AI副作用と新たな15%関税がインフレ率を押し上げる!?(2025年12月米国PCEデフレーター結果詳細)

コラム,CPI・PPI・PCE

20日(金)に12月分の米国PCEデフレーター(個人消費支出価格指数)の発表がありました。
結果は、総合PCEの前月比が+0.4%(市場予想+0.3%)、前年同月比が+2.9%(市場予想+2.8%)、コアPCEの前月比が+0.4%(市場予想+0.3%)、前年同月比が+3.0%(市場予想+2.9%)となり、4項目全て市場予想を上振れました。

【米国PCEデフレーター[前月比と前年同月比]】 
【米国PCEデフレーター[前月比と前年同月比]】 

 

それでは、その米国PCEデフレーターの中身をもう少し詳しく見ていきたいと思います。 

 

PCEデフレーター(サービス)

まずは、構成比2/3のサービス部門です。
前月比では+0.35%(前月:+0.24%)と上昇しています。
前年同月比では+3.43%(前月:+3.44%)と極僅かに低下しています。

比重の大きい「住宅」と「ヘルスケア」ですが、前月比は前者が+0.30%(前月:+0.14%)と上昇し、後者は+0.02%(前月:+0.26%)と低下しました。

それ以外の部門では前月比で、「家庭用光熱費」が+0.76%(前月:+0.63%)、会員制クラブ、遊園地、映画、スポーツなどの入場料や動画・音楽のストリーミングサービスなどが含まれる「レクリエーションサービス」が+2.30%(前月:-0.01%)、「食事サービスと宿泊施設」が+0.86%(前月:+0.14%)、「金融サービスと保険」が+0.61%(前月:+0.59%)とインフレ率を押し上げました。 

一方で、 自動車の保守・修理やリースなどの自動車サービスや鉄道、航空などの公共交通機関が含まれる「輸送サービス」が-0.19%(前月:+0.23%)、電話・インターネットサービスや教育サービス、法律などの専門サービス、パーソナルケアサービスが含まれる「他のサービス」が-0.30%(前月:+0.34%)とインフレ率を押し下げました。 

【米国PCEデフレーター(サービス)[前年同月比と前月比]】 
【米国PCEデフレーター(サービス)[前年同月比と前月比]】 

 

PCEデフレーター(財)

次は、残り1/3を占める財部門です。
前月比では+0.38%(前月:+0.14%)と上昇しています。
前年同月比でも+1.74%(前月:+1.46%)と上昇しています。

【米国PCEデフレーター(財)[前月比と前年同月比]】 
【米国PCEデフレーター(財)[前月比と前年同月比]】 

 

PCEデフレーター(耐久財)

さらに、財部門の中の耐久財の項目を見てみます。
前月比では+0.55%(前月:+0.03%)と上昇しています。
前年同月比では+2.05%(前月:+1.00%)と上昇しています。

前月比で、「家具と耐久性のある住宅設備」が+0.79%(前月:+0.00%)、「娯楽用品および乗り物」が+1.80%(前月:-0.22%)とインフレ率を押し上げました。

一方で、「自動車および部品 」が-0.25%(前月:+0.08%)、ジュエリーなどが含まれる「その他耐久財」が-0.79%(前月:+0.60%)とインフレ率を押し下げました。 

【米国PCEデフレーター(耐久財)[前月比と前年同月比]】 
【米国PCEデフレーター(耐久財)[前月比と前年同月比]】 

 

PCEデフレーター(非耐久財)

最後は財部門の中の非耐久財の項目です。
前月比では+0.29%(前月:+0.20%)と上昇しています。
前年同月比では+1.57%(前月:+1.71%)と低下しています。

前月比で「食品・飲料」の前月比が+0.41%(前月:-0.01%)、「衣類・履物」の前月比が+0.48%(前月:-0.33%)、医薬品やレクリエーション用品、家庭用品などが含まれる「その他の非耐久財」の前月比が+0.27%(前月:+0.01%)とインフレ率を押し上げました。

一方で、「ガソリンおよびその他のエネルギー製品」の前月比が-0.29%(前月:+2.54%)とインフレ率を押し下げました。

【米国PCEデフレーター(非耐久財)[前月比と前年同月比]】 
【米国PCEデフレーター(非耐久財)[前月比と前年同月比]】 

 

あとがき

以上、PCEデフレーターのサービス部門と財部門を分けて見てみました。
今回12月分では、10月に新たに発動された木材や家具などへの関税の影響や半導体価格の上昇によるデジタル家電の価格上昇などほぼデフレ状態だった財部門の上昇が目立ちました。

他方で、サービス部門でもネットフリックスなどのストリーミング配信会社に於いては、高騰するクラウドやAI導入コストの価格転嫁が進んでおり、サブスク料金の値上げが見られます。

さて、20日(金)に一部のトランプ関税に対する違法・違憲判決が下されましたが、代替案として今度は一律15%の関税が課されることになりそうです。
現状の実効税率は約16%と見積もられているため、トータルで見ればさほど変わりがないように思いますが、素材や部品などあらゆるものに関税が賦課されますとそれらを使用した完成品の価格が押し上げられますので、やはりインフレ率は当面高止まりするような気がします。

原油価格も上昇してますし、秋には中間選挙が控えてますので、またTACOるような気がしますが、しばらくはトランプ関税に再び振り回される展開が続きそうですね。

 

ちなみに、管理人ペッパーは経済金融の専門家でもなんでもありません。
信じるか信じないかはあなた次第!
ฅ(=^・^=)

Posted by ペッパー