予定通り市場や専門家、FRBによるミスリードを回収!(7月米国雇用統計結果詳細)

コラム,雇用統計

1日(金)に7月分の米国雇用統計の発表がありました。
結果は、非農業部門雇用者数が+7.3万人(市場予想+10.6万人)、失業率が4.2%(市場予想4.2%)、平均時給前月比が+0.3%(市場予想+0.3%)、前年同月比が+3.9%(市場予想+3.8%)と、非農業部門雇用者数は市場予想を下振れ、平均時給の前年同月比は上振れる結果となりました。

それではその雇用統計の中身をもう少し詳しく見ていきたいと思います。

 

労働年齢人口

まずは、15歳以上の「労働年齢人口」です。
7月分のグラフのデータが更新されていませんが、7月は273,785千人(前月:273,585千人)となっており、前月からは+200千人(前月:+200千人)増加しています。

【 米国労働年齢人口の増減数(人)】
【 米国労働年齢人口の増減数(人)】

 

労働力人口

次は、15歳以上のうち就業者と完全失業者を合わせた「労働力人口」です。
7月は170,342千人(前月:170,380千人)と前月から-38千人(前月:-130千人)と減少幅は小さくなったものの3か月続けての減少です。

【 米国労働力人口の増減数(千人)】
【 米国労働力人口の増減数(千人)】

 

労働参加率

3番目は、上記「労働力人口」の割合である「労働参加率」です。
経済指標発表時は小数第一位までしか公表されませんので、小数第二位まで計算して求めてみます。
7月は62.22%(前月:62.28%)と、僅かですがこちらも3か月続けての低下です。

【 米国労働参加率(%)】
【 米国労働参加率(%)】

 

非農業部門雇用者数

4番目は、「非農業部門雇用者数」です。
7月は+73千人(前月:+14千人)と雇用者数の伸びは前月から大きく増加しました。
前月分は速報値から-133千人、前々月分は改定値から-125千人修正されています。

政府部門を除いた民間雇用者数は+83千人(前月:+3千人)と雇用者数の伸びは前月から大きく増加しました。
前月分は速報値から-71千人、前々月分は改定値から-68千人修正されています。

【 米国非農業部門雇用者数と民間雇用者数の増減数(千人)】
【 米国非農業部門雇用者数と民間雇用者数の増減数(千人)】

 

部門別に見てみますと、「医療と社会扶助」が+73.3千人(前月:+59.0千人)と引き続き雇用増に大きく貢献しています。
次いで「小売業」が+15.7千人(前月:-14.3千人)、「金融」が+15千人(前月:-2千人)と大きなプラスになっています。

一方で、「専門・ビジネスサービス」が-14千人(前月:-11千人)、「製造業(非耐久財)」が-11千人(前月:-2千人)、「政府」が-10千人(前月:+11千人)などマイナスになっているところもあります。

【米国非農業部門雇用者数詳細】
【米国非農業部門雇用者数詳細】

 

失業率

5番目は「失業率」です。
こちらも経済指標発表時は小数第一位までしか公表されませんので、小数第二位まで計算して求めてみます。
その前に「失業者数」の絶対数を見てみましょう。
7月は7,236千人(前月:7,015千人)と前月から+221千人(前月:-222千人)となり、増加しました。

【 米国失業者数(千人)】
【 米国失業者数(千人)】

 

失業率も7月は4.25%(前月:4.12%)と上昇しています。

【 米国失業率(%)】
【 米国失業率(%)】

 

平均時給

最後は「平均時給」です。
7月は前月比が+0.33%(前月:+0.25%)とやや上昇しました。
前年同月比も+3.91%(前月:+3.77%)と上昇しました。

【 米国平均時給 [前月比と前年同月比](%)】
 【 米国平均時給 [前月比と前年同月比](%)】

 

あとがき

というわけで、雇用に関連する6つの項目を見てみました。
まずは非農業部門雇用者数ですが、FX相場予想でも指摘した通り、やはり弱い結果となり、さらには前月、前々月も大きく下方修正されることとなりました。
今回7月分は前月から大きく増加していますが、新学期商戦や上乗せ関税発動前の駆け込み需要による「小売業」の増加が寄与したと見られ、一時的な可能性があります。
平均時給も「小売業」の前月比は+1.18%と急上昇しており、指数を押し上げています。

そして少し気になるのが、労働力人口の減少と労働参加率の低下です。
通常でしたら人件費の上昇要因となるところですが、やはり雇用への需要は弱いんでしょうね。

さて、パウエルFRB議長の「雇用は堅調」という認識により政策金利据え置きを決定した7月FOMCでしたが、その直後に過去2か月分も含め低調な結果が示された雇用統計となりました。
ここ数か月分の雇用統計の中身をちゃんと精査していれば、今回の結果もそれほどサプライズではないのですが、市場や専門家、そしてFRBのミスリードによって楽観相場となっていた分、米国債利回りやドル円、株価など急落しました。
見事ミスリードを回収したといった感じです。
その点、雇用悪化を懸念し反対票を投じたボウマンFRB副議長やウォラー理事は、Dr.STONE 的に言えば「ちゃんとしてる」と言えそうです。(笑)

ただ、米株市場はだいぶ戻しており楽観相場が続いてますので、まだ利下げはすべきでないという気がします。
というよりも、株価が好調なうちに財政支出をもっと削らないとダメですね。
そして株価が下落したところで利下げを実施するという形じゃないと、いつまで経ってもデフォルトの危機から脱出できないと思います。
でもトランプ政権では無理かな~!?

今後は、より遅行指標である解雇やレイオフなどの雇用指標に注視しておいた方がいいかもしれません。



ちなみに、管理人ペッパーは経済・金融の専門家でもなんでもありません。
信じるか信じないかはあなた次第!
ฅ(=^・^=)

Posted by ペッパー