来年2024年は米国の可処分所得は大きく減少。景気を支えてきた個人消費は悪化しリセッションへ
3月のシリコンバレー銀行破綻直後、ほぼ全ての専門家が年内のリセッション(景気後退)を予想する中、あまのじゃくの筆者は、むしろ米国の景気は良化しインフレも加速、今年のリセッションはないと予想していました。
シリコンバレー銀行破綻でむしろ米景気良化インフレ加速、リセッションも今年はない!?
その理由の1つに可処分所得の増加を挙げていました。
今年2023年1月には前年同月比が前年12月の4.5%→8.9%へ急上昇、インフレ率を差し引いた実質では、-0.9%→3.2%へとマイナスからプラスへ転じています。
【米国可処分所得(前年同月比)】
ではなぜ1月にこれほどまで急上昇したのかと言いますと、社会保障の給付金が物価調整で8.7%増額され、約7,000万人いる受給者(主に老齢年金や障害年金受給者)の受給額が月額140ドル以上増えたことが一因だと思われます。
さらに、2023年は前年より約7%増額した税額控除も実施されており、標準的な夫婦で1,800ドル増、個人で900ドル増となり、月単位ではそれぞれ150ドル、75ドル軽減される計算で、可処分所得の増加に大きく寄与しています。
それでは、来年2024年はどうなるかと言いますと、まず社会保障給付金の物価調整は前年9月までの米国CPI(消費者物価指数)を基に算出されます。
そう、今週12日(木)に発表されるCPIの結果を受けて来年の調整費が決定されるわけです。
恐らく前年同月比は3.6%前後になるでしょう。
今年は8.7%の増額でしたので、来年は増加幅が5.1ポイントも減ることになります。
そして、下のグラフは米国CPIが今後ずっと前月比0.3%で推移すると仮定した場合のシミュレーションですが、来年7月に4.0%の天井を付けるまで緩やかな上昇基調を辿る感じになりそうです。
そうなってきますと、社会保障給付金の物価調整が3.6%の増額ではインフレ率を差し引いた実質の可処分所得がマイナスに転じる可能性もありそうです。
(中東情勢次第では、原油価格の上昇や米国債が買われて金利が低下してくる可能性もあり、さらにインフレ率は上昇するかもしれません)

また、来年は上述のような税額控除の増額、つまり個人所得への減税の予定もなさそうです。
そして、給与所得者も平均時給の伸びは鈍化傾向にあり、主に若年層に至っては今月10月から学生ローンの返済も再開されています。
さらには、コロナ禍に配られた多額の給付金もほぼ使い果たし、過剰貯蓄もなくなってきているようです。
やはり、来年の前半までには個人消費が低迷し、米国経済はリセッションに陥るのではないかと予想します。
ただ、大統領選も控えており何かしら対策はしてきそうですが、またインフレを助長しなければいいんですけどね(笑)