中東情勢悪化によるヘリウム不足がAIバブルを直撃!
ヘリウム供給の約3分の1を担うカタールの生産施設が、中東情勢の悪化によって打撃を受けており、供給不安を背景にヘリウムの取引価格が急上昇しています。
ホルムズ海峡封鎖に伴うヘリウムの供給不足は、AIバブルを牽引する米国ハイテク企業の成長シナリオを揺るがす大きなリスクとなっています。
1. メモリメーカー
サムスン電子・SKハイニックス (韓国)
韓国はヘリウム輸入の約65%をカタールに依存しており、最も影響を受けやすい立ち位置にあります。
AIに不可欠なHBM(高帯域幅メモリ)の製造コストが、ヘリウム価格の急騰により直接押し上げられています。
2. 半導体製造工場
AIサーバー向けのHBMの製造にも、装置内の精密な光学系を冷却し、不純物を取り除く「パージガス」としてヘリウムが不可欠です。
ヘリウムは半導体製造時の熱管理において代替品がなく、紛争開始以降ヘリウムのスポット価格は急上昇しており、これがAIチップの製造コストを直接押し上げています。
TSMC (台湾積体電路製造)
世界最先端のAIチップを製造していますが、使用したヘリウムのリサイクル率が高く「直ちに大きな影響はない」としています。
インテル
オレゴン州やアリゾナ州の拠点で大規模なヘリウム回収システムを運用中で、米国内のガス会社との長期契約もあり、比較的安定しています。
マイクロン
タイトな生産ラインを直撃し、受注済みの製品を出荷できなくなるリスクが意識されています。
3. チップ設計大手
エヌビディア
エヌビディア自体は工場を持ちませんが、メモリメーカーのSKハイニックスやサムスン電子、製造を委託しているTSMCがヘリウム不足で稼働率を落とせば、AIチップの供給が止まります。
そうなれば、出荷遅延による売上高の成長鈍化が懸念されます。
4. クラウド・データセンター大手
AIの学習・推論を行う巨大なデータセンターを運営する企業です。
マイクロソフト、アルファベット(Google)、アマゾン(AWS)
ウェスタンデジタルやシーゲイトが製造するデータセンター用の大容量ハードディスクは内部にヘリウムを封入しています。(ヘリウム充填HDD)
供給が滞れば、価格の面だけでなく、データセンターの建設計画にも影響を与えます。
【ナスダック総合指数】

あとがき
ヘリウム充填HDDはリサイクルできる半導体工場と違い、製品の中にヘリウムを閉じ込めて出荷するというもので、出荷する製品1台ごとにヘリウムを消費し続けます。
つまり、ヘリウムの絶対量が不足すれば、HDDの出荷台数そのものに物理的な制限がかかってしまいます。
ヘリウムは長期間の備蓄が可能な原油と違って、LNG(液化天然ガス)と同様、或いはそれ以上に長期保管は難しいため、一般的な企業の在庫水準は数週間〜1、2カ月分程度が現実的です。
米イスラエル軍がイランへの攻撃を開始してから、まもなく1か月になろうとしています。
在庫切れまでのタイムリミットが、刻一刻と迫っているかもしれません。
ちなみに、管理人ペッパーは経済・金融の専門家でもなんでもありません。
信じるか信じないかはあなた次第!
ฅ(=^・^=)