パンドラの箱が開く、米国雇用統計悪化でドル円は大きく下落!来週のFX相場予想(2025年11月17日~)
来週のFXドル円相場予想
予想レンジ:150.0 ー 155.0円
週間では「大きく下落」と予想します。
根拠としては4つ。
1つ目は、米国雇用統計は悪化と予想。(ドル安円高要因
)
20日(木)に9月分の米国雇用統計が約1か月半遅れで発表されます。
発表延期前の当時の市場予想では、非農業部門雇用者数が+5.1万人(前月:+2.2万人)、失業率が4.3%(前月:4.3%)、平均時給前月比が+0.3%(前月:+0.3%)、平均時給前年同月比が+3.6%(前月:+3.7%)となっており、非農業部門雇用者数の伸びはやや大きくなり、平均時給は前年同月比で鈍化する見通しとなっていました。
それではまず、インディードの求人数を見てみます。
8月22日を天井に9月は割と速いペースでの減少傾向となっており、今年の底となっていた7月14日の水準も割り込んでいます。
次に新規失業保険申請件数を見てみます。
9月は26.4、23.2、21.8万件と第一週で急増した後は大きく減少しています。
他方で、継続件数も高止まりしているものの緩やかに減少しています。
前回7月分のJOLTS求人では、これまで雇用増に大きく貢献してきた「医療・社会福祉」部門で急減するなど、上述のインディードの求人でも示している通り求人件数がかなり落ち込んできています。
求人が減っているということは新規採用も伸びていないということが推測できますので、非農業部門雇用者数は弱い結果になるのではという気がします。
9月分のADP非農業部門雇用者数でも、-3.2万人(市場予想:+5.2万人)と大きく減少していました。
また、毎度のごとく前月・前々月分も下方修正されるのではないでしょうかね。
失業率も前回8月分は小数第二位まで見ますと4.32%ですので、もしかすると今回4.4%へ上昇する可能性もありそうです。
シカゴ連銀のリアルタイム失業率予測でも9月は4.35%となっています。
よって、結果は市場予想よりも悪化していると思われ、結果発表時ドル円は大きく下落すると予想します。
今回は発表が延期されていた9月分の発表となるため値動きも限定的となるかもしれませんが、結果が悪ければそれなりに下落するのではないでしょうかね。
2つ目は、FOMC議事録ではタカ派とハト派拮抗と予想。(ドル安円高要因
)
19日(水)に10月FOMC(米連邦公開市場委員会)の議事録が公表されます。
FOMC終了後のパウエルFRB議長の会見では、「12月会合での追加利下げは既定路線ではない。そう呼ぶ状況からは程遠い」と述べたことから、12月FOMCでの利下げ織り込み度が大きく低下し、米国債の利回りは上昇し、ドル円も大きく上昇しました。
それは10月FOMCでの利下げ実施により、9月のドットプロットにおける年末時点での政策金利予想に既に達した、或いは既に突き抜けてしまったタカ派メンバーが9名もいたことから、当然の発言と思われます。
10月FOMC以降はタカ派メンバーの発言が多くニュースで取り上げられた印象はありますが、逆に言えば残り10名は12月FOMCでの利下げを支持しているため、議事録内での意見はほぼ拮抗していると思われます。
よって、議事録の内容は市場が織り込んでいる利下げ見送り度(CMEのFedWatchツールでは55.6%)ほどタカ派ではなく、この数値は少し下がると思われ、議事録公開時ドル円は下落すると予想します。
3つ目は、米国経済指標は全体的に悪化と予想。(ドル安円高要因
)
来週発表予定の米国経済指標は、11月分ではニューヨーク連銀製造業景気指数、フィラデルフィア連銀製造業景気指数、NAHB住宅市場指数、製造業・サービス業PMI(購買管理者景気指数)速報値、ミシガン大学消費者信頼感指数確報値、10月分では財政収支、輸出入物価、鉱工業生産、住宅着工件数、中古住宅販売戸数、景気先行指数、週次では新規失業保険申請件数、ADP非農業部門雇用者数などがあります。
その他、20年債と10年インフレ連動債(TIPS)の米国債入札やFOMCメンバーによる講演など発言機会も多くあります。
また、公表が延期されていた指標も続々と発表される可能性もあります。
まずは製造業・サービス業PMIですが、まだ市場予想は発表されていませんけれども全体的に悪化しているのではないでしょうかね。
10月分のチャレンジャー人員削減数の急増が示すように、9月頃からレイオフの発表が増えてきています。
11月も通信大手のベライゾンが1.5万人、半導体設計などのシノプシスが2千人の人員削減を発表し、ナスダック銘柄のソンダーは経営破綻して従業員1,421人が職を失うなど前月を上回りそうな勢いです。
週次のADP非農業部門雇用者数(移動平均値)も10月の第4週で-1.125万人と、10月後半に相当数減少したと考えられます。
ちなみに、ニューヨーク連銀製造業景気指数は市場予想6.10(前月:10.70)と前月からやや鈍化もプラス圏を維持し、フィラデルフィア連銀製造業景気指数は市場予想-1.40(前月:-12.8)と前月からマイナス幅を縮める見通しでマチマチな予想となっています。
ミシガン大学消費者信頼感指数確報値も2022年7月以来となった50.3の速報値から更に下方修正されるのではないでしょうか。
住宅関連は、住宅ローン金利が緩やかながらも低下傾向となっていますが、住宅ローン申請件数は上昇傾向とはなっておらず、10月下旬からはやや増加した感はありますが頭打ちの状態となっています。
