トランプ政権に対する専門家や市場の予想は的外れか!?

物価・インフレ,コラム,経済・景気・株価,米国債

第二次トランプ政権が発足してから半月ほど経過しましたが、これまで政治や経済・金融の専門家、ノーベル賞受賞の学者までもがトランプ大統領が誕生したならば、関税や不法移民強制送還による人件費高騰で物価は上昇し、減税などによって財政赤字はより拡大すると警告をしてきました。
そして米国債市場では、それらを織り込む形で大統領選投票日の1か月ほど前から売りを仕掛け、ドル円も連動する形で上昇してきました。
しかしながら、あまのじゃくの筆者は、その実現性や影響に疑問を持ち、追加関税はごく一部、不法移民強制送還では人件費高騰よりも経済悪化による物価下押し、減税は2026年で規模も小さいものと予想してきました。

トランプ政権が発足して日はまだ浅いですが、ここでインフレや財政に与える影響を少し早めに検証してみたいと思います。

 

関税

就任当日から輸入品一律に賦課するのではと予想されていた関税は見送られ、2月1日に発動したメキシコとカナダへの25%の関税は1か月猶予され、4日にようやく中国に対して10%の追加関税が実施されました。
ただ、これも中国の習近平国家主席との会談が近日予定されていることから、追加関税を取り下げる可能性も高そうです。
たとえ取り下げなくても、米国の輸入相手国で中国のシェアは15%前後ですから、輸入量が減少することも加味すると輸入物価を1%程度押し上げる効果はありそうですが、国産品も含めた全体の物価で見ると極僅かな押し上げ効果しかないように思います。

その他ではシェア20%前後のEUにも関税が賦課される可能性がありそうですが、最終的には取り下げる方向で交渉が進むのではないでしょうかね。

そして日本はというと、ソフトバンクGによる米国への巨額投資や故安部総理の親密外交のおかげかもしれませんが、今のところ関税が賦課されるといった話は出ていません。
7日には日米首脳会談が開催されますが、石破総理はLNG(液化天然ガス)の売買契約を締結してくるのではないでしょうかね。
トランプ大統領が切望する貿易赤字も削減でき、市場価格の押し下げも可能となり、日本側も使えない武器や市場に出回らない米を大量に買わされるよりは、よっぽどマシな気がします。
ただ米国産シェールオイルに関しては、中東の原油と質が異なり価格も高いので日本では扱いにくいと思われ、見送られるのではないでしょうか。

よって、関税に関してはまだ不確かな面もありますが、米国内の物価を大きく押し上げるほどの効果はないように感じます。

 

不法移民強制送還

トランプ大統領就任直後から、大掛かりな不法移民の取り締まり及び強制送還が始まりましたが、ICE(移民・関税執行局)のSNSを見てみますと、今もなお毎日2,000人弱が逮捕または拘束されています。
当然この中には職に就いていたり、職探しをしていたりと労働力人口としてカウントされていた人も少なからずいたと思いますが、逮捕・拘束されたことによって、その分労働力の供給がマイナスとなるわけです。
しかしながら以前記事でも書きましたが、不法移民に寛容な聖域都市と呼ばれるシカゴなどの街では逮捕を恐れて身を潜める人が増え、街は閑散としてしまってるようで、逮捕・拘束された人たちの人口減に加え、新たな移民の数も増えないとなると地域経済は悪化し労働力の需要も減ってくると思われます。

よって、労働力の供給減は需要減で相殺されて人件費は高騰せず、インフレ率押し上げには至らないという気がします。

 

財政赤字

米国債の利回りは、トランプ政権でのインフレ再燃や米国債の需給悪化への懸念から大統領選投票日の1か月ほど前から上昇傾向となっています。

ただ、トランプ政権ではマスク氏率いる政府効率化省(DOGE)が新たに発足し、財務長官には歳出削減派のベッセント氏が就任しており、既に幾つものアクションを起こしています。

まずは、連邦政府職員の大規模なリストラです。
早期退職プログラムやこれに応じない職員に対する解雇等により大幅な人員削減を実施する見通しとなっています。
対外援助を行う米国際開発局(USAID)も閉鎖し、多様性に携わる部門も廃止され、連邦政府職員の新規採用凍結も発表されています。

その他、EV(電気自動車)関連への資金支出を停止したり、脅しが効いたのか米国政府船舶のパナマ運河通航料が無料になるようです。(笑)
良し悪しは別として、歳出はむしろかなり縮小されるように思われます。

他方、歳入面では不透明でありながらも、関税が新たに賦課されればその分増収となります。
また、原油や天然ガスの掘削に連邦政府の土地を利用できるよう規制緩和をするため、相当の収入が見込めると思われます。

 

あとがき

というわけで、3項目に分けて見てみましたが、やはり冒頭で述べたようなトランプ政権に対する専門家や市場の予想は的外れかなという気がします。

一方で、連邦政府職員を大量解雇すれば失業者は増え景気は悪化することになり、関税や移民問題もやはり景気にはマイナスだと思われます。
税収も落ち込むことでしょう。
その時、トランプ大統領が減税や財政出動を伴う景気対策をどれくらいするのかということにかかってきそうです。
もし大盤振る舞いして過剰な景気対策をするようだと、大方の予想通り財政赤字は拡大してしまうと思います。
FRB(米連邦準備制度理事会)には、まだ十分な利下げ余地があるので、トランプ大統領は何もしなくていいと思うんですけどね。
万が一、米国債利回りが跳ね上がるようなことになってしまったら、それは米国経済の終わりの始まりになるかもしれません。

 

ちなみに、管理人ペッパーは経済・金融の専門家でもなんでもありません。
信じるか信じないかはあなた次第!
ฅ(=^・^=)

 

Posted by ペッパー