インフレ率2%の軌道に完全に乗った!?(5月米国CPI結果詳細)

コラム,CPI・PPI・PCE

12日(水)に5月分の米国CPI(消費者物価指数)の発表がありました。
結果は、総合CPIの前月比では0.0%(市場予想+0.1%)、前年同月比では+3.3%(市場予想+3.4%)、コアCPIの前月比では+0.2%(市場予想+0.3%)、前年同月比では+3.4%(市場予想+3.5%)となり、全て市場予想を下振れドル円は大きく下落しました。

【 米国総合CPI・コアCPI(前月比と前年同月比)】
米国総合CPI・コアCPI(前月比と前年同月比)

 

それでは毎月恒例ですが、その米国CPIの中身をもう少し詳しく見ていきたいと思います。

【 米国CPI(項目別詳細)】
米国CPI(項目別詳細)

 

最初にグラフ一番右の列の前年同月比を見てみますと、もうだいぶ落ち着いてきた感じで2桁の数値となっているのは+10.5%の「輸送サービス」のみとなっています。

輸送サービス

ということで、まずは前年同月比+10.5%(前月+11.2%)、前月比-0.5%(前月+0.9%)の「輸送サービス」の項目です。
構成比の大きい「自動車保険」が前年同月比+20.3%(前月+22.6%)、前月比-0.1%(前月+1.8%)と、前月比はマイナスに転じましたが前年同月比では高水準を維持しており、インフレ率を押し上げています。
今後鈍化していくのか予想し難い項目ですね。

【 米国CPI(輸送サービス)[前年同月比と前月比] 】
米国CPI(輸送サービス)[前年同月比と前月比]

 

中古車・トラック

次は前年同月比で2番目に絶対値が大きかった前年同月比-9.3%(前月-6.9%)、前月比+0.6%(前月-1.4%)の「中古車・トラック」の項目です。
コロナ禍で高騰した中古車価格ですが、ローン金利の高止まりもあり、前月比ではプラスに転じたものの前年同月比ではマイナス幅を拡げています。

【米国CPI(中古車・トラック)[前年同月比と前月比] 】
米国CPI(中古車・トラック)[前年同月比と前月比]

 

今度は右から2列目の前月比に目を向けてみます。

エネルギー

3番目は前年同月比+3.7%(前月+2.6%)、前月比-2.0%(前月+1.1%)の「エネルギー」の項目です。
中東情勢の悪化懸念により、1バレル87.6ドルまで上昇していたWTI原油価格は、6月4日に72.4ドルを付けるなど5月は下落トレンドとなっていました。
現在は80ドル手前まで反発してきています。
夏のドライブシーズンでガソリンの需要が増える季節ですが、週次の原油在庫統計を見ても需要の弱さが感じられ、原油価格は上値の重い展開が続くのではないでしょうか。
したがって、エネルギー価格のインフレ率も鈍化していき、前月比でマイナスに転じたようにどちらかと言えばデフレ気味に推移していくと予想します。

【 米国CPI(エネルギー)[前年同月比と前月比] 】
米国CPI(エネルギー)[前年同月比と前月比]

 

【 WTI原油価格(日足)】
WTI原油価格(日足)

シェルター(住居費)

そして最後が前年同月比+5.4%(前月+5.5%)、前月比+0.4%(前月+0.4%)の「シェルター(住居費)」の項目です。
ほとんど変動もなく落ち着いてきている感じですね。
ただ、以前から述べているように住居費は住宅価格から1年程度のタイムラグがありますので、前年同月比ではそろそろ底打ちし緩やかな上りのターンに入ると思われます。
しかしながら、住宅価格の上昇も緩やかになってきており、半年程度で再び下りのターンに入るのではないでしょうかね。

【 米国CPI(住居費)[前年同月比と前月比] 】
米国CPI(住居費)[前年同月比と前月比]

というわけで、今月も気になる4項目を見てみました。
全体的にインフレ率は落ち着いてきている感じがしますね。
5月の雇用統計では平均時給が上昇しており、サービス価格が上昇している可能性もありましたが、価格への転嫁はあまり見られない感じです。

そんな訳で以前コラムで、「前月比+0.165%、概ね3回のうち2回が+0.2%、1回が+0.1%くらいのペースで推移すれば、インフレ率が2%に向かう道筋にあると言えそうだ」ということを述べました。
そこで、米国の中央銀行にあたるFRB(米連邦準備制度理事会)が、インフレ目標の対象にしているコアPCEデフレーター(個人消費支出価格指数)の前月比の Inflation Nowcasting の予測値を見てみます。
5月は+0.10%、6月は+0.21%となっており、この予測値に近い結果が出て7月も+0.2%程度の結果となれば、まさにインフレ率2%に向かう道筋となるわけです。
そして、その後も前月比+0.1%と+0.2%を積み上げていけば、来年2025年の4月には前年同月比は+2.0%となっていることでしょう。

そう、FOMCメンバーが2024年末の見通しを+2.6%から2.8%に上方修正する中、あまのじゃくの筆者はどこよりも早く「インフレ率2%の軌道に乗った」とここに宣言しておきます!

 

ちなみに、管理人ペッパーは経済金融の専門家でもなんでもありません。
信じるか信じないかはあなた次第!
ฅ(=^・^=)

Posted by ペッパー