コアCPI直近3か月の年率換算は+1.58%!インフレ率2%割れへ(7月米国CPI結果詳細)

コラム,CPI・PPI・PCE

14日(水)に7月分の米国CPI(消費者物価指数)の発表がありました。
結果は、総合CPIの前月比では+0.2%(市場予想+0.2%)、前年同月比では+2.9%(市場予想+3.0%)、コアCPIの前月比では+0.2%(市場予想+0.2%)、前年同月比では+3.2%(市場予想+3.2%)となり、総合CPI前年同月比が市場予想を下振れたため発表直後こそ急落しましたが、もっと悪い結果を予想していたのか、その後すぐに買い戻しが入り、結局は上下に0.5円ほど動いて元の位置という感じになりました。

【 米国総合CPI・コアCPI(前月比と前年同月比)】
【 米国総合CPI・コアCPI(前月比と前年同月比)】

 

それでは毎月恒例ですが、その米国CPIの中身をもう少し詳しく見ていきたいと思います。

【 米国CPI(項目別詳細)】
【 米国CPI(項目別詳細)】

 

最初にグラフ一番右の列の前年同月比を見てみますと、もうだいぶ落ち着いてきた感じで2桁の数値となっているのは-10.9%の「中古車・トラック」のみとなっています。

 

中古車・トラック

ということで、まずは前年同月比-10.9%(前月-10.1%)、前月比-2.3%(前月-1.5%)の「中古車・トラック」の項目です。
コロナ禍で高騰した中古車価格ですが、ローン金利も少し下がってきましたけれども、まだ下げ止まっておらず、更にマイナス幅が大きくなっています。

【米国CPI(中古車・トラック)[前年同月比と前月比] 】
【米国CPI(中古車・トラック)[前年同月比と前月比] 】

 

輸送サービス

次は2番目に絶対値が大きかった前年同月比+8.8%(前月+9.4%)、前月比+0.4%(前月-0.5%)の「輸送サービス」の項目です。
構成比の大きい「自動車保険」が前年同月比+18.6%(前月+19.5%)、前月比+1.2%(前月+0.9%)と、前月比ではやや加速しましたが前年同月比では高水準を維持しているものの鈍化傾向となってきていますので、「輸送サービス」自体も同様に鈍化傾向となってきています。

【 米国CPI(輸送サービス)[前年同月比と前月比] 】
【 米国CPI(輸送サービス)[前年同月比と前月比] 】

 

今度は上の表の右から2列目の前月比に目を向けてみます。
だいぶ0%前後に収束してきましたね。

 

エネルギー

3番目は前年同月比+1.1%(前月+1.0%)、前月比0.0%(前月-2.0%)の「エネルギー」の項目です。
構成比の大きい「ガソリン」や「電気」料金がほぼ横ばいとなっていますので、「エネルギー」全体の価格も落ち着いたものとなっています。
WTI原油価格は、7月5日に84.49ドルの高値を付けた後、8月5日には71.71ドルまで下落するなど7月中は下落トレンドでした。
ただ、8月12日には中東情勢の緊迫化などにより80.13ドルまで上昇し、現在はやや軟化して70ドル台後半となっています。
今後中東情勢への懸念が払拭されれば、原油消費量の多い米中の経済状況を鑑みますと概ね70ドル台前半での値動きとなり、インフレはやや下押しながら安定的に推移するのではないでしょうかね。

【 米国CPI(エネルギー)[前年同月比と前月比] 】
【 米国CPI(エネルギー)[前年同月比と前月比] 】

 

医療サービス

4番目は前年同月比+3.3%(前月+3.3%)、前月比-0.3%(前月+0.2%)の「医療サービス」の項目です。
医療保険の算出方法の変更やインフレ削減法(IRA)の影響で変動が激しくなっていますが、前月比では今年1月の+0.7%を天井に下落傾向となっており、今回はマイナス圏に大きく沈みました。
雇用統計の平均時給でも「医療・福祉扶助」部門の伸びは低下傾向となっており、より比重の大きいPCEデフレーター(個人消費支出価格指数)では、CPI以上にインフレ率を押し下げると思われます。

【 米国CPI(医療サービス)[前年同月比と前月比] 】
【 米国CPI(医療サービス)[前年同月比と前月比] 】

 

シェルター(住居費)

そして最後が前年同月比+5.1%(前月+5.2%)、前月比+0.4%(前月+0.2%)の構成比の大きい「シェルター(住居費)」の項目です。
ずっと前月比は+0.4%で推移していたところ、前月いきなり+0.2%に落ち込みましたので、その反動といった感じでしょうかね。
前年同月比では緩やかに下落を続けており、前月比も先行指標となる住宅価格が鈍化していますので今後も下落傾向を続けると予想します。

【 米国CPI(住居費)[前年同月比と前月比] 】
【 米国CPI(住居費)[前年同月比と前月比] 】

というわけで、今月は気になる5項目を見てみました。
これで、コアCPIの直近3か月の年率換算は+1.58%となり、2%を大きく下回っています。
7月分のコアPCEも今月末に発表されますが、恐らく直近3か月の年率換算は+1.7~1.8%になるのではないかと思われます。

ところで、昨日は7月分の米国小売売上高の発表がありましたが、市場予想を大きく上振れたためドル円は2円以上急上昇しました。
もともとブレの大きい指標でしたが、ちょっと予想外の強さとなりましたね。
6月にサイバー攻撃によって大きく落ち込んだ「自動車・同部品」の反動増と思われますが、上の表を見てもわかるように「新車」も「中古車・トラック」も価格は低下していますので、物価を押し上げるほどの需要の強さはないのかなという気がします。
逆に、「小売りが+1.0%なのに、CPIはたった+0.2%(実際は総合が0.155%、コアが0.165%)なの?小売りが落ち込んだらどうなるの?」なんて思っちゃいますけどね。
米国債利回りも急上昇しましたので、景気・インフレも少し抑制しそうで、あまのじゃくの筆者的にはむしろドル売りでしょうね。(笑)

 

ちなみに、管理人ペッパーは経済金融の専門家でもなんでもありません。
信じるか信じないかはあなた次第!
ฅ(=^・^=)

Posted by ペッパー