シリコンバレー銀行が米国債を高値で買って破綻した後も再び米国債が高値で買われる

物価・インフレ,コラム

シリコンバレー銀行(SVB)が先週末破綻し、米国債は爆買いされ利回りは急低下しました。
FF金利を反映する2年債の利回りは先週5%を超えて推移していましたが3.8%まで下落し、市場は早期の利上げ打ち止め、そして早期の利下げを予想しています。
そうなってくると、あまのじゃくの筆者としてはこれを逃す手はありません(笑)

【米国債2年物日足チャート】

米国債2年物日足チャート

まず、シリコンバレー銀行とその2日後に破綻したシグネチャー銀行の預金は全額保護されることが決まりました。
やはり影響が大きすぎるということで迅速に対応してきました。
結果、実体経済への影響は極めて小さくなると思われます。

シリコンバレー銀行は約8,500人の従業員がいるそうですが、せいぜい破綻した銀行の従業員が一時的に失業する程度でしょう!?
皆さん優秀でしょうから再就職もすぐに決まるのではないでしょうか!?
ちなみに、FacebookやInstagramで知られるメタ・プラットフォームズが昨日1万人の人員削減を発表しており、テック業界ではここ半年だけで30万人弱のレイオフを発表しています。

ただ、保護される預金額に上限がある限り、今後は中小の銀行からメガバンクへ資金が移動することが考えられ、何かしら手を打たないと別の問題が生じるのではないかと懸念されます。

次に、昨日14日(火)に発表された2月分の米国CPI(消費者物価指数)ですが、市場予想よりも若干上振れる形となりましたけれども、ほぼ予想通りの結果となりました。
当然、先月のデータなのでシリコンバレー銀行が破綻しても1㍉の影響もありません。
(来月発表予定の3月分米国CPIは、前年同月比でシリコンバレー銀行破綻とは関係なく、その前から5%台前半まで急落すると予想しています)

詳細を見てみますと、前月比でマイナスになっているのは、「エネルギー」、「中古車・トラック」、「医療サービス」の項目だけで全体的にインフレは続いており、以前コラムでも述べた比重の大きい住居費はまだ高い水準をキープしています。
そして、先週末発表のあった米国雇用統計での平均時給は市場予想よりも悪化して米国債の利回りやドル円は下げましたが、「サービス価格」の項目はまだ上昇傾向にあり、先週指摘した通りやはりミスリードな感じです。

【米国CPI「エネルギーを除くサービス価格」(前年同月比)】

米国CPI「エネルギーを除くサービス価格」(前年同月比)

また、下落基調である「中古車・トラック」の項目は前年同月比で見ると、2022年2月以降急落しているので来月発表の3月分以降はベース効果により逆に上昇傾向になる可能性が高いです。

【米国CPI「中古車・トラック」(前年同月比)】

米国CPI「中古車・トラック」(前年同月比)

 

ちょうど先日のコラムで、”現状、住宅ローン需要を下落トレンドにさせるためには米国債30年物の利回りは4%強ないといけない”という記事を書きましたが、13日(月)には3.5%まで急落し現在は3.7%台で推移しています。
多少水準は下がったかもしれませんが、もしこのまま利回りが上がってこないようだと、住宅需要はまだ高水準を維持することが見込まれ、インフレ率が急落するとはちょっと考えにくく、FRBが早期に利下げへ転じるということはないと予想します

ただ、パウエルFRB議長は過去何度もミスを犯してしまっているので、再び自分のミスで経済ショックを起こしてしまうのではないかというプレッシャーを感じてる気はします。
それを織り込んでの利下げという考えならアリだとは思いますが、基本的にはFRBは景気を悪化させてインフレを退治しようとしているので、景気が悪化したから利下げするだろうという考え方は本末転倒なのです。
そして、景気が悪化したことでFRBを責めることもお門違いなのです。

シリコンバレー銀行は、いわゆる天井ロングで底ロスカットとなってしまいました。
奇しくもそのことで米国債は大いに買われ、そしてまた同じ轍を踏んで天井ロングしてしまった銀行があるかもしれません。
「○○銀行お前もか!」とならないことを願うばかりです。

ちなみに、管理人ペッパーは経済金融の専門家でも何でもありません。信じるか信じないかはあなた次第!
ฅ(=^・^=)

Posted by ペッパー