)と上昇していました。
関税が影響してそうですね。
【 米国CPI(医療用品)[前年同月比と前月比] 】![【 米国CPI(医療用品)[前年同月比と前月比] 】](https://fx-osusume.pepper.jp/wordpress/wp-content/uploads/2025/06/column545.webp)
シェルター(住居費)
最後が構成比の大きい「シェルター(住居費)」の項目です。
前月比では+0.25%(前月:+0.33%)と僅かに低下しています。
前年同月比では+3.86%(前月:+4.00%)と低下しています。
「住宅の家賃」の前月比が+0.17%(前月:+0.27%)、「帰属家賃(持ち家を賃貸物件とみなして換算された想定家賃)」の前月比が+0.27%(前月:+0.36%)とともに低下しました。
【 米国CPI(住居費)[前年同月比と前月比] 】![【 米国CPI(住居費)[前年同月比と前月比] 】](https://fx-osusume.pepper.jp/wordpress/wp-content/uploads/2025/06/column546.webp)
あとがき
以上、今月は気になる4項目を見てみました。
今回は関税の影響が心配されましたが、蓋を開けてみれば財価格(食品およびエネルギー商品を除く)の前月比は-0.04%とマイナスになっていました。
自動車が新車・中古車ともに前月比マイナスとなっており、駆け込み需要の反動やローン金利の高止まりなどの影響を受けて販売台数も落ち込んでおり、インフレ圧力は弱まっている感じです。
また、CPI詳細の記事で何度も出てきた交通(輸送)サービスも年初は前年同月比で8%もあったのですが、あっという間に鈍化しました。
そして、構成比の大きいシェルター(住居費)も住宅価格が下落し始めてますので、タイムラグを伴って今後もさらに低下してくと思われます。
関税以外にもうインフレ要素はほぼないといった感じですが、1つ中東情勢悪化への懸念から原油価格が高騰してきてますので、そこだけが要警戒といった感じではないでしょうかね。
ただ、車社会の米国でガソリン価格や光熱費が上がってしまいますと家計がより一層苦しくなりますので、インフレ率を押し下げる効果もかなり大きいのではという気がします。
さて、来週にはFOMC(米連邦公開市場委員会)がありますが、パウエルFRB議長はいつ利下げを決断するのか非常に注目されるところです。
ちなみに、管理人ペッパーは経済金融の専門家でもなんでもありません。
信じるか信じないかはあなた次第!
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