外国勢による米国債の購入は減り保有残高も減少していく!?

コラム,米国債

16日に米国財務省が3月末時点での主な外国勢の米国債保有状況を公表しました。
日本はここ何年も1兆ドルを超える水準で1位の座をキープしていましたが、2位の中国が前月の7,843億ドルから7,654億ドルへと大きく減らしたことによって英国に抜かれ、遂に3位まで転落してしまいました。
2013年11月には過去最大の1兆3,167億ドル分を保有していましたが、その後は緩やかな減少傾向となり、2022年のウクライナ戦争への制裁としてロシア保有の米国債が凍結されて以降、中国は米国債の保有残高を急速に減らし始めました。
そう、米国の匙加減で自国保有の資産が簡単に凍結されてしまうので、依存度を減らそうということです。

【 外国勢上位6か国の米国債保有状況(10億ドル)】
【 主な外国勢の米国債保有状況(10億ドル)】

 

外国勢の米国債保有残高上位6か国

さて、米国債保有残高上位6か国のうち、1位の日本、3位の中国、5位のカナダは対米貿易黒字国となっています。
つまり、実需面で対米貿易で稼いだドル資金の余剰分を自国へ還流させず米国債購入に充てているわけです。
これらの国々は、いわゆる安定株主ならぬ安定債券主といったところでしょうか。
米国側からすれば、本来なら凄くありがたい国々なのです。

しかし今、トランプ大統領は貿易赤字を減らすために関税を課して輸入を減らし、逆に米国産のモノを買わせて輸出を増やそうとしています。
脅迫的な手法は別として輸出を増やすことは良いことだと思いますが、一方で「外国勢による米国債購入の原資を減らそうとしている」と同義なわけです。
まさに貿易のジレンマといった感じで米国にとっては悩ましいところだと思います。

他方で、2位の英国、4位の英国領ケイマン諸島、6位のルクセンブルクは金融立国です。(日本も経常収支を見ますと金融立国といっても良さそうですが)
米国債の利回りは魅力的であり高リターンが望めるため、多くの金融機関や投資家などが米国債を購入しています。
しかしながら、政府機関と違って民間の企業や投資家は高リターンが望めない、或いはリスクがあると判断すれば一転して売却に動き、米国債の利回りが急上昇する危うさも孕んでいます。
そして今や、外国勢で米国債を買っているのは政府ではなく、もっぱら民間ということです。

【外国政府と民間による米国債の保有残高】
外国政府と民間による米国債の保有残高

4月にはトランプ大統領が追加関税を発表し、リスク回避により一時的には米国債は買われましたが、その後は大いに売られました。
1か月後には4月分のデータが公表されますので要注目となりそうです。

 

あとがき

米国の財政赤字はGDP比6%を超える水準まで増加しており、赤字削減は急務となっています。
8月には債務上限問題で財政が枯渇し支払いが滞るデフォルトリスクに晒されており、8月頃に償還を迎える米国債は敬遠され利回りがやや上昇しています。
そして今週、連邦議会では大規模減税を盛り込んだ法案が審議されているところです。
トランプ大統領が公約に掲げ事前にわかっていたことではありますが、財源確保のための支出削減が思うように進んでいないため、やはり法案が通ることになれば米株は別として米国債や米ドルは大きく売られることになるのではないでしょうか。
まだまだ米国売りは続きそうな感じがしますね。

 

ちなみに、管理人ペッパーは経済・金融の専門家でもなんでもありません。
信じるか信じないかはあなた次第!
ฅ(=^・^=)

 

 

Posted by ペッパー