イラン戦争は米国自身をも攻撃!莫大な戦費で財政悪化が加速!
イランへの攻撃が開始されてから半月以上が経過しましたが、米国防総省は先週、攻撃開始から僅か6日間で約113億ドル(1日当たり約19億ドル)の戦費が投入されたと試算しました。
これは主に「使用された兵器のコスト」に限定されており、実際の軍事作戦にかかる膨大な維持・運用コストは含まれておらず、総費用はこれを遥かに上回ると推測されます。
含まれていない主な費用
艦船の運用・維持費
空母打撃群などの大規模な艦隊を動かし続けるための燃料費や維持費が含まれていません。
海軍の運用だけで1日あたり約1,500万ドルかかると推計されています。
要員の維持費と給与
現地に展開している兵士の給与、危険手当、食費、医療費などの人件費もこの試算からは除外されています。
事前の戦力展開コスト
攻撃開始前に行われた兵器や人員の集結や展開にかかった費用も含まれていません。
損害復旧コスト
イラン側からの報復攻撃によって米軍基地やインフラが受けた損傷の修理費用も計算外です。
追加予算
米国防総省は弾薬備蓄の補充などのため、連邦議会に対し最大500億ドル規模の追加予算を要請する可能性があるとの観測が出ています。
ただ、作戦が4〜5週間継続した場合、最終的な総費用は1,000億ドルほどに達する恐れがあると指摘されていますので、更なる予算の追加もあり得そうです。
2026年度予算
米国議会予算局(CBO)は先月、2026会計年度(2025年10月〜2026年9月)の連邦財政赤字が1兆8,530億ドルに達し、GDPの5.8%に相当するとの予測報告書を発表しています。 これに上述の追加予算500億ドルか1,000億ドル、或いはそれ以上の金額が加わることになり、赤字額は2兆ドル前後まで膨らむことが予想されます。
利払い費対歳入比の主要国比較
米国債の利回りがなかなか低下しない中で、2025年第4四半期年率換算で年間利払い費は1.23兆ドルまで増加し対歳入比では20%前後と、歳入総額の1/5が利払い費に消えてしまうという危機的状況となっています。
【主要国の利払い費対歳入比】
| 国名> | 利払い費対歳入比(推計) | 状況・背景 |
|---|---|---|
| エジプト | 50〜60% | 税収の半分以上が利払いに消える危機的状況 |
| パキスタン / スリランカ | 40〜50% | 国家破綻リスクが極めて高い水準 |
| インド | 25〜30% | 高成長だが債務コストも重い |
| 米国 | 18〜22% | 利払い費が1兆ドルを突破。先進国で最悪水準 |
| 英国 | 10〜13% | 物価連動債の影響で利払い負担が比較的重い |
| 日本 | 7〜9% | 債務残高は最大だが、低金利により利払い負担は抑制 |
| ドイツ / フランス | 3〜5% | 財政規律や比較的低い金利により安定 |
米国の債務対GDP比
米国の2025年第4四半期の債務対GDP比は122.5%となっており、分子にくる「債務」の伸びに対して分母にくる「名目GDP」の伸びが追い付かず、いわゆるワニの口がコロナ禍以降大きく開いてきていることが分かります。
【米国の債務と名目GDP】

あとがき
2月末に開始されたイラン戦争が3週目に突入しました。
先週末にはイランの石油輸出の要所カーグ島の軍事施設をピンポイント爆撃し、海兵隊約5,000人とともに佐世保基地に配備されていた強襲揚陸艦「トリポリ」を中東地域へ追加派遣しました。
制空権を掌握している米軍はここまで空海軍の被害はほとんどなく、損失は最小限に抑えられている感じですが、イランの射程圏内に入ってホルムズ海峡における護衛任務を行うようなら、戦費もより一層嵩んでくるのではないでしょうかね。
さて、この莫大な戦費が米国の予算に計上されますと、来年初頭には41.1兆ドルの債務上限問題がやってきそうです。
大手格付け会社S&Pグローバルは、2011年8月5日に債務上限問題を巡る政治的混乱や財政赤字削減策への不透明感を理由に挙げ、大手3社で初めて米国債を「AAA」から「AA+」へ1段階引き下げました。
それから約15年が経過し、その後も改善が見られず、むしろ悪化しており、この持続不可能な債務問題の解決策が図られないようなら、更なる格下げも考えられるのではないでしょうかね。
その場合には、金融市場では米国売りとなって、ドル円も大きく下げることが予想されます。
イラン戦争後の財政問題に市場の関心がいつ向かうのか、警戒しておく必要があるかもしれません。
ちなみに、管理人ペッパーは経済・金融の専門家でもなんでもありません。
信じるか信じないかはあなた次第!
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