インフレ率2%へ視界良好!PCEデフレーターも鈍化か!?(6月米国CPI結果詳細)

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12日(水)に6月分の米国CPI(消費者物価指数)の発表がありました。
結果は、総合CPIの前月比では-0.1%(市場予想+0.1%)、前年同月比では+3.0%(市場予想+3.1%)、コアCPIの前月比では+0.1%(市場予想+0.2%)、前年同月比では+3.3%(市場予想+3.4%)となり、前回に引き続き全て市場予想を下振れ、日本当局の為替介入もあったようでドル円は約4円落ちの急落となりました。

【 米国総合CPI・コアCPI(前月比と前年同月比)】
【 米国総合CPI・コアCPI(前月比と前年同月比)】

 

それでは毎月恒例ですが、その米国CPIの中身をもう少し詳しく見ていきたいと思います。

【 米国CPI(項目別詳細)】
【 米国CPI(項目別詳細)】

 

最初にグラフ一番右の列の前年同月比を見てみますと、もうだいぶ落ち着いてきた感じで2桁の数値となっているのは-10.1%の「中古車・トラック」のみとなっています。

 

中古車・トラック

ということで、まずは前年同月比-10.1%(前月-9.3%)、前月比-1.5%(前月+0.6%)の「中古車・トラック」の項目です。
コロナ禍で高騰した中古車価格ですが、ローン金利の高止まりもあり、前年同月比と前月比でともに大きなマイナスとなっています。

【米国CPI(中古車・トラック)[前年同月比と前月比] 】
【米国CPI(中古車・トラック)[前年同月比と前月比] 】

 

 

輸送サービス

次は前年同月比で2番目に絶対値が大きかった前年同月比+9.4%(前月+10.5%)、前月比-0.5%(前月-0.5%)の「輸送サービス」の項目です。
構成比の大きい「自動車保険」が前年同月比+19.5%(前月+20.3%)、前月比+0.9%(前月-0.1%)と、前年同月比では高水準を維持しているものの鈍化傾向となってきています。

【 米国CPI(輸送サービス)[前年同月比と前月比] 】
【 米国CPI(輸送サービス)[前年同月比と前月比] 】

 

 

今度は右から2列目の前月比に目を向けてみます。

エネルギー

3番目は前年同月比+1.0%(前月+3.7%)、前月比-2.0%(前月-2.0%)の「エネルギー」の項目です。
WTI原油価格は、6月4日に72.4ドルの安値を付けた後、7月5日には84.4ドルまで上昇するなど大きく反発していますが、ガソリン価格はまだ小幅な反発に留まっていますので、前月比はマイナスとなっています。
次回7月分以降の夏場の需要期では「エネルギー」の項目ではインフレ率を押し上げそうですが、その後は米国の景気悪化に伴い原油価格は下落し、インフレ率低下に寄与していくものと予想します。

 

【 米国CPI(エネルギー)[前年同月比と前月比] 】
【 米国CPI(エネルギー)[前年同月比と前月比] 】

 

【 WTI原油価格(日足)】


シェルター(住居費)

そして最後が前年同月比+5.2%(前月+5.4%)、前月比+0.2%(前月+0.4%)の構成比の大きい「シェルター(住居費)」の項目です。
前月比は+0.4%でほとんど変動もなく横ばいが続いていましたが、今回いきなりガクッと落ちました。
全体的に鈍化傾向ですが、「別荘」と「ホテルやモーテルなどの宿泊施設」が前月比でそれぞれ-2.0%、-2.5%と大きなマイナスになったこともインフレ率を押し下げました。

 

【 米国CPI(住居費)[前年同月比と前月比] 】
【 米国CPI(住居費)[前年同月比と前月比] 】

というわけで、今月も気になる4項目を見てみました。
筆者は総合CPI前月比が5月か6月にはマイナスに転じると予想していましたが、今回の6月で遂にマイナスとなりましたね。
そしてコアの方でも+0.1%とかなり鈍化してきました。
やはり、比重の大きい住居費が+0.2%と前月の+0.4%から大きく低下したのが寄与しましたね。
以前コラムでは、住居費が前月比で+0.4%と+0.5%で推移した場合のシミュレーションをしてみましたが、今回6月は小数第二位まで見てみますと+0.17%ということでしたので、このラインを大幅に下回ることになりそうです。
さらに今回取り上げてませんが、医療用品と医療サービスも鈍化しています。
これらは米国の中央銀行にあたるFRB(米連邦準備制度理事会)がインフレ率2%のターゲットにしているコアPCEデフレーター(個人消費支出価格指数)での構成比が大きく、インフレ率を押し下げる効果が期待できます。

1か月前、あまのじゃくの筆者はどこよりも早く「インフレ率2%の軌道に乗った」と宣言しましたが、概ね順調に進んでいるような気がします。

 

ちなみに、管理人ペッパーは経済金融の専門家でもなんでもありません。
信じるか信じないかはあなた次第!
ฅ(=^・^=)

Posted by ペッパー