国債買い入れ減額は完全に円高要因!ドル高円安の逆流が始まる!
植田日銀総裁は6月の日銀金融政策決定会合に於いて、現在実施している月間約6兆円もの日本国債の買い入れを今後は減額していく方針を述べました。
また、24日に公表された主な意見でも、円安による物価上振れリスクへの警戒や追加利上げに前向きな意見があったりと、意外にも政策委員のタカ派的な姿勢が印象的でした。
国債買い入れ減額に関する詳細は7月9~10日に開催される債券市場参加者会合で市場関係者との意見交換を行った後に次回7月の会合で発表される予定ですが、買い入れ額を巡っては1兆円減額し5兆円とする見方や、2兆円もしくは3兆円減額して買い入れ額を4兆円もしくは3兆円とする予想もあります。
筆者の予想としましても、1兆円程度なら事前にわざわざ市場関係者との意見交換の場を設ける必要もないかなという気もしますし、植田総裁が「相応の規模」と述べていることもあり、やはり2~3兆円レベルでの減額になるのではという気がします。
では、日銀の国債買い入れ減額が始まるとどうなるか?ということを考えなくてはいけません。
日銀が買わなくなった分誰かがその穴埋めをしなくてはなりませんが、利上げが警戒される中では買い控えが生じて需給が悪化し、投機筋の思惑等もあって国債利回りは当面の間上昇圧力がかかると思われます。
実際、6月の日銀金融政策決定会合後には0.90%まで下落していた10年物国債の利回りは、米国債の利回りに連動している部分もあるかと思いますが、現在は1.00%を超える水準まで上昇してきており、5月30日に付けた直近高値1.10%も早々に超えてくるのではないでしょうか。
質的に見た場合、実需面では日本国債の利回りが上昇してくれば国内の機関投資家は、為替のヘッジコストをかけてまで海外へ投資するよりも日本国債へ投資した方が得られるリターンも増えることが予想されます。
よって、今後は海外へ向かう投資マネーは減り、逆にヘッジをしていない投資マネーを中心に為替差損が発生する前に日本へ還流(リパトリエーション)する流れが出来てくるのではないでしょうか。
生保業界では20年や30年物の超長期国債の利回りが2%を超えてくるようだと買いに回ると言われていますが、現在20年物は1.8%、30年物は2.1%付近で推移しており、今後日銀が利上げを決行し利回りがもう一段上昇してくるようなら大口の買い手になってくると思われます。
やはり、日米の金利差が拡大してドル高円安が進みましたので、それが縮小していくならばその流れは逆流するのが自然でしょうね。
【 10年物日本国債利回り(週足)】
他方、量的に見た場合でも、そもそも円安になった元凶は周知の事実ともなっている2013年に就任した黒田前日銀総裁が始めたこの異次元の量的金融緩和ですから、それを引き締めていくということなので、当然円高方向に振れるということになるでしょう。
日本政府の国債発行残高は約1,100兆円で、日銀は現在その50%を超える約600兆円もの日本国債を保有しています。
これをどのくらいの残高になるまで減らすのかわかりませんが、黒田前日銀総裁が就任した2013年3月20日時点の保有残高は約125兆円でしたので、そこからインフレ率やGDP比などを加味して200~300兆円くらいまで減らすんじゃないでしょうかね!?
そうなってきますと、世の中に出回る円資金が大幅に削減されることになり流動性が心配されるところですが、市場全体に流通している通貨供給量を示すマネーストック(M2)は5月には約679兆円、日銀内に開設している金融機関の当座預金残高を見ますと6月20日時点で約557兆円の残高があり、余剰資金は潤沢にあることがわかります。
なので、日銀が国債買い入れの減額を開始したからと言って、すぐ実体経済に悪い影響を及ぼすとは考えられません。
しかしながら、世の中の円資金は着実に減少していきますので、あらゆる取引での金額が減額していくことになります。
キャリートレードで売るための円資金、株や仮想通貨、コモディティなどリスク資産を買うための円資金、企業が従業員に給料として払う円資金、消費者が商品やサービスへ払う円資金などなど。(逆に円の価値は上がります!)
そうなってきますと景気は悪化し相場はリスクオフとなり、やはり円高になりやすいと思われます。
【 日銀国債保有残高 [千円] 】![日銀国債保有残高 [千円]](https://fx-osusume.pepper.jp/wordpress/wp-content/uploads/2024/06/column259.webp)
【 マネーストック(M2) [億円] 】![マネーストック(M2) [億円]](https://fx-osusume.pepper.jp/wordpress/wp-content/uploads/2024/06/column261.webp)
よって、国債買い入れの減額は、質的に見ても量的に見ても完全に円高要因です!
ただ、円高以上にドル高になれば、ドル円は上昇しちゃいますけどね。(笑)
ちなみに、管理人ペッパーは経済・金融の専門家でもなんでもありません。
信じるか信じないかはあなた次第!
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