3か月連続で上昇した失業率、足もと11月は4.6~4.7%まで上昇か!?(9月米国雇用統計結果詳細)

コラム,雇用統計

20日(木)に9月分の米国雇用統計の発表がありました。
結果は、非農業部門雇用者数が+11.9万人(市場予想+5.3万人)、失業率が4.4%(市場予想4.3%)、平均時給前月比が+0.2%(市場予想+0.3%)、前年同月比が+3.8%(市場予想+3.7%)と、非農業部門雇用者数と平均時給前年同月比が市場予想を上振れ、失業率と平均時給前月比が下振れるというマチマチな結果となりました。

それではその雇用統計の中身をもう少し詳しく見ていきたいと思います。

 

労働年齢人口

まずは、15歳以上の「労働年齢人口」です。
9月分のグラフのデータが更新されていませんが、9月は274,226千人(前月:274,001千人)となっており、前月からは+225千人(前月:+216千人)増加しています。

【 米国労働年齢人口の増減数(人)】
【 米国労働年齢人口の増減数(人)】

 

労働力人口

次は、15歳以上のうち就業者と完全失業者を合わせた「労働力人口」です。
9月は171,248千人(前月:170,778千人)と前月から+470千人(前月:+436千人)増加しています。

【 米国労働力人口の増減数(千人)】
【 米国労働力人口の増減数(千人)】

 

労働参加率

3番目は、上記「労働力人口」の割合である「労働参加率」です。
経済指標発表時は小数第一位までしか公表されませんので、小数第二位まで計算して求めてみます。
9月は62.45%(前月:62.33%)と上昇しています。

【 米国労働参加率(%)】
【 米国労働参加率(%)】

 

非農業部門雇用者数

4番目は、「非農業部門雇用者数」です。
9月は+119千人(前月:-4千人)と前月の減少から増加へと転じました。
前月分は速報値から-26千人、前々月分は改定値から-7千人、合計で-33千人と下方修正されています。

政府部門を除いた民間雇用者数は+97千人(前月:+18千人)と前月から増加幅が大きくなりました。
前月分は速報値から-20千人、前々月分は改定値から-21千人、合計で-41千人と下方修正されています。

【 米国非農業部門雇用者数と民間雇用者数の増減数(千人)】
【 米国非農業部門雇用者数と民間雇用者数の増減数(千人)】

 

部門別に見てみますと、「医療と社会扶助」が+57.1千人(前月:+46.8千人)と引き続き雇用増に大きく貢献しています。
次いで「レジャーとホスピタリティ」が+47千人(前月:+32千人)、「政府」が+22千人(前月:-22千人)、「建設業(工事)」が+19千人(前月:-14千人)「小売業」が+13.9千人(前月:+3.2千人)と大きなプラスになっています。

一方で、「輸送および倉庫」が-25.3千人(前月:+2.5千人)、「臨時雇用サービス 」が-15.9千人(前月:-10.1千人)、「製造業」が-6千人(前月:-15千人)などマイナスになっています。

【米国非農業部門雇用者数詳細】
 【米国非農業部門雇用者数詳細】

 

失業率

5番目は「失業率」です。
こちらも経済指標発表時は小数第一位までしか公表されませんので、小数第二位まで計算して求めてみます。
その前に「失業者数」の絶対数を見てみましょう。
9月は7,603千人(前月:7,384千人)と前月から+219千人(前月:+148千人)増加しました。

【 米国失業者数(千人)】
【 米国失業者数(千人)】

 

失業率も9月は4.44%(前月:4.32%)と上昇しています。

【 米国失業率(%)】
【 米国失業率(%)】

 

平均時給

最後は「平均時給」です。
9月は前月比が+0.25%(前月:+0.41%)と低下しました。
前年同月比も+3.80%(前月:+3.83%)と僅かに低下しました。

【 米国平均時給 [前月比と前年同月比](%)】
 【 米国平均時給 [前月比と前年同月比](%)】

 

 

あとがき

というわけで、雇用に関連する6つの項目を見てみました。
まず気になるのは、3か月連続で上昇した失業率ですかね。
失業者数もやや加速しながら増えてきています。
10月分は労働統計局の一時閉鎖の影響でデータを収集できていないため雇用統計の発表はありませんが、10月はチャレンジャー人員削減数が急増した月で、11月もここまで多くの企業が人員削減を発表しており、9月の失業率は4.44%とほぼ4.5%でしたので恐らく足もと11月の失業率は4.6~4.7%くらいまで上昇しているのではないでしょうか。

一方で、非農業部門雇用者数の伸びは堅調でした。
毎月大きく雇用を増やしている「医療と社会扶助」に加え、好調な「レジャーとホスピタリティ」、データセンター需要などで「建設業」、年末商戦に向けた「小売業」が好調でした。
ただ、相変わらず前月・前々月と下方修正されており、今月分も失業率との整合性を考えますと次回以降に下方修正される可能性は高そうです。
他方で「輸送および倉庫」の雇用者数は大きく減少しました。
アマゾンの人員削減は10月末からですので、次回も厳しいセクターになるのではないでしょうか。

AIブームにより株価は堅調に推移していましたが、データセンターが建つまでは建設業の雇用に貢献している感じですけれども、できてしまえば数千億ドルを投じても僅か数百人程度の雇用しか生まれません。
巨額の投資費用によりコスト削減の必要性に迫られ雇用を減らしたり、作業の効率化や代替により文字通りAIは雇用を奪っている可能性もありそうです。

米株やビットコインなどの仮想通貨の価格が10月以降下落基調となっています。
ここまで米国の個人消費を引っ張ってきた大きな要因の1つが崩れてきていますので、米国経済も少し減速していくのではないでしょうかね。
さらに、12月FOMCで利下げが実施されないとなれば、米国経済はより一層の減速もしくは後退に向かうのではないでしょうか。

 

ちなみに、管理人ペッパーは経済・金融の専門家でもなんでもありません。
信じるか信じないかはあなた次第!
ฅ(=^・^=)

Posted by ペッパー