雇用者数の伸びは風前の灯火か!?(8月米国雇用統計結果詳細)

コラム,雇用統計

6日(金)に8月分の米国雇用統計の発表がありました。
結果は、非農業部門雇用者数が+14.2万人(市場予想+16.4万人)、失業率が4.2%(市場予想4.2%)、平均時給前月比が+0.4%(市場予想+0.3%)、前年同月比が+3.8%(市場予想+3.7%)とマチマチな結果となりましたが、非農業部門雇用者数が過去2か月分も大きく下方修正されたことも材料視され、ドル円は指標発表後上下に振幅するも最終的には大きく下落しました。

それではその雇用統計の中身をもう少し詳しく見ていきたいと思います。

 

労働年齢人口

まずは、15歳以上の「労働年齢人口」です。
2024年8月分のグラフのデータが更新されていませんが、268,644千人(7月)→ 268,856千人(8月)へと、212千人の増加となっており、1月に大きく減少しましたが上昇トレンドとなっています。

【米国労働年齢人口】
【米国労働年齢人口】

 

労働力人口

次は、15歳以上のうち就業者と完全失業者を合わせた「労働力人口」です。
168,429千人(7月)→ 168,549千人(8月)へと、120千人の増加となっています。

【米国労働力人口】
【米国労働力人口】

 

労働参加率

3番目は、上記「労働力人口」の割合である「労働参加率」です。
経済指標発表時は小数第一位までしか公表されませんので、小数第二位まで計算して求めてみます。
62.70%(7月)→ 62.69%(8月)へと0.01%pt下げましたが、ほぼ横ばいとなっています。

【米国労働参加率】
【米国労働参加率】

 

非農業部門雇用者数

4番目は、「非農業部門雇用者数」です。
+89千人(7月)→ +142千人(8月)へと、+53千人増加しました。
前月分は+114千人→ +89千人、前々月は+179千人→ +118千人へと大幅に下方修正されています。

政府部門を除いた民間雇用者数は+74千人(7月)→ +118千人(8月)へと、+44千人増加しました。
前月分は+97千人→ +74千人、前々月は+136千人→ +97千人へと大幅に下方修正されています。

【米国非農業部門雇用者数と民間雇用者数】
【米国非農業部門雇用者数と民間雇用者数】
 

各部門別に見てみますと、「医療と社会扶助」が+58.8千人(7月)→ +44.1千人(8月)へと、今月も雇用増に大きく貢献しています。
ただ、伸びはやや鈍化傾向となっています。
その他目立つところでは「レジャーとおもてなし」が+24千人(7月)→ +46千人(8月)へ増加、「工事(建設)」が+13千人(7月)→ +34千人(8月)へ増加と、雇用環境は良好のようです。
これら3つの部門で民間雇用者数のプラス分をほぼ賄っている感じですね。

一方で、ISM景気指数でも悪化を示していた「製造業」が+6千人(7月)→ -24千人(8月)へ大きくマイナス圏に沈み、7月分の小売売上高は好調だった「小売業」も-3.4千人(7月)→ -11.1千人(8月)へマイナス幅を拡げています。
【米国非農業部門雇用者数詳細】
【米国非農業部門雇用者数詳細】

 

失業率

5番目は「失業率」です。
こちらも経済指標発表時は小数第一位までしか公表されませんので、小数第二位まで計算して求めてみます。
その前に「失業者数」の絶対数を見てみましょう。
7,163千人(7月)→ 7,115千人(8月)へと、-48千人と僅かながら減少しました。
ただ、前月のハリケーンの影響からの反動減と考えられ、2022年12月の5,698千人を底に緩やかな上昇トレンドはまだ継続していると思われます。

【米国失業者数】
【米国失業者数】

 

失業率も同様に、4.25%(7月)→ 4.22%(8月)へと、小数第二位まで求めてみますと僅か0.03%ptの低下となっており、2023年1月の3.4%を底に緩やかな上昇トレンドは継続していると思われます。

【米国失業率】
【米国失業率】

 

平均時給

6番目は「平均時給」です。
前月比が+0.23%(7月)→ +0.40%(8月)、前年同月比が+3.63%(7月)→ +3.83%(8月)へと、それぞれ0.17%ptと0.20%pt上昇しています。
前月比で見ますと、「情報」が+0.4%(7月)→ 0.9%(8月)、「小売」が-0.1%(7月)→ +0.7%(8月)、「金融」が+0.3%(7月)→ 0.6%(8月)へと上昇率は大きく加速しています。

【 米国平均時給(前月比と前年同月比)】
【 米国平均時給(前月比と前年同月比)】

 

というわけで、6つの項目を見てみましたが、「非農業部門雇用者数」に於いては市場予想を上振れるほどの強い数字は出なかったですね。
前月はハリケーンの影響も少なからずあったと思いますが、その反動増も限定的で、前回と今回の2か月分の平均値は+11.55万人となり、雇用者数の伸びは勢いがなくなってきている感じですね。
おまけに毎月下方修正されますし。(笑)
4日に発表されたJOLTS求人では求人数も減少傾向で、同時に発表されたレイオフと解雇は増加していました。
恐らく現状の雇用者数の実体は+10万人前後、一桁万人台へ移行するのもそう遠くないかもしれませんね。

一方で、「平均時給」は伸びが加速しました。
インテルやデル、シスコなどでは人員削減の報道がありましたが、「情報」や「金融」など、専門性の強いサービス業ではまだ人材が不足しているところも多いのかもしれませんね。

 

ちなみに、管理人ペッパーは経済・金融の専門家でもなんでもありません。
信じるか信じないかはあなた次第!
ฅ(=^・^=)

Posted by ペッパー