ベース効果により2~3か月間はインフレ加速!(10月米国PCEデフレーター結果詳細)

コラム,CPI・PPI・PCE

11月27日(水)に10月分の米国PCEデフレーター(個人消費支出価格指数)の発表がありました。
結果は、総合PCEの前月比が+0.2%(市場予想+0.2%)、前年同月比が+2.3%(市場予想+2.3%)、コアPCEの前月比が+0.3%(市場予想+0.3%)、前年同月比が+2.8%(市場予想+2.8%)となり、4項目全てで市場予想と一致しました。

【米国PCEデフレーター[前月比と前年同月比]】 【米国PCEデフレーター[前月比と前年同月比]】 

 

それでは、その米国PCEデフレーターの中身をもう少し詳しく見ていきたいと思います。

PCEデフレーター(サービス)

まずは、構成比2/3のサービス部門です。
前月比では+0.38%(前月:+0.32%)と僅かに上昇しています。
前年同月比も+3.88%(前月:+3.67%)と上昇しています。

比重の大きい「住宅」と「ヘルスケア」ですが、前者の前月比は+0.37%(前月:+0.32%)と僅かに上昇しましたが、後者の前月比は+0.09%(前月:+0.33%)と低下し、インフレ率を押し下げました。
その他では、自動車サービスや公共交通機関などが含まれる「輸送サービス」の前月比が+0.75%(前月:+1.11%)と低下しています。

一方で、アミューズメントやスポーツセンターなどの「レクリエーション」の前月比が+0.62%(前月:+0.19%)、好調な投資環境を背景に「金融サービスと保険」の前月比が+0.70%(前月:+0.12%)、ハリケーンの影響を受けたと思われる「宿泊施設」の前月比が+0.38%(前月:-1.79%)などがインフレ率を押し上げました。

【米国PCEデフレーター(サービス)[前年同月比と前月比]】
【米国PCEデフレーター(サービス)[前年同月比と前月比]】

 

PCEデフレーター(財)

次は、残りの1/3を占める財部門です。
前月比では-0.06%(前月:-0.12%)とマイナス幅を僅かですが縮めています。
前年同月比でも-0.98%(前月:-1.19%)とマイナス幅を縮めています。

【米国PCEデフレーター(財)[前月比と前年同月比]】
【米国PCEデフレーター(財)[前月比と前年同月比]】

 

PCEデフレーター(耐久財)

さらに、財部門の中の耐久財の項目を見てみます。
前月比では+0.06%(前月:+0.34%)と低下しています。
前年同月比では-1.61%(前月:-1.91%)と逆に5か月連続でマイナス幅を縮めています。

ハリケーンの影響もあったと思われる「自動車および部品 」の前月比が+0.86%(前月:+0.27%)と特に中古車がインフレ率を押し上げたのに対し、「家具と耐久性のある住宅設備」の前月比が-0.02%(前月:+0.48%)とインフレ率を押し下げました。
その他も概ねデフレ状態となっています。

【米国PCEデフレーター(耐久財)[前月比と前年同月比]】
【米国PCEデフレーター(耐久財)[前月比と前年同月比]】

 

PCEデフレーター(非耐久財)

最後は財部門の中の非耐久財の項目です。
前月比では-0.12%(前月:-0.36%)とマイナス幅を縮めています。
前年同月比でも-0.65%(前月:-0.81%)とマイナス幅を縮めています。

「ガソリンおよびその他のエネルギー製品」の前月比が-1.02%(前月:-3.98%)、医薬品や新聞・雑誌などの「その他の非耐久財」の前月比が+0.37%(前月:-0.37%)とインフレ率を押し上げています 。
一方で、「食品・飲料」の前月比が+0.02%(前月:+0.35%)、「衣類と履物」の前月比が-1.39%(前月:+0.70%)とインフレ率を押し下げています。

【米国PCEデフレーター(非耐久財)[前月比と前年同月比]】
【米国PCEデフレーター(非耐久財)[前月比と前年同月比]】

 

というわけで、PCEデフレーターのサービス部門と財部門を分けて見てみました。
今回10月分はストやハリケーン、大統領選など特殊要因によって価格が大きく変動している可能性もあり、単月で判断するのは少し難しそうです。

また、前年同月比でインフレは加速したといった報道もありますが、ちょうど1年前の10月は10年物米国債などの利回りが5%を超えるなどして金融環境がかなり引き締まっていた時期であり、PCEデフレーターの前月比も総合で+0.03%、コアで+0.13%と低インフレでしたので、ベース効果で高く出ていると思われます。
なので、次回11月分のコアPCEデフレーターの前年同月比も+2.9~3.0%と少し高めに出るはずです。

ほんとこの時のパウエルFRB議長のミスがなければ、今頃はインフレ率2%になっていたでしょうね。
残念すぎる…。

 

ちなみに、管理人ペッパーは経済金融の専門家でもなんでもありません。
信じるか信じないかはあなた次第!
ฅ(=^・^=)

Posted by ペッパー