悪化していた米国雇用統計、ハリケーンやストの影響だけではない!?(10月米国雇用統計結果詳細)
1日(金)に10月分の米国雇用統計の発表がありました。
結果は、非農業部門雇用者数が+1.2万人(市場予想+10.6万人)、失業率が4.1%(市場予想4.1%)、平均時給前月比が+0.4%(市場予想+0.3%)、前年同月比が+4.0%(市場予想+4.0%)と、非農業部門雇用者数が衝撃の数値となりドル円は指標発表直後こそ急落しましたが、その後大きく反発しました。
それではその雇用統計の中身をもう少し詳しく見ていきたいと思います。
労働年齢人口
まずは、15歳以上の「労働年齢人口」です。
2024年10月分のグラフのデータが更新されていませんが、10月は269,289千人(前月:269,080千人)となっており、前月からは+209千人(前月:+224千人)の増加とやや伸びは鈍化しました。
1月に大きく減少して以降は年率+0.6%ほどで推移する緩やかな上昇トレンドとなっています。
【米国労働年齢人口】
労働力人口
次は、15歳以上のうち就業者と完全失業者を合わせた「労働力人口」です。
10月は168,479千人(前月:168,699千人)と前月からは220千人の減少となっています。
前年同月比でも+0.45%(前月:+0.48%)と、2023年11月の高値2.24%から低下傾向が続いています。
【 米国労働力人口(前年同月比)】
労働参加率
3番目は、上記「労働力人口」の割合である「労働参加率」です。
経済指標発表時は小数第一位までしか公表されませんので、小数第二位まで計算して求めてみます。
10月は62.56%(前月:62.69%)と、前月から低下しています。
【米国労働参加率】
非農業部門雇用者数
4番目は、「非農業部門雇用者数」です。
10月は+12千人(前月:+223千人)と、雇用者数の伸びは前月から大きく減少しました。
前月分は+254千人から+223千人に、前々月分は+159千人から+78千人へと大幅に下方修正されています。
政府部門を除いた民間雇用者数も-28千人(前月:+192千人)と、減少に転じました。
【米国非農業部門雇用者数と民間雇用者数】
各部門別に見てみますと、「医療と社会扶助」が+51.3千人(前月:+80.4千人)と、前月からは雇用の伸びは減少していますが雇用増に大きく貢献しています。
政府部門も+40千人(前月:+31千人)と大きく増加しています。
選挙関連で伸びた可能性がありそうですね。
一方で、「一時的なヘルプサービス」が-48.5千人(前月:-20.2千人)、「製造業」が-46千人(前月:-6千人)、「小売業」が-6.4千人(前月:+15.4千人)、「レジャーとおもてなし」が-4千人(前月:+40千人)と、雇用の減少に大きく寄与しています。
【米国非農業部門雇用者数詳細】
失業率
5番目は「失業率」です。
こちらも経済指標発表時は小数第一位までしか公表されませんので、小数第二位まで計算して求めてみます。
その前に「失業者数」の絶対数を見てみましょう。
10月は6,984千人(前月:6,834千人)と、前月から+150千人増加しています。
ここ2か月連続で減少していましたが、今回は増加に転じており、2022年12月の5,698千人を底に緩やかな上昇傾向が続いています。
【米国失業者数】
失業率も10月は4.15%(前月:4.05%)と、指標発表時には4.1%で前月から変わらずとの発表でしたが、小数第二位まで求めてみますと前月から0.10%pt上昇しているのがわかります。
2か月連続で低下していましたが、今回は上昇に転じており、2023年1月の3.4%を底に緩やかな上昇傾向が続いています。
【米国失業率】
平均時給
最後は「平均時給」です。
10月は前月比が+0.37%(前月:+0.31%)、前年同月比が+4.00%(前月:+3.88%)と、ともに前月から上昇しています。
時給の高い「情報」の前月比が+1.43%(前月:+0.18%)と大幅に上昇したことが平均時給の上昇に大きく寄与しました。
また、今回非雇用者となった人は比較的低賃金の労働者が多かったことから、更に平均時給を押し上げたと考えられます。
【 米国平均時給(前月比と前年同月比)】
というわけで、雇用に関連する6つの項目を見てみましたが、非農業部門雇用者数の悪化をある程度は予想していましたけれども、その想定を上回る衝撃的な弱さでしたね。
専門家や市場はこれをハリケーンやストのせいにしていますが、その一言で片づけられるほど単純ではないと思われます。
まず、これらの要因で休業している労働者を雇用状態と定義している家計調査では、上述の通り失業者は150千人増え、失業率も0.1%pt上昇しています。
また、自営業者や農業関連労働者を含むなど雇用者の定義はより広く、ブレも大きいですが、家計調査の就業者数でも前月から368千人減少しており、やはりハリケーンやストの影響を除いたとしても雇用指標は弱かったと考えられます。
そして、ハリケーンに関係のない8月、9月も大きく下方修正されています。
恐らく次回11月分の雇用統計も低調な結果になるのではないでしょうかね。
それにしても、どのニュースサイトを見ても「失業率は前月と変わらず4.1%」となっていますが、小数第二位まで求めてる人はこの世の中には1人もいないんでしょうかね?(笑)
ちなみに、管理人ペッパーは経済・金融の専門家でもなんでもありません。
信じるか信じないかはあなた次第!
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