市場の過度な織り込みは余儀なく修正されドル円は大きく上昇!来週のFX外国為替相場予想(2023年12月18日~)
今週のドル円相場は、先週指摘した通り、日銀の早期金融緩和修正への憶測を否定する報道が週初11日(月)に飛び出し、ドル円は始値から約1.7円高い146.58円まで上昇しました。
そして、翌12日(火)の米国CPIでは、総合CPI前月比で市場予想を0.1ポイント上振れしたものの、ほぼ予想通りだったため値動きは限定的となり、13日(水)のFOMC(米連邦公開市場委員会)を待つこととなりました。
その注目のFOMCでは、FOMCメンバーによる政策金利の見通しを示したチャート(ドットプロット)に於いて、来年2024年に0.75ポイント(0.25ポイント3回分)の利下げが示唆されたことで、米国債利回りやドル円は急落することとなりました。
また、会合後のパウエルFRB議長の会見でも、「利下げの時期を議論した」などハト派発言をしたことで、ドル円は更にこの日の高値から約3.4円安い142.62円まで急落することとなりました。
他方、ECB(欧州中央銀行)やBOE(イングランド銀行)もFOMCが開催された翌日に金融政策決定会合が開かれ、パウエルFRB議長を反面教師としたのかわかりませんが、ラガルドECB総裁とベイリー英中銀総裁は揃って市場の利下げ観測を否定する発言を行い、これまたドル売り材料となって、この日140.95円まで直近安値を更新しながらも142.28円まで反発していたドル円を141円台半ばへ押し戻す流れとなりました。
週末15日(金)では、ニューヨーク連銀ウィリアムズ総裁やアトランタ連銀ボスティック総裁が、市場の過度な利下げ観測を否定する発言を行ったことで、ドル円はやや持ち直し142.12円の日足陽線で終えました。
やはり、やってしまったかパウエル議長といった感じですね(笑)
米国債の利回りは急落して金融環境はかなり緩和的になってしまいました。
これで来年のインフレ加速は決定的じゃないでしょうか!?
ていうか、もう既に今月12月は加速していると思われます(笑)
それでは来週の週間予想ですが、
予想レンジ(ドル円):140.5 ー 146.0円
来週のドル円は週間で「大きく上昇」と予想します。
根拠としては5つ。
1つ目は、米国PCEは市場予想を上振れると予想。(ドル高円安要因
)
22日(金)に、11月分の米国PCE(個人消費支出)価格指数が発表されます。
毎月恒例ですが、Inflation Nowcastingを見てみますと、米国PCEの予測値はコアPCE前年同月比を除いて市場予想よりも0.1ポイントほど上振れる高めの数値となっています。
11月分の米国CPI(消費者物価指数)も総合CPIでは上振れていたことを考えると、PCEでも上振れる可能性が高そうです。
また、筆者が独自に計算した「前月比に応じた前年同月比の予測値」も、総合PCE前月比で0.1%、コアPCE前月比で0.3%に近い値が出るようですと、前年同月比で市場予想を上振れそうです。
よって、指標発表時ドル円は大きく上昇すると予想します。
| 総合PCE (%) | コアPCE (%) | |||
|---|---|---|---|---|
| 前月比 | 前年同月比 | 前月比 | 前年同月比 | |
| 市場予想 | 0.0 | 2.8 | 0.2 | 3.4 |
| Inflation Nowcasting | 0.14 |
2.92 |
0.26 |
3.43 |
| 筆者予想 | 0.0 | 2.78 | 0.2 | 3.38 |
| 0.1 | 2.88 | 0.3 | 3.48 | |
2つ目は、日銀金融政策決定会合では金融政策の変更なしと予想。(ドル高円安要因
)
19日(火)に日銀金融政策決定会合の結果が発表されます。
今回は、植田日銀総裁の発言により早期の金融引き締めへの憶測が生まれ、その後それを否定する報道が出たことにより、今会合でのマイナス金利解除への期待や警戒は和らいでいます。
ただ、やはり海外勢を中心にドル円は売られやすい展開になるのではないかという気がします。
そして、金融緩和の継続、早期のマイナス金利解除・引き締めの意思がないことが伝わると、また一斉にドル円は買われて、毎度ながらの「勝手に期待・勝手に失望」相場となり、V字にドル円は行って来いになると予想します。
前回の会合後の記事にも書きましたが、植田総裁は賃金の上昇だけでなく、それがサービス価格に転嫁されて、持続的安定的に物価が上昇するのを確認した後に金融緩和を修正していく方針のようですから、早くても春闘で賃金上昇を経てそこから数か月間精査した後という感じになると思います。
また、今月発表のあった東京都区部コアCPIも市場予想を下振れて+2.3%まで低下し下落傾向が続いており、また実質賃金もずっとマイナスが続いています。
そのうえ、円安や原油高も是正されてきており、輸入物価は今後下がっていく見通しであるため、金融を引き締める必要性は全くないと思われます。
ただ、以前にも書きましたが、マイナス金利自体異常なので、いつ解除してもおかしくはないと思います。
そして、景気が悪化する前に政策金利を0%、あるいはプラス金利へと上げておき、金融緩和余地を作っておきたいという考えはあるのではないでしょうかね!?
