金利水準は景気抑制的だが金融政策は緩和的、複雑化する米国経済で信用市場はややバブル化!

コラム,経済・景気・株価

現在の米国債市場は、短期ゾーンではFRB(米連邦準備制度理事会)による利下げや買い入れにより利回りは低下傾向となっている一方で、長期ゾーンでは利下げ局面であるにも拘わらず、将来のインフレや財政悪化などによる国債価格やドルの下落を懸念してなかなか買われない状況が続いており、利回りは高止まり、もしくは上昇傾向にあります。

他方で、現行の政策金利は景気抑制的であると言われていますが、実は金融政策では経済を抑制しておらず、むしろ緩和的で銀行ローンやリースなどを拡大させており景気を押し上げています。
ではなぜ景気抑制的であるのかといいますと、トランプ関税による増税(物価高)によってそれ以上に景気を押し下げているため、トータルで見ればまだ景気を抑制しているという状況なのです。

つまり、現在の米国経済は「短期金利上昇と長期金利下降」、「金融政策上昇とトランプ関税下降」という経済のアクセル上昇とブレーキ下降を同時に踏む2つの事象の微妙なバランスで成り立っているのです。
したがって、FOMCメンバーの意見がハト派とタカ派で真っ二つに分かれたり、専門家による景気への認識が異なったりしてるわけなんですね。

さて、銀行は長短金利差の拡大から預金者より低利で資金を調達し高利で貸し付け、利ザヤの稼ぎ時となっています。
なので、銀行によるローン・リースなどの貸し付けは増えており、信用市場は利下げやAIブームもあってややバブル化してきています。
そして過去の傾向を見ますと、前年同月比が概ね12%のラインに到達しますと反転低下しているのがわかります。
これは金融政策に大きく影響を受けていると思われ、銀行ローン・リースがだいたい4%ほどの伸びを示すと利上げ局面に入り、政策金利が5%くらいまで引き上げられると反落するといった感じになっています。

【 銀行ローン・リース(前年同月比)と政策金利実効レート(%)】
【 銀行ローン・リース(前年同月比)と政策金利実効レート(%)】

そして、最新12月24日時点での銀行ローン・リースは5.7%まで上昇してきており、本来ならば既に利上げ局面に入っていてもおかしくはない状態ですが、トランプ関税が景気を抑制している分、利上げ開始が遅れていそうです。
CMEのFedWatchツールを見ましても、5月にFRB議長が交代することを考慮してるのか、金利先物市場では9月までに2回の利下げを織り込んではいますが、その後来年末まで利上げは予想されていません。
今後も利下げとAIブームが続くことから、信用市場はまだもう少し拡大していくと考えられますが、これがいつどこで反転するのか要注視ですね。
冒頭で述べた通り、経済のアクセルとブレーキを同時に踏む2つの事象により米国経済は複雑化し予想し難い状況となっていますので、木だけでなく森全体を見ておく必要がありそうです。

 

ちなみに、管理人ペッパーは経済・金融の専門家でもなんでもありません。
信じるか信じないかはあなた次第!
ฅ(=^・^=)

Posted by ペッパー