来年の利下げは1回や2回では済まない!?(11月米国PCEデフレーター結果詳細)
20日(金)に11月分の米国PCEデフレーター(個人消費支出価格指数)の発表がありました。
結果は、総合PCEの前月比が+0.1%(市場予想+0.2%)、前年同月比が+2.4%(市場予想+2.5%)、コアPCEの前月比が+0.1%(市場予想+0.2%)、前年同月比が+2.8%(市場予想+2.9%)となり、4項目全てで市場予想を下振れました。
【米国PCEデフレーター[前月比と前年同月比]】 ![【米国PCEデフレーター[前月比と前年同月比]】](https://fx-osusume.pepper.jp/wordpress/wp-content/uploads/2024/12/column396.webp)
それでは、その米国PCEデフレーターの中身をもう少し詳しく見ていきたいと思います。
PCEデフレーター(サービス)
まずは、構成比2/3のサービス部門です。
前月比では+0.17%(前月:+0.36%)と低下しています。
前年同月比も+3.78%(前月:+3.87%)と低下しています。
比重の大きい「住宅」と「ヘルスケア」ですが、前者の前月比は+0.23%(前月:+0.37%)と低下し、後者の前月比も+0.17%(前月:+0.24%)と低下し、インフレ率を押し下げました。
その他では、自動車サービスや公共交通機関などが含まれる「輸送サービス」の前月比が-0.50%(前月:+0.55%)と大きくマイナスに転じており、レンタカーや航空輸送の大幅なマイナスが主な要因となっています。
携帯電話サービスやインターネットサービスが含まれる「コミュニケーション」の前月比も-1.03%(前月:-0.69%)とマイナス幅を拡げています。
一方で、ホテルやモーテルが含まれる「宿泊施設」の前月比が+2.97%(前月:+0.38%)と大きく上昇しておりインフレ率を押し上げました。
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PCEデフレーター(財)
次は、残りの1/3を占める財部門です。
前月比では+0.04%(前月:-0.06%)とプラス圏に上昇しています。
前年同月比でも-0.39%(前月:-0.98%)とマイナス幅を縮めています。
【米国PCEデフレーター(財)[前月比と前年同月比]】![【米国PCEデフレーター(財)[前月比と前年同月比]】](https://fx-osusume.pepper.jp/wordpress/wp-content/uploads/2024/12/column398.webp)
PCEデフレーター(耐久財)
さらに、財部門の中の耐久財の項目を見てみます。
前月比では+0.04%(前月:+0.06%)と極僅かですが低下しています。
前年同月比では-1.10%(前月:-1.62%)と6か月連続でマイナス幅を縮めています。
「自動車および部品 」の前月比が+0.65%(前月:+0.86%)とプラス幅を縮めましたが、財部門の中では高いインフレ率となっています。
その他は概ねデフレ状態となっています。
【米国PCEデフレーター(耐久財)[前月比と前年同月比]】
PCEデフレーター(非耐久財)
最後は財部門の中の非耐久財の項目です。
前月比では+0.04%(前月:-0.12%)とプラス圏に上昇しています。
前年同月比でも-0.02%(前月:-0.64%)とマイナス幅を縮めています。
「ガソリンおよびその他のエネルギー製品」の前月比が+0.48%(前月:-1.02%)、「食品・飲料」の前月比が+0.25%(前月:+0.02%)、「衣類と履物」の前月比が+0.11%(前月:-1.39%)とインフレ率を押し上げています 。
一方で、医薬品や新聞・雑誌などの「その他の非耐久財」の前月比が-0.27%(前月:+0.38%)とインフレ率を押し下げています。
【米国PCEデフレーター(非耐久財)[前月比と前年同月比]】![【米国PCEデフレーター(非耐久財)[前月比と前年同月比]】](https://fx-osusume.pepper.jp/wordpress/wp-content/uploads/2024/12/column400.webp)
あとがき
というわけで、PCEデフレーターのサービス部門と財部門を分けて見てみました。
今回11月分もハリケーン被害による買い替え需要やトランプ関税前の駆け込み需要もあり「自動車」が上昇しました。
「宿泊施設」も異常値といえるくらい上昇しています。
それにもかかわらず、前月比では総合で+0.13%、コアで+0.11%と弱いインフレ率になっています。
やはり、比重の大きい「住宅」と「ヘルスケア」が鈍化傾向となっていることや、これまでインフレ率を押し上げてきた「輸送サービス」が鈍化・デフレ気味に推移し始めたことが大きく影響している感じです。
そして現在、米国債の利回りは10年物で昨日4.63%を付けるなど高水準での推移が続いており、12月、1月辺りも相当インフレ率を押し下げる、もしかすると前月比で0%前後まで低下するのではないかと思われます。
来年1月にはトランプ大統領が再登板することになりますが、関税も対米貿易黒字国に米国製品を買わせるためのブラフであって、追加関税はごく一部に過ぎないのではという感じがします。
減税も施行は恐らく再来年の2026年になるはずです。
不法移民対策も予算が必要ですので、議会での審議や法的・人道的な観点から少し時間がかかるのではないでしょうかね。
逆に早く取り掛かるのが、原油や天然ガス掘削に関する規制緩和、EV(電気自動車)や再生可能エネルギーなどへの補助金撤廃、ウクライナ問題解決への取り組みなどと思われます。
これらを勘案しますと来年2025年の米国経済・物価動向に関して、FRB(米連邦準備制度理事会)や専門家、市場はインフレ再燃を強く警戒していますが、あまのじゃくの筆者はむしろインフレ率は低下していくと予想します。
12月FOMC(米連邦公開市場委員会)では来年の利下げ回数を4回から2回へとタカ派寄りに軌道修正され、市場では来年5月に1回限りの利下げを予想していますが、筆者的には到底こんな回数では済まないのではないかという気がしています。
ちなみに、管理人ペッパーは経済金融の専門家でもなんでもありません。
信じるか信じないかはあなた次第!
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