そうしないと、景気が悪化した時に日銀には打つ手なしとなってしまいますからね。
3つ目は、米国経済指標は改善してきていると予想。(ドル高円安要因
)
来週は、米国PCE以外にも第3四半期GDP確定値や住宅着工件数、新築・中古住宅販売戸数、NAHB住宅市場指数などの住宅関連指標、消費者信頼感指数、耐久財受注、ミシガン大学消費者信頼感指数ほか多くの米国経済指標の発表が予定されています。
12月分の経済指標では、ニューヨーク連銀製造業景気指数や製造業PMI速報値など製造業は悪化傾向が見られましたが、ミシガン大学消費者信頼感指数速報値やサービス業PMI、週間で発表されるMBA住宅ローン申請件数、新規失業保険申請件数、原油在庫統計など好調な結果が目立っています。
来週も12月分の経済指標を中心に市場予想を上振れるケースが増えると予想します。
ただ、製造業は自動車産業のストの影響はほぼないと思われますが、恐らくEV(電気自動車)特需が剥落してきているのではないでしょうかね!?
自動車やバッテリーメーカーが予定していた設備投資を延期するといった記事やEV中古車がなかなか売れないといった記事を見ましたので、先行きもちょっと厳しいかもしれませんね。
4つ目は、FOMCメンバーの市場牽制発言が出ると予想。(ドル高円安要因
)
CMEのFedWatch ツールを見ますと、今週開催された12月FOMCがハト派に振れたことで、来年2024年の市場の利下げ織り込み度は3月から0.25ポイント6回分の1.5ポイントを示しています。
しかしながら、FOMCメンバーの政策金利予想を示したドットプロットを見ますと、そこまでの利下げ予想をしたメンバーは1人いるものの、1.0ポイントの利下げが4人、0.75ポイントが6人、0.5ポイントが5人、0.25ポイントが1人、利下げなしが2人と、ハト派寄りになったとはいえ、市場の織り込みとはかなりの差があります。
そして、中央値である0.75ポイントの利下げが0.25ポイントずつ3回利下げするとした場合、常識的に考えて年8回あるうちの後半3回で利下げと見るのが普通です。
したがって、来週はアトランタ連銀ボスティック総裁の講演くらいしか発言機会はない感じですが、報道を通して市場の行き過ぎた利下げ予想を牽制する声が漏れてくると予想します。
5つ目は、テクニカル分析では上昇と予想。(ドル高円安要因
)
ドル円日足チャートを見ますと、先週サポートとなっていた200日線を割り込み、141.0円のキリ番やボリンジャーバンドの-2σがサポートとなってやや反発しているといった感じです。
週末金曜は何とか陽線になり、RSIも売られ過ぎの領域30を下回りましたが、このまま上りのターンへ入っていくような感じにはちょっと見えません。
MACDなどでゴールデンクロスに向かう上りのターンへは、やはりもう一段の下げがあった後という気がします。
他方、週足ではボリンジャーバンドの-2σでサポートされ反発した形となっていましたが、先週指摘した通り、やはり上りのターンへは入っていけず、再び-2σを割り込みました。
先々週から指摘している通り、もう少し深掘りして一目均衡表の雲の攻防になると予想します。
したがって、総合的に判断すると来週のFXドル円相場予想は、チャート上のオレンジの矢印のような感じで推移すると予想します。
今週はかなり予想が外れてしまいましたね。
パウエル議長がまたやらかしてしまうだろうなということは頭の中にはありましたが、毎度のことなので記事には書きませんでした(笑)
ただ、誤った織り込みによる急落と思われるので、何れ修正されてくると思います。
来週もボラティリティが高まる1週間となりそうなので要注意ですね。
ちなみに、管理人ペッパーは経済・金融の専門家でもなんでもありません。
信じるか信じないかはあなた次第!
ฅ(=^・^=)
【ドル円日足チャート未来予想図】