米国CPIなど経済指標下振れでドル円は大きく下落!来週のFX外国為替相場予想(2024年10月7日~)

来週のFX相場予想

今週のドル円相場は、中東情勢への懸念や先週の自民党総裁選で日本株やドル円が急落したいわゆる石破ショックの流れを引き継ぎ、週明けの月曜は141.65円まで下落する場面が見られました。
しかしながら、異次元緩和政策であるアベノミクスを否定してきた石破総理の利上げに釘を刺す発言いわゆる逆石破ショックやパウエルFRB議長の小幅な利下げペースを示唆した発言によって、ドル円は一転して大きく上昇する流れとなりました。
加えて、4日(金)に発表される注目の米国雇用統計を前に、その前哨戦であるJOLTS求人やADP非農業部門雇用者数、ISM非製造業景気指数が市場予想を上振れたことでドル円は更に上値を伸ばす展開となりました。
そして迎えた米国雇用統計でしたが、こちらも市場予想を上振れる結果となり、ドル円はこの日の安値145.91円から3円強の上昇となる149.00円まで上値を伸ばし、最終的にはやや調整売りが出たものの週間では約6.6円上昇となる148.65円でクローズしました。

 

それでは来週の週間予想ですが、

予想レンジ(ドル円):145.0 ー 149.5円

来週のドル円は週間で「大きく下落」と予想します。
根拠としては3つ。

 

1つ目は、米国CPIは市場予想を下振れると予想。(ドル安円高要因 下降

10日(木)に9月分の米国CPI(消費者物価指数)が発表されます。
毎月恒例ですが、Inflation Nowcasting を見てみますと、米国CPIの予測値は総合CPIでは市場予想と一致するもコアCPIでは前月比で上振れ、前年同月比では下振れるというチグハグな予想となっています。

筆者が独自に計算した「前月比に応じた前年同月比の予測値」では、市場予想通り総合CPIとコアCPIの前月比がそれぞれ+0.1%と+0.2%になった場合、前年同月比はそれぞれ+2.33%と+3.14%となりコアCPIで市場予想を下振れる予想となっています。
ただ小数第二位の数値によっては、どちらも繰り上げになる可能性はありそうです。

筆者の予想としましても、ここ1週間ほど中東情勢の悪化により原油価格は急騰していますが、ガソリン価格は春から下落基調が続いており9月末時点でもまだ上昇していませんので、総合CPIの方では市場予想通り、或いはそれよりも低いインフレ率になるような気がします。
他方、コアCPIの方は予想が難しいですが、比重の大きい住居費次第ということに変わりはないと思います。
が、9月分の米国雇用統計の平均時給では市場予想を上振れたものの前月比では鈍化していました。
またサービス業でも限られた業種のみ上昇していましたので、サービス価格の押し上げにはあまり繋がっていないように思われます。
そしてカレコレ2か月くらい前から、住居費がそろそろ大きく落ち込みそうな感じがすると言っていますが、3度目の正直で今回やって来るのではないでしょうかね。(笑)

よって、結果は市場予想を下振れ、指標発表時ドル円は大きく下落すると予想します。

その他、同時刻に新規失業保険申請件数の発表もあり、翌日の米国PPI(生産者物価指数)とともに要注目となりそうです。

 

  総合CPI (%) コアCPI (%)
前月比 前年同月比 前月比 前年同月比
市場予想 0.1 2.3 0.2 3.2
Inflation Nowcasting 0.11 2.25 0.27 上昇 3.11 下降
筆者予想 0.1 2.33 0.2 3.14 下降
0.2 2.43 0.3 3.25

 

2つ目は、米国経済指標は全体的に悪化と予想。(ドル安円高要因 下降

来週は上述の米国CPI、新規失業保険申請件数、米国PPIが注目されるところですが、その他の米国経済指標で市場が注視しているのは10月分のミシガン大学消費者信頼感指数速報値くらいでしょうか。
インフレ指標は引き続き鈍化傾向を示し、ミシガン大学期待インフレ率も低調な結果になると思われます。
今週発表分の新規失業保険申請件数は市場予想及び前週分を上振れており、9月分の雇用統計が好結果だった割りには軟調に推移しています。
そう、後日コラムで詳しく述べたいと思いますが、筆者は先日発表のあった9月分の米国雇用統計はやや過大評価されていると見ており、米国の景気もここ1~2か月が戻りのピークで9月FOMC以降は再び低下傾向で推移すると見ています。
なので、ミシガン大学消費者信頼感指数もやはり悪化しているのではないでしょうかね。

よって、米国経済指標は全体的に悪化していると思われ、指標発表時ドル円は下落すると予想します。



3つ目は、テクニカル分析では下落と予想。(ドル安円高要因 下降

ドル円日足チャートを見ますと、ボリンジャーバンドの+2σをオーバーシュートして上昇し、一目均衡表の雲の中へと突入してきました。
RSIは64.49と、買われ過ぎの水準である70まではもう少し余裕があり、上昇余地はまだ幾分ありそうです。
しかしながら、この1週間で約6.6円も上昇しており、150円の大台を前に上値が重くなり調整が入りやすいと思われます。
よって、一目均衡表の雲下限、そしてボリンジャーバンドのミッドバンド付近まで戻す流れになると予想します。

他方、週足では一目均衡表の雲の上限をやや上抜けた位置まで上昇してきました。
このまま雲抜けを果たし、MACDなどでゴールデンクロスを形成し、ボリンジャーバンドのミッドバンド、そして+2σへ向かって上昇しそうなチャートの形状ですが、150円の大台や150円台後半にあるボリンジャーバンドのミッドバンドがレジスタンス(上値抵抗線)として機能しそうで、また急速に上げ過ぎたということもあって、やはり雲の中へと押し戻される展開になるのではという気がします。

 

したがって、総合的に判断すると来週のFXドル円相場予想は、チャート上のオレンジの矢印のような感じで推移すると予想します。

 

 

後書き

今週はISM製造業景気指数や新規失業保険申請件数など悪化していた重要指標も多かったんですが、石破総理の豹変問題で市場がやや楽観相場となっていたところに、米国雇用統計など好結果が相次いだことでドル円ショート勢を踏み上げて大きく上昇しましたね。
来週は米国CPIまで主だった経済指標がありませんので、週前半は雇用統計を受けてのFOMCメンバーの発言や米国債の入札、今となってはあまり意味を持たないと思われますが雇用の悪化を警戒していたFOMC議事録辺りに要注目といった感じでしょうか。

米国以外では暴騰している中国株の行方がどうなるか?でしょうかね。
来週から国慶節明けで取引再開となりますが、期待先行の面もあり、買いが続くのか調整売りや失望売りとなるのかFXトレーダーとしても注視する必要がありそうです。
その他、中東情勢や日本の政局など不透明感が強いですね。

さて、市場やほぼ全ての専門家は米国雇用統計の結果を受けて、ソフトランディングの確率を大幅に上昇させていますが、あまのじゃくの筆者はむしろハードランディングの確率が上がったと見ています。
世界中で唯一無二の予想でしょうかね。(笑)
詳しくは後日コラムで述べたいと思いますので、もう少々お待ちいただければと思います。
年末年始あたりは血沸き肉躍る相場になってる気がしますね。

 

ちなみに、管理人ペッパーは経済・金融の専門家でもなんでもありません。
信じるか信じないかはあなた次第!
ฅ(=^・^=)

 

【ドル円日足チャート未来予想図】
米国CPIなど経済指標下振れでドル円は大きく下落!来週のFX外国為替相場予想(2024年10月7日~)

Posted by ペッパー