雇用はヘッドラインほど強くない!?(1月米国雇用統計結果詳細)

コラム,雇用統計

11日(水)に1月分の米国雇用統計の発表がありました。
結果は、非農業部門雇用者数が+13.0万人(市場予想+7.0万人)、失業率が4.3%(市場予想4.4%)、平均時給前月比が+0.4%(市場予想+0.3%)、前年同月比が+3.7%(市場予想+3.6%)と、全ての項目で市場予想よりも好結果となりました。

それではその雇用統計の中身をもう少し詳しく見ていきたいと思います。

 

労働年齢人口

まずは、15歳以上の「労働年齢人口」です。 10~12月分のグラフのデータが更新されていませんが、1月は274,982千人(前月:274,816千人)となっており、+166千人(前月:183千人)増加しています。

【 米国労働年齢人口の増減数(人)】 【 米国労働年齢人口の増減数(人)】

 

 

労働力人口

次は、15歳以上のうち就業者と完全失業者を合わせた「労働力人口」です。
1月は171,882千人(前月:171,495千人)となっており、+387千人(前月:-46千人)増加しています。

【 米国労働力人口(千人)】 【 米国労働力人口(千人)】

 

 

労働参加率

3番目は、上記「労働力人口」の割合である「労働参加率」です。
経済指標発表時は小数第一位までしか公表されませんので、小数第二位まで計算して求めてみます。
1月は62.51%(前月:62.40%)と上昇しています。

【 米国労働参加率(%)】 【 米国労働参加率(%)】

 

 

非農業部門雇用者数

4番目は、「非農業部門雇用者数」です。
1月は+130千人(前月:+48千人)と増加幅は大きくなっています。
11月分は改定値から-15千人、12月分は速報値から-2千人、合計で-17千人と下方修正されています。
前年同月比では+0.46%(前月:+0.27%)と上昇しています。

政府部門を除いた民間雇用者数も+172千人(前月:+64千人)と増加幅は大きくなっています。
前年同月比でも+0.23%(前月:+0.11%)と前月から上昇しています。

【 米国非農業部門雇用者数と民間雇用者数(前年同月比)】 【 米国非農業部門雇用者数と民間雇用者数(前年同月比)】

部門別に見てみますと、「医療と社会扶助」が+123.5千人(前月:+48.9千人)と引き続き雇用増に大きく貢献していますが、今回はまさに桁違いに伸びました。
それ以外では「専門サービスおよびビジネスサービス」が+34千人(前月:+15千人)、「建設(工事)」が+33千人(前月:-4千人)など大きめのプラスとなっています。

一方で、「政府」が-42.0千人(前月:-16千人)、「金融」が-22千人(前月:-1千人)、「情報」が-12千人(前月:-2千人)、「輸送および倉庫」が-11.2千人(前月:-1.0千人)など大きめのマイナスになっています。

【 米国非農業部門雇用者数詳細(千人)】 【 米国非農業部門雇用者数詳細(千人)】

 

 

失業率

5番目は「失業率」です。
こちらも経済指標発表時は小数第一位までしか公表されませんので、小数第二位まで計算して求めてみます。
その前に「失業者数」の絶対数を見てみましょう。
1月は7,362千人(前月:7,503千人)で-141千人(前月:-278千人)となっており、減少しています。

【 米国失業者数(千人)】
【 米国失業者数(千人)】

 

失業率も1月は4.28%(前月:4.38%)と低下しています。

【 米国失業率(%)】
【 米国失業率(%)】

 

 

平均時給

最後は「平均時給」です。
1月は前月比が+0.41%(前月:+0.05%)と上昇しています。
前年同月比は+3.71%(前月:+3.73%)と極僅かに低下しています。

【 米国平均時給 [前月比と前年同月比](%)】
【 米国平均時給 [前月比と前年同月比](%)】

 

 

あとがき

というわけで、雇用に関連する6つの項目を見てみました。
1月分は、全ての項目で市場予想よりも好結果となるポジティブサプライズとなりました。
ただ雇用増の中身を見てみますと、「医療と社会扶助」が+12.35万人と全体の+13万人とほぼ同数であり、毎月下方修正されることを鑑みますと、この部門を除いたその他の合計数はむしろマイナスという状態ではないでしょうかね。
「医療と社会扶助」は慢性的な人手不足ですが、米連邦政府による社会保障費の削減が始まっていますので、将来的には病院経営の悪化により統廃合が進んで、雇用増を引っ張ってきたこの部門も鈍化してくる可能性はありそうです。

その他では、やはりAIバブルによるデータセンターやそれに付随する電力などのインフラへの投資が活況ですので、「建設」部門の雇用需要は堅調そうです。

一方で、アマゾンが1月末に1.6万人の人員削減を発表するなど、「情報」や「金融」部門などで、AI導入による人員削減も進んでいそうです。
政府部門も引き続き人員削減に動いており、雇用増の足を引っ張っています。

というわけで、ヘッドラインほど米国の雇用情勢は強くないのではという気がしますね。

 

ちなみに、管理人ペッパーは経済・金融の専門家でもなんでもありません。
信じるか信じないかはあなた次第!
ฅ(=^・^=)

Posted by ペッパー