米中貿易戦争緩和も市場はアンカリング効果でミスリードか!?
先週末、スイスのジュネーブで注目の米中関税交渉が行われました。
第2次トランプ政権に於いても追加関税の応酬によって米中貿易戦争は激化し、米国による対中関税率は145%、中国による対米関税率は125%となっていました。
そして、これら高過ぎる関税率は持続不可能であり、何れ歩み寄って関税率は引き下げられると予想されてはいましたが、今回1度の交渉でそれぞれの関税率が115%ptも引き下げられ、30%と10%で合意に至ったということが市場の想定を大きく超え、ポジティブサプライズとなって週明け12日(月)の市場では米国債が売られて株やドル円が大きく買われるというリスクオン相場となりました。
筆者も初めこのニュースのヘッドラインを見た時は、それぞれの関税引き下げ率が
米国:115/145x100≒79.3%
中国:115/125x100=92.0%
となったことで、中国は随分譲歩したな~という印象でしたが、中身を見ますとむしろ米国の方がキツいかな~という感じがしました。
というわけで、今回の米中間の合意内容と2025年米中貿易戦争の経緯を簡単におさらいしておこうと思います。
2025年米中貿易戦争の経緯と関税交渉の合意内容
第2次トランプ政権では下表の通り、2025年2月から中国との間で関税の応酬が始まりました。
【2025年米中貿易戦争の経緯】

今回の交渉では推測するに、まずは4月からエスカレートさせてしまった追加関税分合計+125%(表のグレー部分)をお互い取り除きましょうよというところから始まったと思われます。
そして、米国側は世界共通で課しているベース関税10%と中国に対するフェンタニル問題分としての追加関税20%は譲れないラインということで、最終的に対中関税は30%ということになったのでしょう。
その他、追加関税分+34%は他の諸外国と同様90日間の猶予という形になっており、鉄鋼やアルミ、自動車などの特定品目に課している25%の関税も維持されます。
(ベース関税が30%ですので税率はどうなるんでしょうかね?)
他方で、中国側の石炭やLNG(液化天然ガス)、大豆やトウモロコシ等の農産物に対する最大15%の報復関税は維持され、これらは米国側の20%関税に対する報復措置でしたので、米国側が30%課すということならば、中国側はこれら報復措置にプラスして10%のベース関税を追加したという感じになったのではないでしょうかね。
(いろいろややこしくて解釈が間違ってたらスミマセン)
あとがき
結局、中国がトランプ大統領の支持基盤を狙い撃ちした報復関税は存続するわけですね。
米国は中国からのこの報復関税を撤回させるためには、フェンタニルの流入が止まったと判断して+20%分の関税を撤廃し、尚且つ10%のベース関税も取り下げなければならないので、かなりの難題が残ってしまったなという感じがします。
そう、関税は大幅に引き下げられはしましたが、両国の間では高い関税率が維持されるのです。
感覚としては「最悪」から「悪」くらいへ緩和した感じですかね、決して「良」ではありません。
やはり100%を超えるとてつもない関税率がアンカリング効果となり、米株やドル円などの買い戻され過ぎというミスリードを引き起こしたのではという気がします。
一方で、トランプ大統領は今週サウジアラビア、カタール、UAE(アラブ首長国連邦)の中東3か国を訪問してトップセールスを行っており、武器・防衛装備品、ボーイング機などの販売やAIデータセンターなど米国内への投資や出資、中東諸国内での業務の受注を取り付けており、総額約2兆ドルの協定や契約を締結しています。
このへんはさすがだなという感じですね。
米国の債務を減らすためには内需だとインフレを引き起こしてしまいますので、結論としては輸出など外需に頼るしかないという気がします。
そのためにはドル高だとちょっと都合が悪いかもしれませんね。
さて、週末の米国市場が閉まる直前に大手格付け会社のムーディーズが米国債を1段階格下げしました。
これを「批判」するのではなく「真摯に受け止める」といった言葉が与野党内から出ないようではまだまだ米国売りは続くのではないでしょうか。
ちなみに、管理人ペッパーは経済・金融の専門家でもなんでもありません。
信じるか信じないかはあなた次第!
ฅ(=^・^=)