財価格はデフレ、インフレ率を押し上げてるのは株価上昇による金融サービス!(2025年7月米国PCEデフレーター結果詳細)

コラム,CPI・PPI・PCE

8月29日(金)に7月分の米国PCEデフレーター(個人消費支出価格指数)の発表がありました。
結果は、総合PCEの前月比が+0.2%(市場予想+0.2%)、前年同月比が+2.6%(市場予想+2.6%)、コアPCEの前月比が+0.3%(市場予想+0.3%)、前年同月比が+2.9%(市場予想+2.9%)となり、市場予想と完全に一致しました。

【米国PCEデフレーター[前月比と前年同月比]】 
【米国PCEデフレーター[前月比と前年同月比]】 

 

それでは、その米国PCEデフレーターの中身をもう少し詳しく見ていきたいと思います。

 

PCEデフレーター(サービス)

まずは、構成比2/3のサービス部門です。
前月比では+0.35%(前月:+0.24%)と上昇しています。
前年同月比でも+3.55%(前月:+3.46%)とやや上昇しています。

比重の大きい「住宅」と「ヘルスケア」ですが、前者の前月比は+0.27%(前月:+0.28%)と極僅かに低下し、後者の前月比は+0.20%(前月:+0.42%)と低下しました。

自動車の保守・修理やリースなどの自動車サービスや鉄道や航空などの公共交通機関が含まれる「輸送サービス」の前月比が+0.25%(前月:+0.06%)、会員制クラブ、遊園地、映画、スポーツなどの入場料や動画・音楽のストリーミングサービスなどが含まれる「レクリエーションサービス」の前月比が+0.35%(前月:+0.07%)、「フードサービスと宿泊施設」の前月比が+0.12%(前月:-0.02%)、 「金融サービス」の前月比が+1.21%(前月:+0.38%)、電話・インターネットサービスや教育サービス、法律などの専門サービス、パーソナルケアサービスが含まれる「他のサービス」の前月比が+0.22%(前月:+0.16%)とインフレ率を押し上げました。

他方で、「家庭用光熱費」の前月比が-0.05%(前月:+0.75%)とデータセンターなどの影響で電力が逼迫し電気料金が上がっているエリアもあるようですが、マイナス圏へ低下しインフレ率を押し下げました。

【米国PCEデフレーター(サービス)[前年同月比と前月比]】
【米国PCEデフレーター(サービス)[前年同月比と前月比]】

 

PCEデフレーター(財)

次は、残り1/3を占める財部門です。
前月比では-0.13%(前月:+0.39%)とマイナス圏へ低下しています。
前年同月比でも+0.52%(前月:+0.63%)とやや低下しています。

【米国PCEデフレーター(財)[前月比と前年同月比]】
 【米国PCEデフレーター(財)[前月比と前年同月比]】

 

PCEデフレーター(耐久財)

さらに、財部門の中の耐久財の項目を見てみます。
前月比では-0.11%(前月:+0.47%)とマイナス圏へ低下しています。
前年同月比では+1.13%(前月:+0.94%)と上昇しています。

「自動車および部品 」の前月比が+0.25%(前月:-0.37%)、ジュエリーなどが含まれる「その他耐久財」の前月比が+0.45%(前月:+0.16%)とインフレ率を押し上げました。

他方で、「家具と耐久性のある住宅設備」の前月比が+0.12%(前月:+1.30%)、「娯楽用品および乗り物」の前月比が-0.92%(前月:+0.92%)とインフレ率を押し下げました。

【米国PCEデフレーター(耐久財)[前月比と前年同月比]】
【米国PCEデフレーター(耐久財)[前月比と前年同月比]】

 

PCEデフレーター(非耐久財)

最後は財部門の中の非耐久財の項目です。
前月比では-0.14%(前月:+0.35%)とマイナス圏へ低下しています。
前年同月比でも+0.21%(前月:+0.47%)と低下しています。

「食品・飲料」の前月比が-0.11%(前月:+0.26%)、「衣類・履物」の前月比が+0.02%(前月:+0.45%)、「ガソリンおよびその他のエネルギー製品」の前月比が-1.73%(前月:+0.94%)、医薬品やレクリエーション用品、家庭用品などが含まれる「その他の非耐久財」の前月比が+0.14%(前月:+0.27%)と何れもインフレ率を押し下げました。

【米国PCEデフレーター(非耐久財)[前月比と前年同月比]】
【米国PCEデフレーター(非耐久財)[前月比と前年同月比]】

 

あとがき

以上、PCEデフレーターのサービス部門と財部門を分けて見てみました。
FRBや専門家、市場は関税によるインフレを警戒していますが、財価格の前月比は既にマイナスとなっており、インフレどころかデフレとなっています。
7月セールの影響もありそうですが、関税による価格転嫁でいったん価格が引き上げられた後は、需要の弱さから値下げが進んでいるのではないでしょうかね。
今日発表されたISM製造業景気指数をみても、製造業では関税による混乱やコスト高はまだ続いていて、今後も価格転嫁の動きは起こりそうですが、インフレ率を押し上げるほどの需要の強さはないように思います。

他方で、インフレ率を押し上げているのがサービス価格ということになります。
上記の通り、多くの項目で少しずつ前月比が上昇していて関税の影響を間接的に受けている感じがします。
ただ、大きく上昇しているのは「金融サービス」であって、これは関税ではなく株価の影響を受けての上昇です。
エヌビディアの決算以降、米株も少し上昇機運に陰りが出てきている感もあり、株価の下落がインフレ率を押し下げそうです。
ここまで「悪いニュースは良いニュース」とばかりに、まさに孫悟空もびっくりの身勝手の極意を習得してきた米株トレーダーですが、今週末の雇用統計の結果を受けてどうなりますでしょうかね!?
米国債の利回りとともに米株の動向も要注目となりそうです。

 

ちなみに、管理人ペッパーは経済金融の専門家でもなんでもありません。
信じるか信じないかはあなた次第!
ฅ(=^・^=)

Posted by ペッパー