インフレ下押しの主因が弱まる中、FOMCで事実上金融緩和決定!予想通りFRBは三たび利上げに追い込まれる!?(11月米国CPI結果詳細)

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今週12日(火)に11月分の米国CPI(消費者物価指数)の発表がありました。
結果は総合CPIの前月比だけが0.1ポイント市場予想を上回りましたが、翌日のFOMC(米連邦公開市場委員会)での結果発表がハト派寄りとなったため、ドル円や米国債利回りが急落したことにより、すっかり影が薄くなってしまいましたね。

それでは毎月恒例ですが、その米国CPIの中身をもう少し詳しく見ていきたいと思います。

【 11月米国CPI(項目別詳細)】
11月米国CPI(項目別詳細)

 

グラフ一番右の列の前年同月比を見てみますと、まず目につくのが-24.8%の「燃料油」の項目ですね。
原油価格の急落が原因で、前月比でも-0.8%(10月) → -2.7%(11月)へとマイナス幅が大きくなっています。
「ガソリン」も前年同月比-8.9%、前月比-6.0%とインフレ率を大きく押し下げています。

そして、同じ「エネルギー」の項目にある「公共ガスサービス」も-10.4%と大きなマイナスとなっていますが、こちらは先々月指摘した通り、9月分(-19.9%)で底を打ったと思われ上昇に転じており、前月比では2か月連続でプラス圏となり上昇幅も大きくなっています。

原油価格は先月指摘した通り、60ドル台へと突入してきており、当面上値の重い展開が続きそうです。

【 WTI原油価格(月足)】
WTI原油価格(月足)

「エネルギー」の項目では、ベース効果もあって今年2023年6月を底に来年2024年の5月頃までは緩やかな上昇になるのではないでしょうかね。

【 米国CPI(エネルギー)[前年同月比] 】
米国CPI(エネルギー)[前年同月比]

 

次に気になるのが、前年同月比+10.1%、前月比+1.1%の「輸送サービス」の項目です。
この項目内の「自動車保険」が前年同月比+19.2%、前月比+1.0%、「自動車の保守・修理」が前年同月比+8.5%、前月比+0.3%とインフレ率を押し上げていますが、前月比が落ち着いた動きになってきていますので、徐々に鈍化していくのではないでしょうかね。

【 米国CPI(輸送サービス)[前年同月比] 】
米国CPI(輸送サービス)[前年同月比]

 

3番目は、前年同月比-3.8%、前月比+1.6%の「中古車とトラック」の項目です。
コロナ禍で急騰した価格の反動と自動車ローン利率の上昇が影響して下落基調が続いていましたが、今年2023年2月に底打ちして持ち直してきています。
金利が低下してローン利率が下がってきていますので、需要が喚起され、ベース効果もあってプラス圏に浮上してきそうですね。

【 米国CPI(中古車とトラック)[前年同月比] 】
米国CPI(中古車とトラック)[前年同月比]

 

4番目は、前回初めて取り上げた前年同月比-0.9%、前月比+0.6%の「医療サービス」の項目です。
ここ数か月やや上昇傾向となっているという話をしましたが、今回11月分も大きく上昇しています。
前回から医療保険の算出方法が変更されましたので、その影響も出ているのでしょうね。

【 米国CPI(医療サービス)[前年同月比] 】
米国CPI(医療サービス)[前年同月比]

 

最後が前年同月比+6.5%、前月比+0.4%の「シェルター(住居費)」の項目です。
前回、前月比では+0.3%が底だろうと指摘していましたが、今月は+0.4%へと上昇しています。
前年同月比では来年2024年5月くらいまでは緩やかに下落基調が続くと推測されますが、足もとローン利率が下がって住宅需要が盛り返してきています。
さて、このままのペースでコロナ禍前の水準3%台前半に戻れるのでしょうかね!?

【 米国CPI(住居費)[前年同月比] 】
米国CPI(住居費)[前年同月比]

 

というわけで、今月も前回と同じ5項目を見てみました。
インフレへの下押し圧力は原油だけが頼りって感じがしますね。
ただ、その原油価格も60ドル台まで下がってきましたので、これ以上の下落余地はほとんどないかもしれません。

また、Inflation Nowcasting を見てみますと、次回12月分の米国CPIの予測値は、総合CPIで前年同月比+3.38%、前月比+0.36%と今回の11月分と比べて強い数値を示しており、コアCPIで前年同月比+3.93%、前月比+0.33%と今回の11月分と比べてほぼ変わらずとなっています。

そして何といっても12月FOMCで米国債利回りが急落してしまいました。
事実上の金融緩和です。
来年2024年は可処分所得の減少等により個人消費が落ち込むことは確実ですが、現状ではインフレ抑制的なレベルとは思えませんが・・・。
12月FOMCに関してはまた改めて記事にしたいと思います。

 

ちなみに、管理人ペッパーは経済金融の専門家でもなんでもありません。
信じるか信じないかはあなた次第!
ฅ(=^・^=)

Posted by ペッパー