米国債を買う人がいる限り当面米国のインフレは収まらない!?

物価・インフレ,コラム

2023年の幕開けは利下げの年ということで米国債は買われ利回りは低下し、専門家も米国債の買いを推奨していました。
ところが、2月3日(金)の米国雇用統計の発表で金利先高観が醸成され、その流れは逆流し、各年限の利回りは今年の最高値を更新、2年債に関しては昨年の最高値をも超えました。

インフレ率を2%へ戻すことにコミットしているFRBにとっては想定外の雇用の堅調さに残念な結果だったとは思いますが、市場の金利が上昇すれば景気は悪化して需要は減少しインフレを抑制するので、むしろ市場の低い金利水準の中でダラダラやるよりも早くインフレが収まるのではないかという感じはします。

ところで、公表頻度の高い経済指標の中に毎週水曜日に発表される米国の「MBA 30年住宅ローン利率」と「MBA 住宅ローン申請件数指数」というものがあります。
直近のデータで、「前者は前週比で4週連続上昇、後者は4週連続下落、まさに市場の金利上昇が需要を減少させている良い例だ」という内容の記事を書こうと思ってたのですが、予想外に後者が今週7.4%も上昇しました(笑)

つまり、3週連続減少していた反動や祝日の影響があったかもしれませんが、現状では今週発表のあった6.79%という利率でも住宅ローンの需要は大いにあるということです。
ちなみに、昨年は10月24日に米国債30年物の利回りが年間最高値4.4%を記録し、住宅ローン利率もその週に年間最高値7.16%をつけています。

では、30年住宅ローン利率はどのように決められているのかというと、米国債30年物の利回りを基準に金利を上乗せして決められています。
したがって、基本的にローン利率が米国債利回りを下回ることはありません。
米国債の利回りよりも低い金利で一般人に貸すくらいなら、安心安全の米国債(!?)を買った方が良いですからね。

データが少し違いますが、米国の30年固定住宅ローン平均利率と米国債30年物の利回りを見てみます。

【米国30年固定住宅ローン平均利率と米国債30年物の利回り】

米国30年固定住宅ローン平均利率と米国債30年物の利回り

米国債の利回りが上昇局面にある時は上乗せ金利も大きくなる傾向があり、現在は3%弱の金利を上乗せしている感じでしょうかね!?
仮に住宅ローン需要を下落トレンドにさせる水準を7%とすると、米国債30年物の利回りは4%強ないといけないということです。
そして、ドル円と相関性の高い米国債10年物の利回りも同程度、あるいは現在逆イールドとなっているため、4.1%前後である必要がありそうです。

つまり、今後は経済情勢によりこれらのパラメーターも変動してくると思いますが、現状では米国債30年物で3.8%程度、10年物で3.9%程度でも買う人が大勢いる中では、住宅需要を大きく減少させることは難しいと思われます。
FOMCでFF金利を5.5%に上げようが6%に上げようが、インフレを抑制するためには市場の長期・超長期金利も上がってこないとなかなか厳しそうです。
ちなみに、シカゴ連銀が算出している全米金融環境指数(NFCI)というものがあるのですが、この利上げ局面に於いてもずっと「緩和的」な水準にあります。

あと、米国では現金一括で住宅を買う人の割合が増えているようです。
値上がりした自宅を売却して買い換えているそうです。
凄いですね。

❝全額現金での米住宅購入の割合、13年以来の高水準-南東部で特に顕著(ブルームバーグ)❞

前々回の記事でも書きましたが、米国CPIの約24.5%も占める帰属家賃は下がりにくい構成項目のようです。
住宅需要の相当な落ち込みがないと、米国のインフレ率はなかなか2%まで戻らないかもしれませんね。

右 リーマンショック級のショックがないとCPI重要項目の住居費は下がらない!?

ていうか、そんなに急いで2%まで戻さなくても良いと思うんですけどね。
経済がクラッシュしちゃいますからゆっくりで良いと思うんですが。

ちなみに、管理人ペッパーは経済金融の専門家でも何でもありません。信じるか信じないかはあなた次第!
ฅ(=^・^=)

Posted by ペッパー