米国経済指標は悪化もドル円はテクニカル的に底堅い!来週のFX相場予想(2025年6月9日~)
来週のFXドル円相場予想
予想レンジ:143.5 ー 146.0円
週間では「やや下落」と予想します。
根拠としては3つ。
1つ目は、米国CPIは市場予想を下振れると予想。(ドル安円高要因
)
11日(水)に5月分の米国CPI(消費者物価指数)が発表されます。
毎月恒例ですが、Inflation Nowcasting を見てみますと、米国CPIの予測値は総合CPIとコアCPIの前月比、前年同月比の4項目全てで市場予想を下振れています。
筆者が独自に計算した「前月比に応じた前年同月比の予測値」では、市場予想通り総合CPIとコアCPIの前月比がそれぞれ+0.2%、+0.3%となった場合、前年同月比はそれぞれ+2.5%、+2.9%となり、市場予想と一致します。
筆者の予想としましては、
①WTI原油価格は5月5日には55.39ドルの二番底を付けて以降上昇トレンドとなっている。他方で、全米全グレードの5月の平均ガソリン価格は1ガロン3.278ドル(前月:3.299ドル)とやや下落している。
②5月分のISM製造業・非製造業価格指数は製造業では前月から僅かに低下、非製造業では上昇していた。
③比重の大きい住居費を含めたサービス価格は鈍化してきている。
④小売大手のウォルマートでも宣言していたように5月からは本格的に小売価格に関税分が転嫁され始めると思われる。一方で、CPIでの比重が割と大きい新車価格では関税分を車両価格に転嫁せず、ローン金利の優遇措置の見直しやモデルチェンジの際に値上げするなど、いわゆるステルス値上げが実施されているようで、現状では物価統計には表れにくい形となっている。
などの理由により、トランプ関税の直接的な影響が見られ始めると予想されますが、構成比の大きいサービス価格の鈍化傾向や財価格に於いても関税以外のところでは鈍化、もしくはデフレ基調となっていますので、市場予想ほど強めの結果にはならず、Inflation Nowcasting の予測値に近い結果になるのではという気がします。
ただ、PCEデフレーター詳細の記事でも触れましたが、5月分から半年ほどはベース効果もあって前年同月比ではやや上昇傾向となりそうです。
よって、結果は市場予想を下振れ、指標発表時ドル円は下落すると予想します。
翌々日には米国PPI(生産者物価指数)の発表もありますので、そちらも要注目となりそうです。
| 総合CPI (%) | コアCPI (%) | |||
|---|---|---|---|---|
| 前月比 | 前年同月比 | 前月比 | 前年同月比 | |
| 市場予想 | 0.2 | 2.5 | 0.3 | 2.9 |
| Inflation Nowcasting | 0.13 |
2.40 |
0.23 |
2.84 |
| 前月比に応じた予測値 | 0.10 | 2.40 | 0.20 | 2.84 |
| 0.20 | 2.50 | 0.30 | 2.94 | |
2つ目は、米国経済指標はやや悪化と予想。(ドル安円高要因
)
来週発表予定の米国経済指標は、6月分ではミシガン大学消費者信頼感指数速報値、5月分では消費者インフレーション期待、週次の新規失業保険申請件数などがあります。
その他、3年、10年、30年で総額1190億ドル分の米国債入札もあります。
まずは、ミシガン大学消費者信頼感指数ですが、前回5月分の確報値では速報値から上方修正される改善が見られました。
これは米中貿易戦争の緩和によって、期待インフレ率の確報値が速報値から大幅に低下したことが主な要因となっています。
6月は鉄鋼・アルミへの関税率50%への引き上げがあり、また小売価格への転嫁も始まってきていますので、消費者マインドは多少悪化してきているような感じはします。
逆相関的に期待インフレ率は上昇していると思われます。
NY連銀の消費者インフレーション期待は5月分ですので、5月分のミシガン大学期待インフレ率が先行指標となり、下振れるのではないでしょうかね。
新規失業保険申請件数は今週24.7万件と市場予想を上振れましたが、やはり徐々に増加してきている感じがします。
25万件の大台に乗ってくるようですと、少し悲観的な雰囲気になってきそうです。
よって、結果は市場予想よりもやや悪化し、ドル円はやや下落すると予想します。
また、米国債の入札も前月からは発行額が減っていますが、いつも以上に要注視となりそうです。
3つ目は、テクニカル分析では下落と予想。(ドル安円高要因
)
ドル円日足チャートを見ますと、141円台後半に位置していたボリンジャーバンドの-2σと144円台後半に位置していたミッドバンドの間で推移していたドル円ですが、MACDなどのゴールデンクロスを形成する形で上昇し、ミッドバンドをやや上抜けし、一目均衡表の雲の中に突っ込んできました。
ただ、145円台の大台がレジスタンス(上値抵抗線)となって反落し、144.81円でクローズしています。
来週はミッドバンド及び雲の攻防となりそうですが、前半は雲上抜けにアタックするも上値は重く反落し、後半は下抜けにアタックする形になると予想します。
他方、週足でも日足と同様にMACDなどのゴールデンクロスを形成する形で上昇しました。
来週は147.1円付近に位置するミッドバンドへ向けて上昇しそうですが、やはり最終的には-2σを再び目指す流れになると予想します。
したがって、総合的に判断すると来週のFXドル円相場予想は、チャート上のオレンジの矢印のような感じで推移すると予想します。
あとがき
今週の米国経済指標は、ISM製造業・非製造業景気指数やADP非農業部門雇用者数、新規失業保険申請件数など市場を下振れるケースが多かったですが、雇用統計では上振れる結果となりました。
市場や専門家は楽観視していますが、あまのじゃくの筆者はあまり楽観はしていません。
雇用統計詳細の記事でも書きましたが、毎月雇用者数の下方修正が大きく、今年1~3月の修正後の数値は何れも当初の市場予想を下振れる結果となっています。
そして雇用調整が進むのは、関税の直接・間接的な影響が実体経済に波及し始めるこれからとみています。
さらに、後日記事にしようと思いますが、3月、4月は個人所得が政府支出によって大きく伸びていたことがわかりました。
なので、3~5月くらいは景気を下支えしていた可能性があり、足もと6月以降は関税の影響や金利の高止まりもあって米国経済は少し修羅場と化すのではという気がします。
ちなみに、管理人ペッパーは経済・金融の専門家でもなんでもありません。
信じるか信じないかはあなた次第!
ฅ(=^・^=)
【ドル円日足チャート未来予想図】