上下の抵抗に挟まれドル円は小動き。来週のFX外国為替相場予想(2023年9月4日~)
今週のドル円相場は、ジャクソンホールでのパウエルFRB議長の講演からのドル買いの流れを引き継ぎ、29日(火)には先週年初来高値を更新したばかりの146.62円をさらに上抜け、147.37円まで上昇しました。
しかしながら、 消費者信頼感指数、JOLTS求人、ADP非農業部門雇用者数、GDP改定値などの米国指標が相次いで市場予想を下振れ、週末に予定されていた雇用統計に向けてドル円は弱含む展開となりました。
そして、市場心理が悪化した中で迎えた雇用統計は、非農業部門雇用者数では市場予想をやや上回りましたが、失業率が7月の3.5%→3.8%へと大幅に悪化し、平均時給も市場予想を下振れたため、ドル円は結果発表直後に144.44円まで急落することとなりました。
ただ、その後急速にドル円の買い戻しが入り、直後に発表のあった製造業PMI(購買担当者景気指数)確定値やISM製造業景気指数が市場予想を上振れたため、ドル円はこの日の安値から2円弱上昇となる146.29円まで急騰し、ほぼ同水準の146.24円の高値引けとなりました。
注目の米国雇用統計でしたが、失業率が0.3ポイント上昇と急激に悪化しましたね。
これは景気悪化によるレイオフの急増が原因ではなく、労働参加率が7月の62.6%→62.8%へ上昇し、今まで失業者にカウントされてなかった人が就職活動を始め、カウントされるようになったことが要因の1つと思われ、やや悪化はしてきているものの数字ほどではないと考えられます。
コロナ禍前の労働参加率は概ね63.0%前後でしたので、この後も同じようなペースで労働参加率が上昇し、そして失業率が上がっていく感じにはならないと思われ、むしろ就職先が決まっていき、失業率も一時的には改善されるのではないかと思います。
一方、労働参加率が上がったことにより雇用環境の逼迫感は弱まり、今後は平均時給の上昇圧力も弱まっていくと思われ、特にサービス価格への押し下げ効果が期待されます。
労働参加率の突然の上昇の原因は専門家に分析してもらいたいところですが、コロナ禍で支給された給付金が底を突き始め、「そろそろ働かないとマズイな」ということで職を探し始めた人が急増した結果なのかもしれませんね。
また、トラック運送大手イエローの破綻とハリウッド俳優のストにより、陸運業界が3万7000人、映画業界は1万7000人の雇用減となっており、今回の雇用悪化に影響しているようです。
それでは来週の週間予想ですが、
予想レンジ(ドル円):145.5 ー 147.5円
来週のドル円は週間で「横ばい」と予想します。
根拠としては3つ。
1つ目は、ISM非製造業景気指数はやや悪化と予想。(ドル安円高要因
)
来週4日(月)はレイバーデーのため米国は祝日となり、翌5日(火)も米国経済指標の発表は製造業受注くらいとなっており、注目すべき重要指標としましては6日(水)発表の8月分のISM非製造業景気指数あたりから始まる感じでしょうかね!?
先週末1日(金)発表の製造業では、市場予想を上振れる好調さを示しましたが、来週発表の非製造業では、先月は景気拡大・縮小の分岐点「50」は超えてはいますが市場予想を下振れており、また先行指標であるサービス業PMI(購買担当者景気指数)もここ2か月は下振れ、非製造業の景気鈍化を感じさせる結果が出ています。
よって、本指標も下振れるのではないかと予想します。
また同時に発表される雇用指数や物価指数も重要であり、先週末発表のあった雇用統計から推測すると、こちらもやや鈍化しているのではないかと予想します。
この15分前に発表されるサービス業PMI確定値も要注目ですね。
2つ目は、FOMCメンバーから利上げを示唆する発言が出ると予想。(ドル高円安要因
)
来週はFOMC(連邦公開市場委員会)メンバーの講演など発言機会が数多く予定されています。
9月FOMCでは政策金利の据え置きを市場は90%以上織り込んでいますが、先週末の雇用統計を受けて、或いは翌週に控えるCPI(消費者物価指数)を見据えて、どのような発言をするのか注目されます。
発言予定日と最近の主なコメントも併せて掲載しておきます。
9月FOMCでは利上げをスキップするとして、11月か12月のどちらかで年内あともう1回の利上げの可能性を示唆するタカ派発言が幾人かのメンバーから出ると予想します。
逆に、7日(木)に登場するニューヨーク、アトランタ、シカゴあたりの総裁からはハト派発言が出ると予想します。
6日(水)
ボストン地区連銀コリンズ総裁「さらなる利上げの可能性がある」
ダラス地区連銀ローガン総裁「より景気抑制的な金融政策が必要になる」
7日(木)
フィラデルフィア地区連銀ハーカー総裁「インフレ低下が停滞すれば、さらなる利上げが必要になる可能性がある」
ニューヨーク地区連銀ウィリアムズ総裁「経済データ次第で来年初めの利下げの可能性を排除しない」
アトランタ地区連銀ボスティック総裁「次回会合で金利据え置きを支持すると述べた」
シカゴ地区連銀グールズビー総裁「リセッション(景気後退)を引き起こさずに物価の伸びを抑える黄金の道を進んでいる」
ボウマンFRB理事「インフレ率を中銀目標の2%に戻すためには、おそらく追加利上げが必要になるだろう」
8日(金)
バーFRB副議長「インフレは高すぎる。目標に近づいているが、まだやるべきことが若干ある」
3つ目は、テクニカル分析では揉み合いと予想。
ドル円日足チャートを見ますと、週末は145.0円の節目や直近安値の144.5円レベル、ボリンジャーバンドのミッドバンドあたりでサポートされた形となっており、長い下髭を付けて陽線で終えています。
買いの強さが感じられるチャートで、このまま一気に148円を目指す流れになりそうですが、147.5円付近にあるボリンジャーバンドの+2σもレジスタンス(上値抵抗線)として機能しそうで、下げが足りない分、ここからMACDなどでゴールデンクロスを形成して更に上昇していくのはちょっと難しそうな形状です。
来週は小動きになるのではないでしょうかね。
恐らく一度下げた後、9月半ばくらいから再び150円に向けて上昇すると予想します。
他方、週足は上りのターンが続いている感じで、底堅く推移し、147.36円の直近高値の更新を目指す流れになると予想します。
したがって、総合的に判断すると来週のFXドル円相場予想は、チャート上のオレンジの矢印のような感じで推移すると予想します。
ベージュブック(米地区連銀経済報告)も注目されていますが、内容はマチマチでドル円が動意付くほどのものは飛び出さないかなという気がします。
やはり、なんといっても翌週に控える米国CPIでしょうね。
どうなるんでしょうか!?
ちなみに、管理人ペッパーは経済・金融の専門家でもなんでもありません。
信じるか信じないかはあなた次第!
ฅ(=^・^=)
【ドル円日足チャート未来予想図】