中古住宅販売戸数(市場予想は前月と同等の406万戸)では下振れるのではないでしょうかね。
よって、米国経済指標は全体的に悪化していると思われ、指標発表時ドル円は下落すると予想します。
4つ目は、テクニカル分析では下落と予想。(ドル安円高要因
)
ドル円日足チャートを見ますと、今週のドル円は直近高値の154円台半ばを上抜け、155.03円まで上昇しました。
しかしながら、155円台の大台や155.5円付近に位置していたボリンジャーバンドの+2σがレジスタンス(上値抵抗線)として働き、週末金曜には153.60円まで反落する場面が見られました。
ただ、153.5円のキリ番や153.3円付近に位置するボリンジャーバンドのミッドバンドがサポートとなって反発し、ほぼ十字ながらも大きな下髭を付ける陽線となり154.51円でクローズしました。
来週も引き続き155円台の上値の重さから、ボリンジャーバンドのミッドバンドの攻防となり、これを下抜けて151円台半ばに上昇してくるボリンジャーバンドの-2σや150.0円付近に位置する一目均衡表の雲を目指して下落する流れになると予想します。
他方、週足でも150.75円に位置する雲上限や149.5円付近に位置するボリンジャーバンドのミッドバンドあたりを目指す流れになると予想します。
したがって、総合的に判断すると来週のFXドル円相場予想は、チャート上のオレンジの矢印のような感じで推移すると予想します。
あとがき
今週はようやく米連邦政府機関の一部閉鎖が解除されました。
市場は閉鎖解除で楽観ムードとなりましたが、これもアンカリング効果でマイナスが元に戻っただけで決してプラスではなく、実際にはこの間に1,000億ドル近くの経済損失が発生したと見積もられています。
そして今回の予算案可決も1月までのつなぎ予算となっているため、2か月後には再び共和党と民主党との間で揉めることが予想されます。
さて、来週からいよいよ米連邦政府による経済指標の発表が再開されます。
結果的に43日間臭いものに蓋がされてきましたが、遂にパンドラの箱が開いてしまいます。
注目はやはり雇用統計ですが、まずは20日に9月分、10月分も本来なら11月上旬に公表ですので、近いうちに調査できなかった失業率など家計調査のデータを除いて発表されると思われます。
11月分も本来なら12日を含んだ週の統計となるわけで既に調査を終えてないといけないのですが、多少融通を利かせて予定通り12月上旬に発表し、何とか12月9~10日に開催されるFOMCには間に合うのではないでしょうかね。
一方で、米国CPI(消費者物価指数)は10月分の調査ができていないと思われ、発表自体行われないのではないでしょうか。
そして、11月分も12月FOMC後の発表になるでしょう。
物価に関しては一昨日、コーヒー豆、バナナ、トマト、牛肉、パイナップル、ナッツ類などの食品への関税を13日に遡って撤廃することをトランプ大統領は発表しており、またスイスに対しての関税率も39%から15%へと大幅に引き下げることで合意しており、インフレ率を短期的に相当程度押し下げると思われます。
よって、12月FOMCでは雇用指標は最新の情報が揃うものの、物価指標は9月分のデータまでしか参照できない感じですが、結局は利下げすることになるのではないでしょうかね。
それから、来週はエヌビディアの決算も注目となりそうです。
今月はソフトバンクGによるエヌビディア株売却や「世紀の空売り」で有名になったバーリ氏の空売りが明らかになったことなどで、ここまで売りに押されエヌビディアの株価は下落していますがどうでしょうかね!?
そのバーリ氏ですが、自身が率いるヘッジファンドを畳んだようです。
恐らく空売りが失敗したと思われ、全力で勝負するにはちょっと拙速だったのではないでしょうかね。
バーリ氏はGPUの耐用年数を巡って問題を定義していましたが、エヌビディアはGPUをHopper(2022年)、Blackwell(2024年)、Rubin(2026年予定)と2年ごとに新世代チップへとモデルチェンジし、この間も性能をアップグレードするマイナーチェンジも施しています。
つまり、毎年新製品が発売され、既存のエヌビディア製GPUはどんどん劣後していくため、古いGPUを使った商品やサービスをいったい何年使うつもりなんですか?ということになるわけです。
また、GPUへの負荷も大きいわけで、耐用年数も3年程度ではないかという話もあり、こうなってきますと、GPUに巨額の資金を投じている企業の収益はより悪化するのではという推測も成り立つわけです。
高額なエヌビディア製GPUでは元が取れないということになれば、資金投入はストップしてしまいますので、エヌビディア側も売り上げが落ち込んでしまうわけです。
もしかしたら、エヌビディア側もこういう事態が訪れることをわかっていて、高額で売れるうちに売れるだけ売ってしまおうということで取引先に融資をしてまで自社製品を買わせているのかもしれませんね。
その他日本関連では、マイナス成長が見込まれている第3四半期GDPやCPIなどの経済指標、日中関係悪化も懸念されるところです。
ちなみに、管理人ペッパーは経済・金融の専門家でもなんでもありません。
信じるか信じないかはあなた次第!
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【ドル円日足チャート未来予想図】 