米国CPIと小売売上高の下振れでドル円は大きく下落!来週のFX相場予想(2025年7月14日~)
来週のFXドル円相場予想
予想レンジ:148.5 ー 143.5円
週間では「大きく下落」と予想します。
根拠としては3つ。
1つ目は、米国CPIは市場予想を下振れると予想。(ドル安円高要因
)
15日(水)に6月分の米国CPI(消費者物価指数)が発表されます。
毎月恒例ですが、Inflation Nowcasting を見てみますと、米国CPIの予測値はコアCPIの前月比で市場予想を下振れ、前年同月比では上振れています。
筆者が独自に計算した「前月比に応じた前年同月比の予測値」では、市場予想通り総合CPIとコアCPIの前月比がそれぞれ+0.3%となった場合、前年同月比はそれぞれ+2.7%、+3.0%となり、市場予想を上振れます。
筆者の予想としましては、
①6月のWTI原油価格はイスラエルとイランの戦争が勃発したことで13日には77.57ドルの高値を付けるなど急騰したが、24日には一転して64.03ドルの安値を付けるなど急落した。
他方で、6月の全米全グレード平均ガソリン価格は1ガロン3.276ドル(前月:3.278ドル)と前月からやや下落した。
②6月分のISM製造業・非製造業価格指数は製造業では前月から極僅かに上昇、非製造業では下落していた。
③比重の大きい住居費を含めたサービス価格は鈍化してきている。
④CPIでの比重が割と大きい新車の6月販売台数は振るわず、トヨタは7月からの値上げを公表している。
などの理由により、トランプ関税の価格転嫁への動きにより物価はある程度押し上げられそうですが、構成比の大きいサービス価格の鈍化傾向や財価格に於いても関税以外のところでは鈍化、もしくはデフレ基調となっていますので、市場予想ほど強めの結果にはならず、Inflation Nowcasting の予測値に近い結果になるのではという気がします。
ただ、市場予想の前年同月比は低めの予想となっていますので、四捨五入の関係で上振れる可能性もありそうです。
よって、結果は市場予想を下振れ、指標発表時ドル円は下落すると予想します。
翌日には米国PPI(生産者物価指数)の発表もありますので、そちらも要注目となりそうです。
| 総合CPI (%) | コアCPI (%) | |||
|---|---|---|---|---|
| 前月比 | 前年同月比 | 前月比 | 前年同月比 | |
| 市場予想 | 0.3 | 2.6 | 0.3 | 2.9 |
| Inflation Nowcasting | 0.25 | 2.64 | 0.23 |
2.95 |
| 前月比に応じた予測値 | 0.20 | 2.58 | 0.20 | 2.88 |
| 0.30 | 2.69 |
0.30 | 2.98 |
|
2つ目は、米国経済指標は全体的に悪化傾向と予想。(ドル安円高要因
)
来週発表予定の米国経済指標は、7月分ではニューヨーク連銀製造業景気指数、フィラデルフィア連銀製造業景気指数、NAHB住宅市場指数、ミシガン大学消費者信頼感指数速報値、6月分では小売売上高、鉱工業生産、輸出入物価指数、住宅着工件数、年8回のベージュブック(米地区連銀経済報告)、週次の新規失業保険申請件数などがあります。
その他、FOMCメンバーによる講演などでの発言機会もあります。
まずは小売売上高ですが、市場予想は総合の前月比が+0.2%(前月:-0.9%)、コアの前月比が+0.3%(前月:-0.3%)となっており、前月のマイナス圏からの上昇が見込まれています。
ただ、上述の通りCPIの前月比は+0.3%予想ですので実質では全く伸びておらず、個人消費の弱さが感じられます。
先日コラムでも書きましたが、今年前半は社会保障給付金の一時金などにより個人所得が大幅に伸びていましたが、5月にはその効果が剥離し前月比で-0.42%と大きく低下しています。
よって、前月がかなり弱く反動増も期待できそうですが、この6月の小売売上高も相当弱いのではという気がします。
ミシガン大学消費者信頼感指数速報値では、9日の期限は再び延期されたものの上乗せ関税が発表されたため期待インフレ率は上昇、逆に信頼感は下落といった結果になるのではないでしょうかね。
その時の市場のモメンタムに左右されそうでドル円の値動きは読みにくいですが、CPIや小売売上高の結果と同じ方向へ動きそうな気もします。
その他、製造業や住宅関連も高い金利水準と関税によりまだまだ低調な感じがします。
新規失業保険申請件数は、直近4週間で市場予想を下振れるなど減少傾向が続いています。
一方で継続申請件数に於いては、今週は下振れましたが増加傾向となっています。
また7月は、マイクロソフト、インテル、インディードなどテック企業でのレイオフも発表されており、AI事業に関する再編などが雇用に影響を与えている感じです。
「解雇も少ないが新規採用も少ない」といった状態はまだ継続している感じです。
よって、結果は全体的に悪化傾向と思われ、結果発表時ドル円は下落すると予想します。
3つ目は、テクニカル分析では下落と予想。(ドル安円高要因
)
ドル円日足チャートを見ますと、今週のドル円は週明け月曜日からボリンジャーバンドのミッドバンドや一目均衡表の雲を一気に上抜けるほど急上昇し、火曜日以降も146円台後半にあったボリンジャーバンドの+2σをややオーバーシュートする位置まで上昇し上値を伸ばしました。
一旦はこの+2σがレジスタンス(上値抵抗線)として働き反落するも、週末金曜日には147.25円付近にあった+2σを超えて上昇し、最終的にはこのラインを超えた147.40円でクローズしました。
RSIは63.06と買われ過ぎの水準である70までは余裕があり、もう少し上値余地はありそうです。
来週前半は騰勢を強め、直近高値の148.02や5月の高値148.64あたりがターゲットとなりそうですが、後半は下落していくと予想します。
他方、週足では145.8円付近に位置していたボリンジャーバンドのミッドバンドを上抜けて上昇しました。
150.7円付近には+2σがあり、これを目指しそうな雰囲気はありますが、もう少しミッドバンドの攻防戦が続くと予想します。
したがって、総合的に判断すると来週のFXドル円相場予想は、チャート上のオレンジの矢印のような感じで推移すると予想します。
あとがき
今週からまた延期されていた各国の上乗せ関税分がトランプ大統領によって続々と発表されています。
米国債はやや売られて利回りは上昇しましたが、米株はTACO(トランプはいつもビビってやめる)を織り込んで週間ではほぼ横ばいで終えています。
ただ、ビビってやめるためには米国債や米株の急落が必要です。
なので、ちょっと矛盾した相場になっている感じがします。(笑)
他方、米ドルは買われ、そして円は大きく売られました。
トランプ関税の影響により日銀の利上げ観測の後退や参院選での与党敗戦・野党躍進により財政悪化を懸念した円売りが出ているようです。
ただ、ドル円はやっぱり米国経済次第ということで、来週は重要指標も控えていることから、結果を受けて動意付くことが予想されます。
現在は大統領選前後のような楽観相場になっていますが、今回も少しミスリードのように感じられます。
上記で示した矛盾の通り、結局は「株価が急落するまで関税はやめない」ということになり、遅かれ早かれ株価は下落することになるのではないでしょうかね。
そうなってきますと、米国債の利回りに連動するドル円ですが、やはり下落していく流れになるのではないでしょうか。
ちなみに、管理人ペッパーは経済・金融の専門家でもなんでもありません。
信じるか信じないかはあなた次第!
ฅ(=^・^=)
【ドル円日足チャート未来予想図】